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隣の一軒家はやけに静か  作者: クマ
一軒家:1階
7/16

別行動:幸太

今回は幸太視点です

もし1話(短編)から性格変わってきてるような

感じがしたら修正しますので

言ってくだせぇ

 彼から別行動を提案してくるとは思わなかったな。

 カラクリ及び機械仕掛けの家の仕掛けに興奮しつつも、そんなことを考えていた。


 オートロックであまり躊躇わなかったりするくせに、仕掛けによる突然の振動や窓が閉鎖されてる事実に気づいたときはいつも以上にビクッ!としていた。

 自然に考えて事前調査か何かをしていたか、昔敷地内に入ってたのだろうか。

 玄関の空きも掘り下げず換気と決めていたあたり、下見か何かは間違いなくしていたのだろう。


 ミステリー好きにあたって人の挙動を捉えるのは基本…自分語りになりそうだから自画自賛は抑える。

 ビビリな研が下見だなんて、何が彼の背中を押したのだろう…。


「別行動ねぇ…んじゃとりあえず、すぐそこの2部屋からにする?」


 そういいながら、歩いてきた廊下にある、向かい合った扉。

 すなわち部屋を指差す。


「…そうだな、そうしよう」


 反応が遅かったのは考え事か、焦りか。

 廊下を歩いていた時も似たような反応だった。

 あの時は…口を指1つ分ほど開けてほけーっと上を見ていたから不安になったのだが…まさか放心?

 まぁ今回は口空いてなかったけど…

 空いてたほうが面白かったのに…

 いやでもなぁ…。


 ナゾにクルクル回る思考を窓があるはずの本棚にぶん投げ、玄関から見て右側のドアノブに手を触れ。


「じゃあ、僕はこっちで」


 部屋に入ってから色々考えよう。

 研の反応がなかったけど…多分大丈夫。

 多分いつもどおり。

 てか多分いつものビビリ。

 なんか安心。


 ノブを捻り、扉を開ける。

 反対側を選ばなかったのはまぁそれなりの理由があるけど、今は置いておく。

 部屋は小さめで、またもや趣味のスペースだろうか?

 中心にカーペット、右端にテーブル、その上にパソコン、キーボード、ほか諸々の機材…。


 左側はクローゼット。

 中はわからないが何かしら入っているのだろう。


「クローゼットを開けるのは気が引けるなぁ…」


 もし自分が一軒家を持って独り暮らしをしたときにどこの誰かもわからない小僧にクローゼット諸々を物色されたらどう思うだろうか?

 キレる以前に恥ずかしいし、もし言いふらされたら色々終わりな気がする。


「まぁ、仕掛けのために!」


 もはや今は仕掛けの事しか頭には無かった。

 カラクリやギミックはミステリーのトリックと似たものを感じて昔から好きなのだ。

 読むだけだったのに、今僕はその場所を歩いている。

 楽しくないはずがない。

 そう考えつつ、パソコンから触れる。

 探索開始だ。




「うーん…」


 あれから10分ほど経過しただろうか。

 パソコン、カーペットの裏、クローゼットの中を一通り調べた。

 結論から言うと、クローゼットの中含め一般的だった。


 収穫といえば、服やズボンを見る限り家主が男性ということだろうか。

 もし女性だったらクローゼットの中を満足に探索できないかもな…と思っていたため、僕個人としては朗報だった。

 まぁ仕掛けは発見できなかったのだが。


 パソコンを見やる。

 パソコンは起動してアプリケーションを一通りクリックし、内容を確かめた。

 気になったことはというと、周りの機材がどのアプリを付けても反応しなかったことくらいか。

 一体なんのためにあるのだろうか。



 一体、なんのために。



 そこまで考え、ようやく思い出す。

 この家は謎だらけ。

 加えて、不可解な仕掛けがある。

 動かない機材、動かす目的なんて…


「仕掛けの起動元、としか考えられないね!」


 そう叫ぶや否や、早速パソコンを再起動した。

 さっき調べなかったところなんて一つしかない。

 パソコンの核。

 システム。

 ファイル。


 カーソルが出てから、アプリケーションではない、左下の電源マークをクリックする。

 真上にスライドされて表示されたシャットダウンの有無の上の項目に目を向け、スクロールしていく。

 カメラ、ビデオ、メール…ファイル!


