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隣の一軒家はやけに静か  作者: クマ
一軒家:2階
12/16

別再行動:研②

    送信中・・・・・・【15%】


 このメッセージを眺めながら、俺の頭は今2つの思考が回っている。


 1つは、2階からの脱出は不可能ということ。

 忘れてはいけない本題、脱出。 

 キッチンもないし食糧庫もない、人が居ようと居なかろうとどのみち長居は出来ないのだ。


 そしてこの2階は1本の廊下に囲まれた4つの部屋。

 下見のとき2階までは見ていなかったが、おそらく2階に窓なんて無いだろうし、薄い壁なんてもってのほかだろう。

 目の前、鉄壁だし。


 未だ送信中の携帯の画面上を見る。


   14:08


 ……遅くても18時……4時間後には強行手段に出るべきだろう。

 強行手段、それは1階の窓から脱出すること。

 正直今からやるべきとも思うのだが、時間は少し余裕がある。

 幸太の脱出ごっこに付き合おう。


    送信中・・・・・・【56%】


 今半分か。

 隣とはいえ自宅との間に障害物があるため通信速度が遅いのが少し苛立つ。


 頭に回っているもう一つの思考は、仕掛けについて。

 ここまで大きく大リフォームしておいて、家主が居ない。


 どんな目的で。


 どんな経路で。


 どんなときに。


 凝っている分放っておく理由は無いに等しいはず、そう考えると、定期的にこの思考がやってくる。


「……っと」


 送信完了。

 1部まとまっていないがとりあえず考えるのをやめる。

 携帯をスリープ状態にした後ポケットに入れ、ガラクタだらけの部屋に目を向け直す。


「もう、踏みたくないぞ…………」


 始める前から弱音を吐きつつ、ようやく探索を開始した。



 まぁ、当然だが部品は踏みまくる。

 当たり前だが踏むたびに痛い。

 そんな苦痛に耐えながらガラクタを押しのけ押しのけ15分が経つ。


 ざっと探したが、特に何も見つからない。

 時刻を確認する。


    14:24


 リミットは約3時間半、そう思いつつ幸太からのメッセージに気付く。

 メッセージの開封にまたまた通信速度で遅れることに苛立ちながら、読み込まれた文を読む。



【1個目の部屋】


 白い壁に木材のフローリング

 空気の道は平気だけど、何が知らせたかったんだ?


 気になるものは見つけた。

 床の端ら辺が少し削れているのと、一個のボタン。

 ボタンは押してみたけど何も起きてない。


 あ、そうそう。

 床には気をつけなよ?




「床……?」


 好奇心に赴くまま床に触れる。

 角の尖った金属が投げられたあとなのかとても凸凹している。


 1つ、右端の隅の床に不自然なほど傷がない。

 ガラクタをどけるのも面倒なので痛みに耐えつつ右端へ進む。


 よくよく見ると傷は量はあまり変わらないのだが、床についている傷が不自然に途切れている。


 頭にクエスチョンマークを浮かべつつも、傷の境界線となっているあたりを触り、調べ……る予定だった。


「っ……?」


 境界線を触れていたハズの指に沈むような感覚が流れ、反射的に手を引く。

 少し早まる心拍を抑えられないが、手頃な小さな部品を手に取り、右隅に置いてみる。


 右隅の床はゆっくりと沈んで行く、ここにもボタンがあったようだ、そう確認できたあたりで部品を回収する。


「流石にチキン過ぎるけど………」


 時間を無駄遣いしたくない意識が強すぎた結果。


 この仕掛けをなかったことにすればいいと思い至った。


 幸太には申し訳ないが、俺にはこの判断はあながち間違ってはいないように思う。



 そして同時に、いざとなったら幸太を引っ張って脱出すれば仕掛けに使う時間なんて関係ないとも思い、頭の中でボタンを押す押さないの対立が起こる。


 結果的にボタンは押さないことにした、あくまで『今』が第一優先だ。

 タイムスケジュールを慎重に組みつつ、状況しだいで決めよう。


「う……寒いな…………」


 葛藤に意識し過ぎて、肌寒さに気が付かなかった。

 ひとまずの結論がついた今、ここに留まる理由は無い。


 ドアへ歩き、挟んでおいたタオルを取る。

 施錠の保険としてドアを掴んだまま開き、別行動の予定である1つめの部屋を後にした。




 今の俺には、仕掛けだのギミックだのが、全てどうでもいいように思える。

10日も空けました、スミマセン。

ギミックは少し湧いてきてるので

気ままに書きます

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