皓火と錫
「下半分は殲滅完了…上は8割って感じか?」
石段の上空を飛びながら周囲を確認している皓火
ふと、焦げ臭い匂いを感じて停止する
「なんだ?本殿…ではないな。
姫さん…のところはもっと違う焦げ臭さ」
ならどこだ?
もっとここから離れた……森の中…
遠くの森に目をやった時、
パァァァ……ン
「花火…」
今度こそ花火だ。誰かが呼んでいるのだろう
「まぁ行ってみっか!」
皓火は進路を変更し、森の方へと真っ直ぐに飛んで行った
――――
「お?なんだ錫か!どした?」
頭上から聞こえた声に少し微笑む錫
「皓火さん!来て下さってありがとうございます。」
隣に降り立った皓火に軽く状況を説明する
「なるほどな…そういやまだ妖力の編み方は知らないんだったな。」
「はい、攻撃ばかり鍛錬していましたので…」
妖力を細く編んで縄を作る…
拘束には1番手っ取り早く楽な方法だが、
練習が必要な事もありもう少し大人になってから…
と銀に言われていたのだ。
「まぁ銀様は錫の攻撃力を気に入ってた所もあるし、そこを伸ばしたかったんだろうな。」
「そうなのかもしれません…ですが、今回の件で拘束は必須だと思ったので帰ったら打診します。」
白狐…というか狐は妖力の扱いに長けている者が多い。だが、どちらかといえば"化け"や"術"といった後援型が多いのだ。
烏天狗などと比べると攻撃特化はかなり少ない。
「まぁとりあえず今回は俺がこいつらを拘束するが…その後どこに連れて行く?
敵側だし、流石に救護班に任せるのも怖いしな…」
そう言いながらシュルシュルと妖力を細く編んでいく皓火を見ながら錫は屈伸を始める
「そうなんです。なのですみませんが皓火さんはここで待機お願いしてもいいですか?
戦闘が落ち着いたらまた花火などでご連絡します。」
そう言って空へと飛び出した錫
「……俺また1人なの?」
はぁー…と溜息を吐いて座った皓火
〖………〗
「なんだよ。そんな気の毒そうな目向けんな。」
要の視線を手で払う皓火
「俺だって思いっきり暴れたいのになぁー」
ボヤく皓火は大きく伸びをして
錫が向かった石段の方を羨ましそうに見つめていた
――――
プスプスと煙をあげている茨木童子。
「……一応生きてるよね…」
少し距離を置きながらそう呟く凛桜
雅は頷きながら鞘に納まっている刀に手をかける
「生きてるな…良く感覚研いでみろ。」
何か感じないか?
そう話す雅をチラッと見ながら
凛桜は自身の感覚を研ぎ澄ます
茨木童子の周りに流れている黒い妖力…
「……ん?何か…」
混ざってる……?なんだ…誰の妖力だ?
「いやこれ………人の精気か!」
茨木童子の妖力を補強するように流れている青白い力。
徐々に強くなる精気と共に大きな鬼の身体が修復されていく…
「凛桜、準備しろ。行くぞ!」
「オッケ!行こう!!」
青白い光に包まれた茨木童子が身動ぎした時、
夕日を反射した2人の刀が光線を描いた
茨木童子との最終決戦です。
引き続きよろしくお願いいたします!