「んで…」


 クリックし、ファイル名をよく見る。

 容量の限界近くで、この家に関連しそうな名前を探す。

 そして…



      【電動回路】

    容量:64GB 残り5GB

     ファイルを開く:C




「……!」


 おそらくこれで間違いないだろう。

 念の為一通り名を見るが、おそらく間違いない。

 決心しクリックする。


 ファイルを展開すると、シンプルに起動とシャットダウンのボタンが真ん中に、回路の修正のボタンがその上、ファイルそのものの設定が下に現れた。

 どうやらこれをクリックすることで何かが起動するようだ。

 僕には研のような用心深さはあまり備わっていない。

 好奇心に押されるままに起動を、念には念を入れてダブルクリックする。

 困ったときにダブルクリックしたくなるのは僕だけだろうか…。


 ボタンを押した数瞬後、周りの機材が次々と起動し、連動し始めた。

 機材のコード及び回路が床の下に伝っているのを見ると、影響が起こる可能性が高いのはこの階、1階だろう。



 研が引いたレバーとは違い、電気の流れはとても静かなものだった。

 電動ハイブリッド自動車はこんな音なのだろうか?

 そう思うほど静かで、かつ素早かった。


 カチッと何処かからなる音もともに、パソコンにメッセージが出る。

 音の方向からして玄関!ではなくリビングの方だ。

 パソコンには【無事成功いたしました】とだけ書かれていた。

 それを確認した後、慎重にファイルを閉じ━━機材は自動でオフになった━━パソコンをシャットダウンした。


「とりあえず研に報告報告ーっと」


 ノリノリで歩きだしてドアから出ようと歩き出す。



 突然、地面がなくなったような感覚に襲われた。



 それを感じながら、視点がいつの間にか天井に向かっていくのを感じる。



 視点を戻そうとしても、上に向かう力が強くて戻らない。



 膝と頭がふわっとした感覚に襲われる。まるで落ちているようなー…




  ゴゴン!


 背中と頭が立て続けに地面に激突した音が響く。

 どういうことか、何もない場所で転んだようだ。

 頭に響く痛みで思考が回らない。

 だから考えるよりも先に視界を動かした。


 天井の高さはそのまま、左を見ればパソコンとテーブル、諸々の機材とコードが見える。

 謎なまま痛めた背中を抑えながら、さながらおじいちゃんのような体制で起き上がり歩きだそうとした地面を見やる。

 何かの凹み?

 こんなものは行きのときには無かったし、歩いているときにもなかったぞ?


「これ…家主のイタズラか何かか?」


 過去に友人でも呼んだことがあるのだろうか?

 おそらくパソコンの回路と供に起動されるのだろう。

 底の床を下げればいいだけだろうから、機材を切ってもお構いなし。


「…やられたなぁ」


 一本取られた気分でため息と笑いの混じった息を吐き、扉を開けて廊下に出る。

 もう頭も背中も痛くはない。

 …と。


「ん?どしたの?研」


 廊下に出ると、研がビビリ顔で尻餅をついていた。

 なにがなんなんだ。


「お前がいきなり叫んだり…なんか動いたり、重々しい音したりでちょっと腰が…」


「ん…あーまぁいーろいろあってね」


「脅かすなよほんと…」


 あぁ…全部聞こえてたのか…。

 この家に防音壁はないのだろうか…まぁ2枚の扉越しだしどっちみちあまり変わらないか。


 そういやこいつ、部屋を調べたのだろうか。

 聞く必要はあまり無いが…。何故ならあっちは少しわかりづらいがただのトイレだ。

 電気が点いているのかを確認する小さなガラスは無いが、特徴的なロックがある。

 というかもしやこいつ、入ってない?


「はぁ…まぁいいや、2階行こうぜ幸太?」


「機嫌直してよ〜研。あとリビングの扉多分空いたよ」


「あれってあの音?んじゃ先にそっちだな」


「なかなか面白くなってきたねぇ」


「さっすがオカr…」


「それ以上は言わせないよ?研」


 いつか弁明しないとなぁミステリー部をオカルト部って言うあいつのこと。

レバーだけじゃあないです

いろんな手で仕掛けを回していけたら

と思っております

今後とも読んでくれたら幸いですね〜

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