表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼんやり海を  作者: a i o
1/15

海の話

 海ネタ何回やれば気が済むんですかね。

 毎週海に行ってる気がします。単純に大きくて広いものが好きなんです。でっかい木とかだだっ広い公園とか。あと空。通路の広いショッピングモールも割と好きで周遊するマグロみたいにぐるぐる歩き続けたりしてます。すぐバテるけど。

 海に行っても、これといって何もしません。大抵長くて一時間、ただぼーっと見ています。

 意外とそういう人は多くて、私のよく行く海岸には夕暮れ時ともなると皆それぞれ適度に間隔を空けながら夕陽を見ています。誰かと共有して海を眺めるのは不思議な感じ。でもあまり気になりません。どの視線も海に向けられているからかな。

 なーんも考えずに、波の音と潮風だけを感じる時間がとても好きです。

 夕飯のこととか、歯医者のこととか、家族のこととか、仕事のこととか、友達付き合いのことなどは全部横に置いといてその空間にだけ身を寄せる感じが落ち着きます。

 一度、文庫本を読もうと持って行ったことがあったのですが、ちっとも頭に入ってきませんでした。たぶん、空っぽであることに対して頭の中がいっぱいで文字を受け入れなかったのかなぁと思います。変な表現ですが。大体、飽きてきたりお腹が空いたら帰る、こんな調子で海を見ています。

 何か得られるってわけでもありません。リセットというよりは小休憩。すべてまっさらに返すわけではないので、帰るころにはまた日常に馴染んでいます。でも、海を見ている時はちょうどいい時間が流れているのが心地よいのです。

 海が窓からすぐ見えるぐらい近い場所で暮らしたいなぁと思った時期もありましたが、海に向かって車を走らすのも好きなので、今の距離がちょうどいいのかも。

 距離感をいつも見間違える私にしては、なかなかに、満足な関係。

 何がどうなるってわけでもないけど、ってところがミソなのかもしれません。

 今はそれで十分。


 そんな海の話。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