第二十七話
山追いのトカゲ団が撤退する様子を観察しつつ、ウォールドトータルが周囲半径の岩場を急いで破壊する行動に移した。
「くっ、やべえ。あいつ、俺達ごと生き埋めにしやがってる」
バゾルドは石壁ごとに揮われるウォールドトータルの無差別な攻撃がここにして発揮されるなんて思わなかった。
「早くしねぇと、洞窟ごと丸埋めになっちまう」
デカい図体で動き回るウォールドトータルは身動きが軽やかに与えられているようだった。
銃で乱射を繰り返すもある程度の効果出ても意味はなさなかった。
大剣で切りつけたところだけは傷は付いていた。
抉れても平気そうに動き回るウォールドトータルは身動きを止めない。
ただ獲物を捉えるハンターのように舞い飛んでいる風に見えた。
破壊力は半端なく、周辺を粉々にする程に動く獣はバゾルドは受け身を取らず剣で何度かガードしていた。
地震が起こす勢いのまま、地面に自分の体を叩きつける。
天井が高いとはいえ、揺れる振動で崩れる壁の一部が落下し岩のように地面に落ちる。
ここでロームに言われていたことを今思い出すと銃を片手で構えた状態で詠唱呪文を唱える。
「我が右の名をバゾルド、覇者を唱える王の跪き。炎の主がここに放たれることを誓う。出でよイフリートの王よ」
赤く紅く散る花のように舞う魔方陣が銃口に出来上がる。
バゾルドは構えと執ったまま放つ砲撃はウォールドトータルに命中する。
大きな音とともに響き渡る大音量に、周囲の半径が吹き飛ぶ。
どれだけ遠くにいたのにも関わらず、風と光が届かせる。
大分離れた場所の位置からも、ウォンガネとノースターに伝わる振動が来ていた。
「あんなの、受け身を取らないと死ぬわ」
「やっぱすげぇえ。ドラゴンも一切のダメージを負わさずに殺した腕前は噂で聞いてたよりも間近で見る迫力ある」
「特殊法人ギルド、冒険者ギルドは長年ああいった人材がけっこういるよね案外あそこって」
呟きながら彼女は一番最初に訪れたギルドがそういった事情とは知らずにやってしまったことを知った。
通称冒険者ギルドとは違い、本気で取り込まない法人ギルドは荒くれ者達が引き寄せやすい因果関係を作ってしまうからと考え。設置されたギルドが特殊法人ギルドという名前である。
民間会社として力量で図る組織計画で生まれたギルドは拒否や賛成をどちらとも取れる体制が職員達によって保たれている。
国が決めない限り、このギルドは何の干渉も受けない者達が大勢いる。
所属した当初は皆驚いていた。
皆ランクEランク冒険者のまま、ここに至っている。
上げるのも自由に出来る為、皆そこには驚いていた。
底辺と呼ぶ物が少なく、平等に出来るギルドは珍しくなく普通に暮らして行ける。
落ちた者達は通称冒険者ギルドに通っている連中が多い。
そして、ここにいる全員が特級冒険者に並ぶ人達ってことはわかっていないことは大きい。
バゾルドもその内の一人だった。




