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第三十七話
エルフの名はヴォルトネム・ヘヒャノニムネ・コーディフィニム・ドフォクレサ。
ヴェコドと呼んでいるらしいエルフはどのエルフ像にも似合わぬ姿でバゾルドと相対していた。
古くからの名前で、誰からは付けられた名だそうだ。
そんなエルフに手の甲など見つめるエルフは変態だと思いつつ、バゾルドは思い出を振り返りながら頷いた。
「なんか見えたんか、これの意味はっちゅーとわかったんか」
ヴェコドは頷き、手の甲の紋様をヴェコドが掌を描くように魔方陣を作る。
特殊な文字で描かれた字に紋様を写すと、いつの間にか手にしていたナイフを自分の右手に刻み。
血を流させる。
「術式は完成した。偉く気に入りられましたね」
施したヴェコドは、傷痕がなかったように振る舞い立ち去った。
「これは私の意見ですが、いいですか」
定位置に戻ったら、バゾルドの顔を見ながら。
「神子と呼ぶ縁が刻まれていたのですよ、普通なら面白い材料になるはずが改変された形跡もある紋様は初めて見ました。是非とも研究材料になってくれませんか」
引き攣るような、複雑な気持ちになりつつ。
「そうとは違ぇねぇけど、これって彼奴らの証に付けられたんだよ。外れんの?」




