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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

タイムアタック勇者 俺が死ぬまでに世界を救え!

作者: 仁奈

 初めまして、もしくはお久しぶりです。仁奈です。

 練習の練習を書きました。

 よろしくお願いいたします。

 丘の上、二人の男が佇んでいた。男たちは、会話をすることなく、ただ、だんだんと赤く染まっていく街を眺めていた。


 しばらくして、男の一人が口を開いた。


「俺は、もう落ちるわ。お前は…まだいるのか?」


「ああ」


「そうか、楽しかったよ。またどこかで…」


 男は最後まで言葉を残すことなく緑の閃光と共に姿を消した。


「ふっ、チキン野郎め。まだ5分もあるじゃねえか。…ああ、楽しかったよ。またな」


 一人、丘の上に残った男はもういない男に向けてそう手向けの言葉を口にした。


「あー、もう終わるのか。ほんと、楽しかったなぁ。皆んなでギルド作って、冒険に出て、毎日がほんとうに楽しかった。…ハハ、あいつは最後までチキンだったけど、こうして最後まで付き合ってくれたのは嬉しかった。…また、皆んなで冒険したいな」


「キュウ?」


「お、お前もそう思うか。けど…ごめんな。これで最後なんだ。まあ、安心しろ。俺はこの世界が終わるまで、ペネッツ、お前と一緒にいるからな。」


「キュ、キュウ!」


 …男は、そう言いながら、肩に乗せていたふわふわなモンスターを腕に抱き寄せた。


 このモンスターは、愛玩兼補助用モンスターとして、この世界の冒険者たちをサポートしてくれる。様々な種類が用意されているが、男が抱き寄せているのはそんなモンスターの中でも人気な「M S -02 モモン」魔法特化型のサポーターだ。ふわふわ体毛とモモンガのようなかわいらしい姿を持ちつつ、高火力な魔法も使えるというとても優れた個体だ。ちなみに「ペネッツ」という名前はその男の好みだ。冒険者各人が名付けることができるが、「モモン」も可愛くていいと思う。


 そして、この世界の名は「アンブロシア」。冒険者はそれぞれ能力が異なる職種につき、この世界を探索する。時にはその男のようにギルドに入って仲間と共に困難に立ち向かう。すべては神々の食物を手にし「不死」になるために。…まあ、そういう設定のVRMMOゲームだ。そう、この世界はゲームなのだ。そして、男が言っていたように、この世界は本日、地球時間23:59:59に終わりを迎える。


 決してこのゲームが人気がないわけではない。「地球」という世界でVRMMOのゲームが利用所持の禁止、生産廃止になるからだ。理由はお分かりかと思うが、戻ってこない人が後を経たないからだ。…中にはゲームの世界で会社を立ち上げるという猛者もいたが…世界中で問題視され、国連をも超えた結びつきで法的強制力を持って禁止された。つまり、世界は「核」を所持するよりもヤバいものと判断したわけだ。…意味がわからない。ほんと馬鹿げていると思う。


 そういうわけで、この「アンブロシア」という世界は終わりを迎える。


 サービス終了まで 23:58:30


「あと、1分か…そろそろだな」


 男は、顔の少し前に表示したスクリーンを見ながらそう呟いた。


「メーナ、ハヤト、クルス、サヤ、…ダンボール1号・2号・3号、コマンドゥ、そして…最後まで残ってくれたペットボトル5959…」


 サービス終了まで 23:59:20


「…「不労」のギルドマスターであるこの俺、木村が最後まで見届けた。今までありがとう!」


 男改め、木村は暗くなるこの世界に向けてそう言葉を残し、目を閉じた。


 サービス終了まで 00:00:00


『「アンブロシア」サービス終了いたします。ここまで遊んでくださったプレイヤーの皆様ありがとうございました。』


「……」


 終了時間が訪れるとともに、そんな音声が流れた。俺はしばらく、そのまま感慨に耽った。ただ、いつまでもこうしているわけにもいかない。「キュウ?」ああ、これから現実の日々が訪れ・る・から、うん?キュウ?


