第五十六話 色々と早いです……
そして8月です。便宜上ですけどね。
さて、ツテはないけど、曹操の邸宅へ行くことにしました。
一応、アポは取っておくけどね。
流石に暗殺される事はないと思いますが、念のため周倉は連れて行きます。
そして、アポが取れる前に宛城の城下町をブラブラと散歩します。
誰か居るといいなぁ……。
こんな時に盗賊系のスキル持っていたりしてくれると凄くラッキーなんだけど……。
とか言っていると、大体居る筈なんだけどねぇ……。
中々これが上手く行かないもんだ……。
そう思い、諦めかけたその瞬間……!
………とか、試しに言っても、居ない者は居ない。
こう言うと出るフラグだと思うんだけどなぁ……。
まぁ、曹操いるし、既に取られちゃったかなぁ……。
僕は数日間費やしたけど諦めて、曹操の邸宅に向かうことにした。
数日間待って、漸くアポが取れたんだよ。
曹操も何かと忙しそうだしね。
あ、空の様子はどうかな?
稲妻が光ったら、何時でも怯えて机に隠れる用意が必要かもしれないし……。
……うん。快晴だよ。畜生……。
邸宅に向かうと、まず応対したのが中年の髭を生やした男性。
一応、誰だか見てやろう。
許攸 字:子遠 能力値
政治5 知略8 統率2 武力1 魅力3 忠義2
固有スキル 機略 商才 罵声
え、許攸? 陳宮じゃなくて?
どういう事? 袁紹の方じゃないの?
「ハハハ。貴殿が司府君かね」
「……あ、はい。司護。字を公殷と申します」
「貴殿の噂は色々とお聞きしているよ。大層な名君のようだな」
「……お褒め頂き、有難うございます」
「儂は許攸。字を子遠と申す。孟徳とは旧知の間柄でしてな」
「おお、そうでしたか」
「ついては儂を入れて、貴殿と話したいとか。ささ、こちらへ」
………何で許攸と?
荀彧とか荀攸とか郭嘉とか程昱とかいないの?
意外と人材不足なのかなぁ?
ちょっと不審になりつつも、僕は許攸に付いて行った。
周倉は途中で衛兵に断られ、渋々待機することに。
………大丈夫だと思いたい。
………てか、帰りたい。
「やぁ。公殷殿! 良くぞ参られた!」
曹操が庭園で酒やご馳走を既に用意していた。
………うう。マジで豪雨になって欲しい。
「これは孟徳殿。勝手な事を申しまして、ご迷惑でなかったかと……」
「何を言うんだね。稀代の名君と、こうやって話す機会が出来たのだ。喜ばしい事、この上ないぞ」
「……恐縮です」
「ハハハ。今日は旧友の子遠も交えて、私と存分に語り明かして欲しい」
「……私に務まりますかどうか」
「アハハハハ。心配ない。腹を割って色々と話そうじゃないか」
何か裏がありそうだな……。
どんな裏だろう……?
ジンちゃん、フクちゃんは一応、待機ということで、まずは様子見だな。
「そうですね。ただ、まずは孟徳殿に謝らなければなりますまい」
「おいおい。藪から棒に何かね?」
「先日は取り乱してしまいました。深く反省しております」
「アハハハ! あんな事は大した事じゃない! もっと酷い奴が沢山いるから安心するが良い」
「………はぁ?」
「先日のアレについてだが、南陽王君は逆に感心しておったぞ」
「………何故です?」
「当たり前だ。自身の荊州牧の地位を蹴ってまでだぞ。普通なら正気の沙汰じゃないだろうよ」
「………」
「まぁ『変仁君』だからこそだろうがね。アハハハ!」
「……ハハハ。それもそうですね」
「……して、今日こうして俺に会いに来たのは、それだけかね?」
「……と、申しますと?」
「しらばっくれんでも良い。今日は腹を割って話す筈だぞ。遠慮なく申せ」
「……では、申しましょう。鄭玄先生や孔融先生をお助けしたい」
「………何?」
曹操と許攸は戸惑った表情を浮かべた。
予想外だったんだろうね。
そりゃ、そうだ。先日の事柄とは全く違うんだもの……。
そして、ここでジンちゃんにタッチ。
儒学だの何だのという知識はダントツですから、当然の交代ですよ。
「それで孟徳殿や子遠殿の知恵をお借りしたい」
「……ううむ。しかし、何でまた……」
「我が荊南では太学設立を目指しております」
「………何?」
「ですが、従来の太学とは違います。儒学だけでなく、黄老学、易学、仏教、文学、何れも欠かせません」
「………」
「既に著名な方々もおられます。蔡邕先生を始め、邯鄲淳先生。張昭殿や張紘殿と様々です」
「………ふぅむ」
「ですが、まだ足りません。重鎮となるべきお方が足りないのです。そこで鄭玄先生や孔融先生をお招きし、発展させたいのです」
「アハハハ! 随分と欲張りな話だな」
「私の為ではありませぬ。民の為です。それに蔡邕先生も鄭玄先生や孔融先生の事を、ご心配なさっております」
