第二十一話
男は王国に着くなり、兵隊たち皆殺しをする。
一太刀で血が舞い上がる。
「敵襲だぁーーーー!」
王国兵は皆同じ格好の男に、挑み流れていく。
醜い音がゴチっとバチッと聞こえている。
城内は混乱状態に陥り、指揮官のロソンヴァンは同じ国を憂いて叫ぶように兵隊たちに激励する。
「我が国は、あの男の侵入を許すな!」
切り刻まれる集団と、前へ前へと進む攻防戦が始まった。
ハロルドはこの老人露骨になって、今に考える。
ああ、我が生涯は狂ってしまったあの頃のようだと嘆きつつも嬉しそう頬を緩める。
人を殺めている時点でもう可笑しいのに気が付かない訳がないとーーーーーーハロルドは自分の心の内を曝け出さない。
血を一身に浴びる男はただひたすらに屠る。
逃げ出す兵士もいたりするが、王国軍は異常なまでの能力に驚きつつも冷静に分析や解析をする。
刻一刻も、町中へ侵入する。
兵のみを殺し、向かってくる者には拳を振るい。
剣と盾が以外持ち合わせていないのか、彼は王国兵のみに徹し。
止められる者が少なくなっていく。
強者の兵隊たちはただ彼に殺されるだけの存在になっていった。
王城に近付く。呟く声は小さく、聞こえない耳障りな音で語る言葉を紡ぐ。
「王よ。今よりはマシだと言えた政治君主だったあの場所でもう一度会合を開きたいと仰ってた、ワシは其れを見届けることは出来ぬ」
ハロルドは前へ前へ進み、王座の前まで辿り着くと。
この国の王国軍の王族の王様が目の前にいらっしゃる。
ああ、なんて我が人生はこれほど。待ち侘びただろう。
「元第一部隊部隊長ハロルド・コンネーティー。只今より貴方様のお命頂きに参りました」
この最後の終わりを迎えた王国の終焉だった。
男の名前も歴史にも載らず、消え去った老人の最後の一時だった。




