パーフェクトガールの秘密
〜6〜
昨日のあれは…………なんだったんだ
多摩子の愛好会を始めます
って確かに言っていたような気がするが
夢であってほしいが………
校門に入りながら横を見ると
「おはようございます哲郎さん」
満面の笑顔の碧がいた
「おはよう………っていつからいた」
「えーと……哲郎さんの家の前からついてきていましたよ」
「……………………………………………」
えっと………もしかしたらストーカー………………
「私、哲郎さんと同じ愛好会に入れて幸せです」
「あ………あ………そうだな………」
「じゃ私、ここだから……また放課後に」
教室に入る碧を見ながら
「やはり夢でなかったか………」
教室に入ろうとした俺を
「ちょっと君、待ちなさい」
呼び止められたから振り返るとそこにいたのは
「生徒会長…………」
がいた
「私の事は知っているんだな」
「それは………当たり前ですよ………」
知らない人は多分いない位の有名人だ
「あのなんの用ですか」
「君は確か川中哲郎だったな」
何故俺の名前を知っているんだ
「そうですが…………」
「哲郎と同じクラスに一条多摩子と言う生徒がいるな」
「ええいますけど」
一体何がしたいんだ
「貴様と多摩子は仲が良いのか」
「仲ですか、相手にされていません」
とりあえず嘘をつく
「そうか、貴様と多摩子が仲良く話している姿を見たと言う目撃情報があるんだが」
見られていたのか?いやあの時は誰もいないはずだった筈
「偽情報でしょうね、多摩子はパーフェクトガールって知っていますよね」
「…………………………ああ」
何なんだこの間は
「基本的に相手にされていません、多摩子からみたら俺なんてうじ虫以下ですから、で多摩子が何かしましたか」
「愛好会の申請書を出してきた……何か知らないか、どんなに小さい事でも構わないから」
「さあ知らないですけど」
「隠し事は……してないな」
「…………してません」
そこにチャイムがなった
「もう始まりますから……」
「そうだな、そう言えば多摩子はいないようだが」
教室を覗いたらいなかった
また遅刻らしいが、今日は助かった
「また君には聞きたい事があるから宜しくね」
そう言うと会長は離れていた
会長の狙いは何なんだと思いながら席についた