「……いやいや。しかし、両名の居場所が分ったとしても、おいそれと陶謙が解放する訳がなかろう」
「……存じております。そこで孟徳殿に伝手があるかどうかを伺いに参った次第です」
「それについては……ないこともないが……。なぁ、子遠」
「いや、全くない訳ではないが……。困りましたな」
「どのような伝手です?」
「以前、子遠らが帝を廃位に追い込もうとした事があってな。俺や子遠も誘われた」
「ええっ!?」
「おっと。南陽王君には内緒だぞ。以前、冀州刺史だった王芬に誘われたのだ。その中の一人に、今では天帝教と繋がっている者がいる」
「……何方です?」
「沛国の周旌という者だ。以前は彭城国で従事をしておった者よ」
「どうやって連絡を取れば宜しいですか?」
「簡単には行かぬ。奴もどういう考えか分らぬしな……」
「それだけですか………」
「簡単に言うな。今では陶謙は袁術と組んでおるのだぞ」
「しかし、天帝教は闕宣なる者が帝を僭称しております。何故、袁術はその者らを容認したのでしょう?」
「それは知らぬ。それに朝廷から討伐令も出ておらぬしな……」
「おかしいではありませんか? 豫州王君や揚州王君には出しているのに……」
「劉寵殿や劉繇殿の方が脅威なのであろう……。あとは十常侍の考えもあるだろうしな」
「……まさか、十常侍と天帝教も裏で?」
「それは分らぬ。可能性は無くは無い。それよりもだ。貴殿に妻はおらぬのか?」
「……ええっ!? 妻ですか!?」
「噂では養子が一人いるだけと言うじゃないか」
「……そ、そうですが」
「ならば俺の娘はどうだ? 齢も十二歳になったばかりだから、問題はないだろう?」
「ええっ!?」
曹操の娘ですか!?
齢から言って長女なんだろうけど……。
でも、十二歳はない! 十二歳は!!
「……い、いえ。その儀は」
「……俺の娘では不服か?」
「滅相もない! そういう意味ではありません!」
「じゃあ、何故だ?」
「私は『天下泰平になるまでには妻を持たない』と天に誓いを立てたのです!」
「……増々、おかしな奴だな。君は」
まずい! おかしな展開だ!
ここは、またボンちゃんこと僕の出番だ!
「確かに皆からは大変人扱いですからな。ハハハハ……」
「………」
「そ、そうだ! 良い事を思いつきましたぞ!」
「何かね? 急に……」
「孟徳殿の御子を養子に頂きたい!」
「なっ!?」
「……如何でしょう?」
「ば、馬鹿な事を申すな。……正気か?」
「はい。正気で御座います」
「……う、ううむ」
くれ! 曹操! 遠慮しないで曹丕か曹彰か曹植をくれ!
あれ? 曹彰や曹植はまだだっけ?
じゃあ、曹丕で決まりだね! いいから、くれ!
「いやいや。その事は、しばし待ってくれ」
「ハハハ。やはり、ご無理ですか」
「アハハハ! まさか、そう返すとは思わなかったわ」
「孟徳よ。居るではないか。あの子なら問題なかろう?」
「おい。子遠。変な事を言うな。問題ない子などおらぬ」
誰の事だろう?
あ、変なのは遠慮しておきます。
けど、曹操の子供で雑魚って聞いた事ないなぁ……。
その後、暫く雑談し、何とか会談を終えた。
曹丕欲しかったけどなぁ……。
まぁ、一番良いのは曹操が家臣ごと、ごっそり来るのが良いんだけどね。
さて、曹操との会談を終えたので、陳平、彭越と合流するまで宛を再度、ぶらつくか……。
いるといいなぁ……。
因みに范増には周旌に関しての情報を教えたよ。
范増は「あまり期待はするな」と素っ気ない返事だったけどね……。
で……今度こそ、思っていたその時!
鄧芝 字:伯苗 能力値
政治8 知略7 統率5 武力2 魅力6 忠義7
固有スキル 説得 弁舌 判官 商才 鎮撫
居たーーーー!!!
まだ、ほとんど少年だけど構うもんか!
早速、衡陽へ行かせることにしよう!
……あ、その前に説得しなくちゃ。
「あ、君。ちょっと良いかね?」
「え? あ、はい。何用でしょう?」
「不躾ながら、衡陽に興味はないかな?」
「え? あの衡陽ですか?」
「そうだ」
「……失礼ですが」
「あ、これは失念していた。司護。字は公殷と申す」
「ええ!? 本当に街で闊歩しているんですね!」
「ハハハ……。驚くことかね?」
「いや。噂通りですから」
「………どんな噂かね?」
「人相見で直に判断し、家臣に加えるという噂です」
「……ま、まぁ。合っているかな……」
「ということは、私は!?」
「その通り。余の配下として……」
「有難き幸せ! 早速、家族にこの事を伝え、明日にでも参ります!」
「……え? う、うむ」
即答だった! 何時もこういう感じで上手く……。
あ、もう一人。ぽいのが居た。
今度は三十代から四十代かな?
