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第24話 幕間 とある魔法少女

本日3話目です

「はー……」


 ため息が自然と口を吐く。


「駄目だなあ、わたしって……」


 質の悪い干し草のベッドに横たわり寝返りをうちながら愚痴をこぼす。


 3カ月程前の事。

 年が明けて15歳になり、冬の寒さも少し和らいだ三月の末に、わたしは住み慣れた故郷を離れた。


 立派な魔術師になる為に。

 そして、冒険者になる為に。


 わたしが産まれた故郷は帝国でも北東の外れで、北の王国に程近い小さな村。

 水が豊富で米という珍しい穀物の栽培を行って居るけれど、町から遠く離れ、しかも農地の狭さからかとても貧しい村だった。


 10歳になった年のある日、そんな小さな村に魔術師さんが偶然通りかかった。

 この世界では珍しい、眼鏡をかけたその知的な魔術師さんはわたしを見やり、わたしには魔法の大きな適性があると教えてくれた。


 そして、わたしに元々備わっていた適性、水の魔法と風の魔法の基礎を無料で教えてくれた。

 魔法は、例え魔法属性の適性が先天的にあろうとも、その適性と術者の魔術回路を繋げなければ実際に魔法を使用する事は出来ない。


 だからこそベテランの魔術師さんに、魔術回路を接続する基礎を学ばなければ成らないのだけれど、本来、基礎を教えて貰う為には結構なお金が必要となる。だけれどその綺麗な魔術師さんは、その時わたしにこう言った。


『あなたは大きな可能性を秘めているわ。願わくば、その可能性を潰さないで欲しい。だからこれはその為の投資なの』と。


 彼女はわたしに向けてそう言って来た。吸い込まれそうになる程に綺麗な瞳で。

 だからこそわたしは魔術師になる決意をしたのだけれど……。


 でも、村の周辺の森にはわたしにとってレベルが高い魔獣しかいなかった。魔の領域が近いから、という理由で。

 確かに、ファブリだとかスライムだとかの最弱に分類される魔物は存在した。けれどそれらを倒しても倒しても、いつしかレベルは上がらなくなった。


 村を襲うゴブリンも居たけれど、それらは常に冒険者ギルドに依頼をかけて討伐をして貰っていた程なのだから、わたし一人ではどうしようもなく。


 このままでは駄目だ。

 何かを変えなければ。

 例えば、15歳になったのだから冒険者になるとか。


 思うようにレベルを上げられず、そんな風に思い悩んでいたところ、旅の行商さんからレベルを上げるに最適な場所があると聞かされ、わたしはその町に向かう決意を固めた。

 これでレベルをあげられると思いながら、意気揚々と出発をしたわたしには、成功した未来しか見えてなかった。


「なのになんでだろう……」


 出発をする前の晩、村を総出でお祝いをしてくれたのに。

 村長さんや村の上役の人からの期待もひしひしと感じたのに。

 家族や友達は、何時でも帰っておいでと優しい言葉をかけてくれたけれど、このままでは帰れない。


 立派な魔術師になって、村に恩返しをしたいと思いながら出て来たのに。

 うまくいかない。

 何一つうまくいかない。


 南の森に行き始めた時のレベルは8だったけれど、3カ月経ってもレベルは1つも上がってはいないし、食材や素材として売れるような魔獣を狩る事も殆ど出来てはいなかった。完全に収支はマイナスだった。


 田舎を出発した時に両親が持たせてくれた貴重なお金は49万ゴルド。とんでもなく大金だ。それだけあればわたしの村だと、一家6人が1年は楽に暮らしていける金額。


 それを、わたしの為にお父さんは村中を駆けずり回って頭を下げ、笑顔でわたしに持たせてくれたのに。

 村全体が決して裕福では無いのに、皆快く貸してくれたのに……それなのに今では残り2万ゴルドしかなくなってしまった。


「情けないよぉ……」


 何が悪かったのだろうか?

