降参と涙
「…っ!?危ないな!」
美花は倒れてくる木を避けながら怒ったように声を張る
ひたすら避け続ける2人…
疲労からなのか、隣の要を見ると少しモヤの端が不明瞭になってきていた。
「要?大丈夫…?しんどさとかある?」
〖シンドサ…?ナントナク…ッ?!〗
要が答える前に巨木が2人を分かつように倒れる
「要!とりあえず逃げながら隙を探そう!」
私達の目的はスズ先輩を倒すことじゃない。
不意をついて逃げることが出来れば……!
「……って思ってるでしょ。」
「っ!!要!!」
突如目の前の視界が炎一色になる。
後ろはっ?!
すぐに後ろに炎が迫ってないことに気付いたが、
「!!……最っ悪。」
駆けだす前に真っ赤な木が道を塞ぐ
「どう?抵抗する気無くなった?」
頭上から声が聞こえ、美花は上を見る
「まだまだって言ったら…?」
美花の答えに
錫は腕を組んで少し考え込む
「………なら。」
錫が視界から消えて数秒後
〖グッ…!ウァァァァア!!?〗
木の向こうから要の絶叫が聞こえた
「要?!要ー!!!」
近付こうにも周囲を取り囲む木々は燃えており、
とてもじゃないが出られない…!!
「美花さんが抵抗するなら要君を、
要君が抵抗するなら美花さんを攻撃します。」
〖美花……ミカァ…!〗
呻きながら美花を呼ぶ要の声…
その声に重なって、錫の冷淡な声が耳に入ってくる
「なるほど…。やられたわね…」
あの時、要と離れないように気を付けていたら…
いや、どの道スズ先輩に勝てる道はあったのか?
これ以上要が力を使ったらどうなるか分からない。
もしかしたら消えてしまうかもしれない。
「……降参します。」
美花は力なく刀を放り投げた
終わりだ…。要はどうなるのだろう…
要はもう人間に戻れないのだろうか……
「要……ごめんなさい」
目から涙が落ちる
「ごめんなさいっ…!守れなくて…ごめんなさい…」
そう言って蹲る美花
「要君、君も大人しくしてくれるね?」
錫の問に持っていた刀を錫に差し出す
〖大人シクスル。ダカラ美花ワ傷付ケナイデ…〗
「うん。わかった…」
錫は刀を受け取り鞘に納め、周りを見渡す
まだ石段の方から戦闘中の音が聞こえる。
なら誰か気付いてくれるかもしれない
「出来れば拘束得意そうな人っ…」
錫は天に向かって右手を上げ、
空高く火の玉を打ち上げた
錫頑張りました。
各々が各地で敵を撃破していってます。
次回は雅達メインにな……ると思います。
引き続きよろしくお願いいたします!