見てみよう……。
潁容 字:子厳 能力値
政治8 知略5 統率1 武力1 魅力8 忠義6
固有スキル 名声 故事 教育 教科 教授
全く知らないけど、登用確定!
……という訳で声をかけたんだ。
「失礼。私は司護。字を公殷と申す」
「駄目だ。他を当ってくだされ」
「まだ何も言っておりませんが……」
「貴殿の言う事は分かる。この儂に『仕官せよ』と申すのであろう?」
「え? あ、はい……」
「だから、即答したのだよ。儂は誰にも仕えたくないのでね」
「……潁容殿には太学の講師をしてもらいたかったのですが」
「……ほほう。やはり儂の名を知っておったか」
「ご高名な潁容殿です。知らない筈がありませぬ」
「しかし、太学とはな……。君は朝廷でもないにも関わらず何故、太学を開くのかね?」
「決まっております。民の為です。漢の民だけでなく、荊南蛮、山越、巴人。全ての民の為です」
「噂通りの変人ぶりだな。儂と大差ないわ。……そうだな。君なら良いかもしれぬ」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。ただし、気に入らなければ、とっとと野に下るぞ」
「構いませぬ! 潁容殿に気に入られるよう、精進致しますので!」
「ハハハハ! それは荊南を手に入れるよりも難儀だと思うがね!」
こうして潁容もゲット!
どんな人物か知らないけど、これで大都市建設計画に、また一歩近づいたぞ!
劉岱や曹操が登用しなかったのは、出来なかったからなのかなぁ?
まぁ、いいか。潁容は教育係として零陵へ向かわせよう。
鄧芝は当然、衡陽行き確定だ。
一応、二人登用出来たし人材は充分かな?
そして、陳平、彭越が合流したので、このまま陳国へ向かうことにする。
当然、途中では人材を探しながらだけどね。
それでは、ここで政略フェイズ。
大体、何時も通りだけどね……。
長沙は韓曁が銀山採掘。
桂陽は李通が城壁補修。
零陵は厳顔が城壁補修。
邯鄲淳が劉君、歩君、蒋君、沈君、竹千代に講義。
臨賀では劉先、邴原、文聘が城壁補修。
衡陽は……。
張範、趙陀が帰順。
顧雍が治水。
蔡邕、桓階、杜襲、是儀、満寵、陳端、張紘、国淵、徐奕、金旋、王儁が開墾。
繁欽、尹黙、趙儼、灌嬰、張昭、秦松、王烈、孫乾、劉度、管寧が街整備。
来敏、李孚、張承、厳畯が引き続き宿場町増設と周辺の街道整備。
衡陽パラメータ
農業896(1500) 商業865(1500) 堤防93 治安100
兵士数45283 城防御183(600)
資金4058 兵糧50000
臨賀パラメータ
農業1000(1000) 商業1000(1000) 堤防100 治安100
兵士数57244 城防御440(500)
資金3447 兵糧70200
零陵パラメータ
農業1300(1300) 商業1300(1300) 堤防100 治安100
兵士数53646 城防御449(500)
資金9460 兵糧173400
長沙パラメータ
農業1200(1200) 商業1500(1500) 堤防100 治安100
兵士数64973 城防御600(600)
資金9980 兵糧93000
桂陽パラメータ
農業1000(1000) 商業900(900) 堤防100 治安100
兵士数52282 城防御420(500)
資金8376 兵糧144700
武陵パラメータ
農業1200(1200) 商業800(800) 堤防100 治安100
兵士数44345 城防御498(500)
資金9167 兵糧135000
それと陳平が僕に竹千代からの手紙を届けて来てくれた。
今度の新しい友人は沈君だそうで……。
誰だろ……???
現在の位置情報
長沙
張任、韓曁、杜濩
武陵
鐘離昧、朴胡
桂陽
李通、賀斉、徐盛
零陵
厳顔、周泰、沙摩柯、邯鄲淳、潁容
臨賀
蒋欽、鞏志、甘寧、邴原、文聘
劉先
衡陽
頼恭、厳畯、張範、来敏、游楚
国淵、桓階、杜襲、尹黙、満寵
金旋、厳畯、孫乾、繁欽、秦松
劉度、王烈、張範、灌嬰、趙陀
蔡邕、徐奕、王儁、顧雍、趙儼
是儀、陳端、張紘、張昭、管寧
張承、李孚、鄧芝
出張中
范増、司護、周倉、彭越、陳平




