第七話
広場でうろうろと、彷徨うバゾルド。
ギルドの方向は分かっちゃいるけど、どの方向だったか聞き忘れていた。
少女が男の方に声を掛けると、びっくりした顔で少女を見る。
「あの、もし迷子なら私がご案内しましょうか」
「ああ、お願いする。俺もよく迷うから、知っててもよく、な」
照れ臭そうに、自慢げにいうバゾルドに呆れる少女と強面のおじさんの光景は異質に見える。
「着きました。私はこれで、また会いましたらよろしくお願いします!」
彼女はきちんとした礼を取りつつ、交わす挨拶は丁寧だった。
「ああ、今度こそ迷わないからな。逢えたらよろしくな」
「ええ、よろしくお願いします!」
少女は立ち去り、ギルドの敷地内にやっとの思いで入れた。
「うーん、どこか違うよーな。ま、いっか。どれどれ」
FクラスからEクラスの全般が書かれている。
どれも初級冒険者がやる仕事ばかり、並べられていた。
それに、冒険者の質もほどほどよくいい程度にしかない様子だった。
付き合わされなければ、ほどほどが丁度よい気がしてきていた。
「うん、これはどうだ」
「えーーっと、ゴミ掃除の依頼ですよ」
「ああ、休まる時間が欲しかったんだ。丁度いいって思って、選んだんだが。可笑しかったか?」
「いえいえ、別にそんなことはないですよ。こちらの方も非常に助かりますし」
「うんうん、ま、いいじゃねえか。それと、ここ。何処のギルド?」
バゾルドは何も考えなしで言ったつもりなければ、疑問があっただけの話