 狩り方が悪いのは自分でも分かっているけれど、その他でなにか間違っている事は無いのか必死で考えた。


 節約のために宿屋もとっくにランクを下げた。

 これ以上下げるには男の人も女の人も一緒に寝るような、寄り合い宿しか無いのに……。

 そうなった時の事を想像し、思わず体が震える。


 まともな食事は1日1食にまで減らした。

 安いお店を探して食べていたのは最初からだけれど、それでも1食はまともに食べないと、魔力の回復に影響を及ぼしてしまうから、これ以上食費を切り詰める事は出来ない。その……わたしは人よりも少しだけ多く食べてしまうし……。


 もう少し魔法の増幅効果が高い杖があれば、結果は違ったのかもしれないなんて思っても見たけれど、5万ゴルドの杖も20万ゴルドの杖もさして効果は変わらないと知り、それはそうそうに諦めた。


 冒険者にとって必須だとはいえ、一番小さなマジックポーチを30万ゴルドもだして冒険者ギルドから買ったのも余計な出費だったかもしれない。


 このままではどうにもならないのは分かってる。

 勇気をだして何度もパーティーに加えて欲しいと誘ってみたけれど、誰もその後はパーティーを継続して組んではくれなかった。


 それもそうだろう……焦って詠唱を失敗しちゃうような魔術師なんて、お荷物でしかないから。

 中には明らかに下心が見え、わたしの胸ばかり見ながら条件を付けてくる冒険者さんもいた。条件とはそのパーティー全体の情婦になる事。


 断った時に浴びせられた言葉は今でも忘れられない。

 男の人達に夜の奉仕をするくらいしか、わたしには価値がない田舎者なんだと。

 ショックだった。


 実際にそういう扱いの女性冒険者がいるのは知っているし、そういうパーティーが多いのも知っている。

 そうなってしまった女性の行きつく先は、奴隷落ちだという事も知っている。

 情婦として役に立てなくなってしまえば、魔獣の盾にされる事も知っている。


 苦しそうに、悔しそうに、寂しそうに俯きながらギルドに訪れる姿を何人も見て来た。

 その姿を見るたびに、なんでそんな酷い事ができるの?と。


 転移者さんは酷いと皆はいうけれど、わたしに言わせればこっちの冒険者の方が余程にひどい。


 でも……。

 

「もう、それを受け入れるしかないのかな……」


 まだ何も経験していないのに。

 せめて初めては好きになった人とって思っていたのに。


 知らず頬に涙が伝った。

 一筋、二筋と涙が溢れて止まらなくなる。


「ぅぅ……帰りたいな……」


 何とかしなければ未来は閉ざされる。

 帰ればいいだけだけれど、帰れない。


 だったら自分で何とかしなきゃ。

 ここでは何も、誰もわたしを助けてはくれないのだから。





 泣きはらして腫れた瞼を擦りつつ朝を迎える。

 そんな日が何日続いているだろうか?