 俺は、慌てて、目を開けた。


「っ!」


 そこには先ほどまで眺めていた街が消えず、存在していた。そして、腕の中には、ペネッツがこちらを見上げるように顔を覗かしていた。


「ど、どういうこと。サービスは終了したんじゃ…。え、まって。これアンブロシアなのか?さっきまで夕日だったのに日が出ているし。…そうだ!プレイヤー画面。プレイヤー画面を見れば分かるかもしれない」


 サービス終了まで 00:00:00 サービスは終了いたしました


「うん、終了しちゃってるね。そうだよね!終了だよね。じゃあ、これはなんなの」


 木村は焦りながら今起きていることについて知るため、空に表示したプレイヤー画面内を隈無く探した。

 

 そして…


 木村死亡まで  72:00:00


「え、何これ。木村死亡まで72時間?現実時間の表示の隣にあるこれ、何?…木村ってもしかしなくても…」


『そう。お前だ!』


「っ!」


 俺は咄嗟に辺りを見渡したが誰もいなかった。すると、胸に抱えていたペネッツがバタバタと腕を動かし始めたので、何事かと思い意識を向けると、そのまま飛び出した。


『私の名前はモモン。お前には今からあるゲームに挑んでもらう』


 そして飛び出したペネッツは突如、そんな意味のわからないことを言い出した。


「っ!お前は一体誰なんだ?」


『私はモモン。今からお前が挑むゲームのマスターだ。』


「ゲーム?いや、その前にお前は何者なんだ?」


『お前は、馬鹿なのか。モモンと言っているだろう!』


「いや、モモンはそのキャラの名前であって、お前の名前ではないじゃん。」


『お、おお、そうか。そうだな。いや、そうなのか?…まあ、マスター「A」とでも名乗っておこうか。そんなことより、お前には私のゲームに挑んでもらう。お前の世界でいう「デスゲーム」をな』


「…デスゲーム」


『そうだ。プレイヤー画面の表示の通り、お前は今から3日後に死ぬ。死を避けるためには、この世界の平和を取り戻さなければならない。お前は「アンブロシア」をプレイしていると思っているかもしれないが、少し違う。仕様等はそのまま使わせてもらっているが、世界観を少しいじらせてもらった』


「じゃあ、スキルやステータスはそのままということですか?」


『ああ、そうだ。そして世界観も大して難しくない。「魔王と勇者」といえば分かるだろう』


「つまり、俺は勇者として魔王を倒せばいいんですね?」


『まあ、そんなところだ。そして、もし期限内に世界の平和を取り戻せなければ、お前は死ぬ。…だが、安心して欲しい。私は悪魔ではない。お前の肉体は死ぬかもしれないが、この世界でお前は生き続けることはできる。…それがいいのかは私には判断しかねるがな』


「なるほど…」


 えーと、まとめると俺はAという奴からデスゲームを仕掛けられ、ゲーム「アンブロシア」の世界に取り残されたわけか。そして、Aによって弄られたこの世界で、勇者として魔王を倒さないと俺は死ぬ。しかも3日という短い期間で。まあ、死ぬと言っても、現実世界で死ぬだけで、Aが作ったこの世界で生き続けることはできるらしいけど。うん?待てよ。それって、つまり異世界転生と変わらないんじゃ…。いやだって、現実世界で死んで、別世界で生きる。Aが何者かは分からないがこんなことできるのは神みたいなもんだよな。それにこういうゲームから異世界に行く展開はよくあるし。…おっと、これはデスゲームでもなんでもないぞ。むしろ…


『さあ!ゲームの始まりだ。せいぜい私を楽しませてくれ!』


「俺、魔王倒しません」


『えっ!なんて?』


「だから、俺は魔王を倒さず、この世界で生きていきます」


『え、ちょっと待って!この世界で生きるの?一応、現実世界で死ぬのだけど…』


 …口調が変わってるし。これが素なのだろうか。Aは慌ててそのようなことを言ってきたが、何を慌てることがあるのだろうか。異世界転生は人類の夢だろう。だから、俺は躊躇わずこう答える。


「大丈夫です。この世界で生きる覚悟はあります」


『そっかー、覚悟決めちゃったかー。…いやその覚悟はいらんわ!ねえ、現実世界に未練とかないの?』


 未練…まあ家族に会えなくなるのは寂しい気がするけど、この世界で、しかもゲームの鍛え上げたステータスを持ったまま暮らせるなら…


「ないです。この世界で新たな人生を歩みます」


『…君、心をログインし忘れているよ。まあ、そういうなら仕方がないか。せいぜいこの世界を楽しんでくれ。はあー』


 なんかすごい、がっかりさせてしまったが、まあ当然か。キャラまで演じてデスゲーム仕掛けたら参加しないとか言われたら、俺でもへこむ。そして思い返して恥ずか死ぬ。でも、そもそもこれデスゲームとして成立してないから。俺は悪くない。


