闇と光
空へ飛び上がり、真っ直ぐ茨木童子へと向かう凛桜
大きな鬼に近付くのと比例して
息を吸いたくない程の禍々しい妖気が強くなる
なのに……おかしい。
「何故か全く負ける気がしないねぇ!!」
茨木童子が振り下ろした刀を避けて着地し、
下から刀を振り上げる
「グハッ……オ前……!!!!」
血飛沫を上げた茨木童子は数歩後退して
すぐに刀を構え直す……が、
ビュォォォオ!!!
足元に突如現れた竜巻によりバランスを崩す
「左腕を狙え!!」
「わかった!」
凛桜が雅からの指示で左腕へと斬りかかった途端、
「オォォォォオオオ!!!!」
「うわっ……!」
「凛桜っ!!」
茨木童子の咆哮で吹き飛ばされ、
数本の木を薙ぎ倒して何とか停止する凛桜
「………何…?!」
頬から流れる血を拭いながら凛桜は目を見開く
雄叫びを上げた茨木童子は口から黒い妖気を吐き出しながら徐々にその姿を変えていく
「おいおい嘘だろ…?」
凛桜の元へと駆けつけた雅の目線の先には
黒い妖力で作られた右腕を確認するように動かす茨木童子…
「腕だけじゃない。
なんかもう…全体的に妖力の濃さが強くなってる…」
「確かにな…息をするのも嫌になるくらいだ。」
雅は口を抑えながら周囲を確認する
茨木童子から漏れ出た妖力によるものだろう…
他の隊員と交戦中だった鬼達の動きも活性化している
それに対してこちら側は主戦力が各地に散らばっている状態。数も劣っていることから疲労の蓄積は相当なものだろう。
「早々に片付けないと不利だな…」
雅は隣で立ち上がった凛桜を見上げる
「凛桜、最高火力で茨木童子を倒す。
んで、できる限り派手にやるぞ」
「派手?どういうこと?」
首を傾げた凛桜に雅は立ち上がりながら説明する
今、茨木童子によって他の鬼達の能力も士気も上がっている状態…
「だったらこっちも派手にやって味方の士気を上げれば良いんだよ。
で、1番士気を上げやすいのは凛桜、お前だ。」
「なるほど…まぁこんな姿になったしね」
凛桜は自身の白髪を指に絡めて笑う
「そゆこと。ではいきますか…!」
雅は刀に妖力を纏わせて飛び上がった
「派手に…ね。」
なるべく遠くからでもわかるように、
目立つように…!
凛桜は妖力の流れを強くしながら空を見上げる
夕方に近付いていた空は茨木童子の妖力により
より薄暗くなっている。
そして今の自分は何故かは知らないが発光中…。
「あ、いい事思いついた!」
凛桜は足に力を入れ、空高く飛んでいく。
――――
「っ……だぁ!!!…流石に3人はキツいって…!」
山を抜けたその先にある草原。
そこに設営された大きなテント前で倒れ込む皓火。
「お疲れ様皓火君、よく無事に届けてくれたね!」
テントから出てきた万葉はそんな皓火の頭を撫でて
優しく微笑んだ後、すぐに3人の少女に目を向ける
「これは……随分衰弱してるね…。
すぐに処置するね。木葉君!」
「担架持って来ました。
すぐにバイタルチェックします!」
木葉は他の化け狸と共に
少女達をテントの中へと運んで行く
「して、皓火君はこれからどうするんだい?」
万葉が皓火に水を渡しながら隣にしゃがむ
「まぁすぐに戻りますよ。
帰りが遅いと銀様にキレられるんでね…」
「はっはっはっ!そうかもしれないね!
狸なんぞと馴れ合いおって!!…とか言われそうだもんねぇ………おや?」
「ん?どしたんすか……?」
何かを見つけた万葉の目線の先を辿る皓火
「なんだあれ…花火?」
遠い空…山の頂上付近で上へと昇る1本の光…
その光が一点に止まって数秒後、
コォォォォオ…………ズドォォォォン………!!
無数の光が球状に飛び散り、
猛スピードで山の一点に落ちていった
「おお!なんだっけ…たまやーーー!だっけ?」
「いや、全部落ちてったから花火じゃなくてミサイルかと…」
皓火と万葉はそんな会話をしながら
宙の白い光をただ見つめていた
そういえば…
今年の万博一回行ったんですけど、
夏祭りの中止などで余った花火の打ち上げ見れたんですよ。
最近夏祭りとかも行けてなかったので凄く嬉しかったの思い出しました。
たーーまやぁーー!!!!