「雨、かぁ……」


 外から雨音がはっきりと響いてくる。

 どうやら今日も狩りには行けないみたい。


 ただでさえ集中力を必要とする魔法なのに、雨の中でまともに詠唱が成功する筈も無い。

 初心者魔法使いなんてその程度だと、冒険者ギルドの人に教えられた。

 慣れるまでは、決して雨での狩りはしちゃだめだと。


 だから動きたくない。

 動けばお腹がすいてくるし。


「でも、わたしでも出来る簡単な依頼が出て居たりしたら……」


 そう思った時に、そう言えばと思い出した。今日起こるだろう出来事を。


 確か、今日の午前中だったはず。

 今日、1年ぶりに転移者さん達がやってくると、冒険者さん達は話をしていた。

 とりわけ、雲の上の存在にも思える上位の冒険者さん達が、そして中上位レギオン全体がここ数日は色めき立っていた。


「いってみようかな。依頼があるかもだし」


 自分が行ったところで、何かある筈も無い事はわかってる。

 この世界の冒険者さん達にすら相手にされないわたしが、ハイヒュームだとも裏で言われている優秀な人達に相手にされる訳が無いのだから。


「でも、一度みてみたいかも」


 こちらにきて3か月と少しの間にも、転移者さん達は何度もみかけたけれど、全員が髪の色を変えたりしているから、本当の黒髪黒目の人をわたしはまだ見た事が無い。


 だから少しだけ見てみたかった。

 どうせ暇だし。

 宿に籠っていても、気分が滅入るだけで良い事なんて何もないし。


 もしかしたら黒髪黒目の異世界の人を見る機会は、これが最初で最後かもしれないのだからと、わたしは重い体を動かしながら、宿から冒険者ギルドへと歩を進めた。





 意外だった。

 ただただ意外だった。


 来たてほやほやの転移者さんを、初めて見た時のわたしの率直な感想。


「……あの人はどうしたんだろう?」


 最初、どんな人たちが来るのだろう?と思いながら見て居たけれど、真っ先に冒険者ギルドへ現れた転移者さんは、どこか居心地の悪そうな、まるで自分を鏡で見ているかのような。そんな人だった。


 足取りも重く、自信のなさそうな転移者さんだったけれど、わたしは何故かその人が気になって、それからずっと視線を送り続けた。


「あれ?喧嘩?」


 みれば同じ転移者さんと何かいざこざを起こしたらしい。

 とはいえ一方的に片方の転移者さんが、何かしきりに言っているような。

 はっきりと聞こえないけれど、なんだか嫌だ、あの人。もちろん煩い方。


 ただ、その内容を聞いた他の冒険者さんが言うには、転移者さんではあるけれど、どうやらレベルと基本ステータスが、わたしたちこちらの世界のヒュームよりも低いらしいと。必ず有るはずの加護もないと。だから虐められていたんだと。馬鹿にされていたんだと。


「え?……どうして?」


 あり得ないと思われていた事が起こったが為に起きたトラブル。

 わたしが以前聞いた話では、最低でもレベル15以上のステータスを持って訪れるのが転移者さんの筈で、凄い人はいきなりレベル30を超えているとか。わたしはそう聞いた。


 なのに、過去を合わせてもその人だけが極端に低いと。

 そして加護が無い転移者さんも初めてだと。

 でもだからだろう。ここに入って来た時の絶望に満ち溢れた表情は。


 自身が望んで来たような事を聞いたけれど、だからと言って苦難を背負いたいなんて誰しも思わない。わたしだって嫌なんだから、召喚されたあの人にしてみれば、それはもう悲劇に近かったかも。


 それからは直ぐに噂が広がった。

 他の転移者さんやその人たちをスカウトした人も、次々と冒険者ギルドの受付ホールへと入って来たから。


 あちらこちらで聞こえる声。

 転移者のくせにとか、格好悪いとか。

 なんでそんな風に言うの?と心の中で憤慨していたのだけれど、もっと酷い言葉が聞こえた。


 いつ死ぬか賭けが始まったと。


 その時、わたしはこの人たちが悪魔に見えた。

 笑いながらそう口にした人達は、人の皮を被った悪魔だと思ってしまった。


 それと同時に、歯を食いしばって耐えているその転移者さんの事が、気になって仕方がなくなった。

 わたしなんかが気にしても、嬉しくもなんともないかもだけど——


——トクン……


 あれ?……なんだろう?


 胸が苦しい。


 この苦しさは何だろう?

