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忘却の命彩  作者: うどんこくろな
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魔色覚醒編 第一色 青い光

夜の散歩は良いものだ、誰にも邪魔されずに物思いにふけることが出来る、好きな漫画の事、友人の事、もしも自分が特別な力を得た時に何をしたいかなど。

自己紹介が遅れたが、僕は篠木 蛍、ホタルじゃないぞ、”けい”だ蛍光灯のけい、そして普通の高校二年生だ、だが、僕には人と違う所がひとつある。それは…左腕肘から指先まで黄色いことだ、ホントに ただ黄色、それ以外何もない、ただ生まれつき黄色いだけで何の力もない。

って誰に自己紹介しているんだ僕は…。

特に行く所がないので、家から少し遠くにある公園のブランコにでも座って、暇つぶしにゲームでもしようと思う。

今はまだ2月、まだまだ寒い時期だけど厚着をしているから大丈夫、と思っていたら思いのほか顔が寒い。


寒さを紛らわせる為に少し小走りをする、だんだん体が暖かくなってくる。

しばらく走っていると公園が見えてきた…が、何かがおかしい、妙な物音が聞こえてくる。

足を止めて、ゆっくり恐る恐る垣根に隠れながら近づいてみると、そこに広がっていたのは焦げ臭い匂いと壊れた遊具、あのジャングジムの壊れ方からして高熱で熱せられて切断されたような感じだ。

公園には壊れた遊具以外に人影が1つ、恐らくあの人がやったのだろう、悪戯にしても度が過ぎている、急いで止めさせないと、と思った僕はおもむろに垣根から立ち上がり、叫んだ。

「何をしているんですか!」


それを言い終えた直後、右足が熱と共に激痛に襲われ思わず前のめりに倒れる。

「がっ…!?」

体を起こしながら痛む足を見てみる、酷い有様だ、脛に直径5cm程の穴が貫通させられている、幸い傷口焼けているおかげがは血はほとんど出ていない。

まずい、前を見ると先程の人影、否、男が目の前に立っている、あまりの痛みに気づけなかったようだ。

「見たな。」

男が一言、僕に掌を向ける、その掌は淡く青色に光っている。

何故光っているかを理解する前に逃げることを試みる、本能で分かった。 逃げなければ、確実に死ぬ。

「ハッ、無様だなてめぇ、声なんざかけなけりゃ生きられたものを、むざむざ自分で生きるチャンスを潰しやがったよ。」

男の言葉など耳に入れずに逃げる、走ることはもう不可能、それでも這って逃げた。

背後からの青い光の線が頬を少し掠めた、と同時に右手に激痛、右手首が無くなっている。

「逃げられねーのがわからねーのか…よっ!」

アスファルトに伏した僕の頭を男は勢いをつけて蹴り上げる、意識が僅かに飛んだ。

「…ぁ…。」

叫び声すら出なくなった、もう諦めよう、男が動くことすらままならない僕に近づき、しゃがみ込む

「てめぇを殺す前に遺言を聞いてやるよ。」

掌を僕の胸に向けて男は言った。

「ぼ…僕は」

声が掠れる、でも言わなければ。

「僕は!」

声に力が込もる、そしてある思いが浮かぶ。

「まだッッ…死にたくないッ!!」

言い終えた瞬間。


―――青い光線が胸を貫いた―――



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