「なんか申し訳ないけど、新たな人生を与えてくれてありがとうございます。とりあえず、街に行ってみようと思うのですが、ペネッツはどうすればいいですか?一緒に連れっていいですか?」


 とりあえず、どのように世界が変わったか知りたいから、街に行きたいけど、Aが取り憑いているよに見えるペネッツはどうしようかな、俺はそう思い、いじけ地面に伏せているAに聞いてみた。


『あ、うん。一緒に行くよ。3日間はゲームマスターとして監視しないといけないから。ほんとなんだよもう…』


 俺は、未だにいじけているAを拾い上げ、丘の下にある街「ユンデル」に向かった。


 街の入り口に着くと、建物等はそんなに変わっていなかった。


 しばらく、街の入り口付近で様子を見ていると、第一住民を発見した。せっかくだから彼女に街の様子を聞いてみることにした。


「ようこそ「ユンデル」へ」


「街の様子で何か変わったこととかある?」


「ようこそ「ユンデル」へ」


「…ギルドの場所はどこかな?」


「ようこそ「ユンデル」へ」


「…」


 おい、これは。


 俺は慌てて、Aの方に向きなおった。そしてこの状況について一言申そうとしたが…そこで繰り広げられている光景に唖然とした。


「おーっと、ついに扉が開いた!どうやら金具を用いて鍵を開けた模様」


『タクト!いつまで寝ているの!学校に遅れるわよ!あと鍵をかけるのはやめなさいと何度言ったら分かるの!』


「お母様は激おこですね。さあ、タクト君は起きているのかー」


『布団に潜ってないで早く、起きなさい!』


「どうやら、タクト君はまだ起きていない様子。お母様が必死に揺さぶっております。だけど…起きない!」


『えっタクト?』


「そう、なぜなら彼は今ここにいるから!」


 振り向いた先には、なぜか俺のお母さんと俺の本体?が空に映し出されていて、その様子を楽しそうに実況している女の子がいた。 


「あ、あのこれはどういうこと。ていうかAでいいの君は?」


「ああ、そうだよ。あと一応ゲームマスターだからAさんな。そこ大事だから。それとこれはね、君の現実での状況を映してるの。3日間暇だから実況でもしようと思うの。いいアイディアだと思わない?」


 どうやら目の前の少女は、あのAさんで間違いないらしい。そして、暇という理由で俺が死ぬまでの状況を解説してくれるという。死ぬのはいいけど、冗談じゃない。それにこの世界の住民対応。もし俺の推測通りならこの世界で生きるのは無理だ。


「いや、思いません。やめてください。それになんですか?ここの住民同じことしか話さないんですけど」


「あ、それはね、世界観をいじる際に別のゲームを参考にしたからそうなったんだと思う。でも安心して、ゲームの条件を達成する上で支障はないはずだから」


「…」


「ふふ、ゲームに参加する気になった?それともこのままこの世界で生きる?」


 くそ、推測が当たった。…この世界で生きるのは無理だ。会話が成立しないとか終わっているだろう。一人好きにはそれなりに楽しむことはできそうだけど、一生はきっと辛い。ああ、もう、なんでこうなるんだよ。


「3日で世界を救えばいいんだな?ああ、やってやるよ!」


 この瞬間、勇者木村が誕生した。さて、3日で世界は救えるのか。


「よし、ゲームの始まりだ!」


 木村の死をかけたタイムアタックが始まる。





お読みいただきありがとうございます。


 仁奈です。

 

 初めましての方が多いかと思いますが、つい三週間ほど前に『アンケートから始まる異世界生活』という作品を書いておりました。


 その最終投稿の際、しばらくは時間が取れないから書けないと申しましたが、時間が取れたので、書きました。


 …はい、もっともです。すみません。続きはまだできていないのです。いや、書きたいことは思いついてますよ。ただ、プロットというか道筋がまだなんですよね。

 

 もうしばらく待っていただければと思います。すみません。


 さて、今回投稿したものは、続きを書く上で、小説書きの腕を上げるための練習の一環として書きました。


 一応、コメディとして書きましたが、センスがないので、面白くないかもしれません。まぁ、存分に滑り倒してやりますよ!

 

 ちなみに、ギャグ漫画とかは大好きですね。なので、挑戦してみました。


 グタグタで申し訳ないですけど、今回はこのぐらいにいたしまして、アンケートもそうですが、この話も気に入ってますので、続きを書けるよう努力いたします。


 ここまで読んでいただきありがとうございます。

またの機会にお会いしましょう。


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