 それを考えれば考える程に、わたしはその人から目が離せなくなった。


 でも、胸が苦しい理由は分からない。こんな事初めてだから。


 もしかしたら同族だと思ったからかもしれない。

 同じように打ちひしがれた者同士、どこか共感してしまったのかな。


 その後、冒険者ギルドの……エ、エミリアさんだっけ?確かそう。

 その職員さんに何かを言われた彼は、少しだけ笑顔になった。


 良かった。

 きっと心に沁みる言葉をもらったのだろう。

 だとしたら本当に良かった。



 彼は初心者コースを受講するようだった。

 わたしは既にそのコースを受講済みだったから受ける事は出来ない。


 彼が気になり、このまま待って居ようかとも思ったけれど、流石に何もしないで座っているのは不審極まりないよね。

 なのでわたしは少しばかり後ろ髪を引かれるような思いを抱き、そのまま冒険者ギルドを後にした。


「あ……雨やんでる」


 水はけのよい石畳の道を、宿に向けて歩きながら空を見上げる。

 明日は狩りに行けるかな?

 だとしたら、もしかしたらあの人もわたしと同じ南の森で狩りをするのかな? きっとそうだよね、などと思いながら。


 そしてその日の晩は、久々に涙を流す事なく眠る事が出来た。

 明日が待ち遠しいと思ったのも、久しぶりのような気がした。





 朝から天気も良く、この調子だと薬草類も育っている筈。

 そう敢えて思いながら準備をし、小さな硬いパンをかじって出かける。


 走竜便が発着するロータリーに到着すると、目的の馬車は既に止まっていた。


 どうでも良い事だけれど、この馬車を始めて見た時、なんで走竜が引っ張っているのに馬車って言うの?お馬さんじゃないのに?と思ったものだけれど、今ではわたしもすっかり走竜便の事を馬車と呼んでいる。確かに走竜車じゃあ呼びにくいし、なんとなくしっくりこないなって思ったから。


 そんなつまらない事を思いつつ、わたしは馬車に乗り込み、出発を待つ。


 昨日の彼はどうしただろうか?


 気にしない様にしつつもやはり気になる。

 どんな装備を揃えたのか、レベルとINT値を噂で聞いたけれど、とても魔法は実用で使えない数値だったから、剣で魔物を倒す事にするのだろう。


 だとすれば杖よりも高価な剣と、それからローブよりも高価な鎧は?ポーションは?ちゃんと手に入れる事が出来たの?


 そんな勝手な心配をしていると、獣人の娘に連れられて同じ馬車の所へ現れた。

 良かった。ちゃんと装備が揃ってる。


 嬉しかった。

 昨日から続くこの感情が、どういった物なのかは結局分からなかったけれど、それでも嬉しく思えた。


 それに、彼の表情が、昨日とは打って変わって晴れ晴れとしていたことも、嬉しかった理由かもしれない。


 人の事なのに。他人の事を気遣う余裕なんて自分にはないのに。

 そう思うと悲しくなってくるから、なるべく考えないようにしつつ馬車に揺られた。


 そしてまたしても彼をずっと見てしまった。

 ただ彼を見ていた。


 彼は御者の人としきりに会話をして、会話をしていない時は周囲を楽しそうに見ていた。

 そんな彼が羨ましいとも思えたし、わたしにはもう、周囲の景色を楽しく味わう余裕もない。


 でも、なんとなく勇気は貰えた気もした。

 彼が出来るならわたしも出来るなどといった驕った思いではなく、彼の表情を見ているだけで、何となく……。


 よし、頑張ってみよう。


 そう思いながら馬車から降り、今日こそは!と気合を入れて森の中へと一人入って行った。





「はあー……」


 結果は散々。


「今日も駄目だったなあ」


 予想通り薬草は十分採れたけれど、間違えて魔法の詠唱に反応する魔獣に魔法を使用してしまい、挙句その魔法の詠唱をミスしてしまうというドジを踏んだ。


 結果、大きなダメージを受けたがために下級治癒ポーション——10個セットで2万ゴルド——ではなく、高価な中級治癒ポーション——1個1万ゴルド——を使用せざるを得なかった。


