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1 現実頭皮

 現実逃避、ではなく現実頭皮だった。頭ん中に、空想の種はあるからで、でもそれはやっぱり「ここは、重力に従わない『ワープゾーン』である!」とか突飛なことは考えにくいから(ま、でも慣れて仕舞えば意外と行けるらしいんだが、勇気がない)現実逃避しているのに、いつしか現実の要素をついつい取り入れてしまうんだ。

 この少年、テツもその一人だった。同級生の稲毛高季(いながたかき)に散々嫌がらせを受け、渋々それに頷きながらもなんとか家に帰ると、忘れ物に気がつく。重大な忘れ物で、「まあ今日くらいなくてもなんとかやり過ごせる」レベルのものではないことが、それもしばしば、あった。

 ヘマがあって、悲しくなることがある。

 元々忘れっぽい子で、それに、突出して不器用だったから。

 そんな時、よく()()をやるんだ、テツは。

 空想の世界に、飛び込んでいくんだよ。

 彼は、それを現実頭皮とか、空想旅行(アラバキりょこう)と呼んでいた。

 その世界で、テツは国王だった。

 若い小学生の国王として、地球の何倍もの領土を持つ、円に限りなくちかい楕円の形をした星、第二地球(アラバキわくせい)の、第二アラバキ王国の首都レーテネストに、王として君臨していた。

 テツが最初に思い浮かべたのはこりどう。高校3年生の茶肌の男で関西人の過去を持つ。

 ひょんなことから日本を追放され、日本を夢見る外国人がいる島・アレー小国に逃亡した彼らだったが、アレーでも酷い仕打ちを受けた。それはいずれスピンオフとして載せるつもりだがとにかくそれは酷かった。


「テツとこりどうは、これは食べてはダメだ」

「テツとこりどうは、ものを買うことはダメだ」


 など、厳しい差別を受けたのである。

 結局、1日の彼らの食糧は某日本の冷凍餃子有名店の冷凍餃子の自販機で買う冷凍餃子だけだった。

 大通りに設置されているものはダメだ。時間を見て、こっそりやらなければダメだった。

 そして、毎日ひたすら走り、アレーを出た。貨物船の中に忍び入り、ついたのは有人島だった。

 文明を立派に成長させると、敵国「スティックマンカントリー」が出現した。

 

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