 だから今日も経費を引いたら少しだけマイナスだった。

 採集依頼をクリアしててマイナスなのだから、ほんと駄目だ。


「何をやってるんだろう……」


 彼に力を貰ったはずなのに。

 勇気をもらったはずなのに。


 自分自身にがっかりしつつ足取りも重く、馬車の通る街道まで出て見れば、既に彼は馬車を待っていた。

 表情は疲れ切ったものだったけれども、何故か今朝とも違って見えた。


 なんて例えればいいのか適当な言葉が思い浮かばないけれど……ああ、そうだ、少しだけ自信を持ったような。

 何かの実績を上げた人の顔だ。


 そう思った瞬間に、良かったなあと。良かったねと。


 そう素直に思えたのだった。

 自分が散々だった事など忘れる程に。

 それでも思い出させられる現実。


 ……明日から馬車も行きは無しかな。


 今日までは行も帰りも馬車をつかっていたけれど、もうそろそろ見直さなければ……と。


 帰りは疲れ切っちゃうから乗らないとだし、夕方近くになれば町の近くでも危険だって聞いたし。


 余計なことをせず、採集だけで当分過ごすべきだろうか?

 計算すると1日2000ゴルドくらいは黒字になるし。

 でも、それが焼け石に水だという事は誰でもわかる。


 本来、採集依頼は狩りのついでに請け負うもの。

 だから採集をメインにするなんて本末転倒だし、そもそも採集では経験値が入らない。なので、即却下だった。


 採集依頼を再度受けるとしても、やはり少しでも多く経験値を稼がなきゃと。

 それに入り口付近の薬草なんて、直ぐにだれかが抜いちゃうよね。


 そう思いながら帰りの馬車に揺られた。





 それから二日間は、似たような事の繰り返しだった。

 けれど、それはわたしだけであって、彼は見るたびに自信を深めているかのような。


 わたしはわたしで一撃で確殺できる安全なモンスターを探しつつ、採集を行った二日間だったのだけれど、やはり森の入り口付近では薬草の群生など望める筈も無く、二日でようやく薬草採集の依頼を消化できただけだった。


 そもそも、風魔法と水魔法しか今のところ使えないわたしが、風属性と土属性のモンスターが多いこの森と相性が良いわけがなく。

 勿論、そんな事は最初からわかってはいたのだけれど。


 そんな事を帰りの馬車で彼の横顔をみやりながら思っていたら、不意に彼が遠くに行ってしまうような、そんな気がした。


 わたしのような冒険者は沢山いる。

 失敗して挫折して、冒険者を諦める人は大勢居る。

 まだ死んでないだけ良いと思うべきなのかもしれない。


 だけど、彼はわたしとは違っていて。

 このままだと、わたしは、彼にひとことも声をかける事なく終わってしまいそうで。


 いやだ。


 それは嫌だ。


 そう思って居たら、ふと彼と目が合った。

 とっさにわたしは目を逸らしてしまったけれど、彼はわたしの事を少しだけ見ていたと思う。


 途端に恥ずかしくなり、心臓の鼓動が早まる。


 その時気付く。


 ああ……わたしは彼と話がしたかったんだ。

 友達になって欲しかったのかもしれない。

 出来る事ならパーティーを組んで欲しいんだと。


 そしてわたしに一つの目標が出来た。


 明日は勇気を出して少し森の奥へと進んでみよう。

 レベル10程度は無ければ厳しいと言われていて敬遠していた場所。


 今まで怖くて足が向かなかったけれど、ちょっと奥に水属性のエスカルゴが居るはず。

 わたしの属性にも合うし、上手く狩れれば食材として売れる。


 そして、何とかレベル10まで上げて、彼に声をかけてみよう。


 また同じように断られるかもしれないけれど、それでも。


 そう思いながら帰りの馬車に揺られていた。



 ……あ、明日から行きも帰りも歩きなんだっけ。

 もう嫌……足が棒になりそう。


 決意をした先から思いっきり挫折しそうになった。

 踏みとどまったけど。



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