第四十三話 新たなる教団?
4月となりました。
けど、南昌に逗留中です……ふぅ。
時間がかかるけど、恐らく張角と連絡しているんだろうなぁ。
通信機器なんてないから、仕方ないんだろうけど……。
やきもきしながら待っていると、とうとう政庁からの呼び出しが来ました。
僕は急いで政庁に行くと、既に何人かの人物が……。
知らない人物もいたので、黙ってパラメータ見てやろう……。
張宝 能力値
政治6 知略8 統率8 武力6 魅力7 忠義6
固有スキル 商才 鎮撫 弓兵 機略 看破 鉄壁 弁舌
馬元義 能力値
政治5 知略7 統率7 武力5 魅力6 忠義8
固有スキル 開墾 説得 歩兵 調略 判官
張宝と馬元義か! そして、どちらも優秀だ!
まぁ、朝廷軍と随分やりあっている位だしなぁ……。
で、僕が黙ってパラメータ確認していると張宝が声をかけてきた。
「司護殿! 私が地公将軍の張宝である! 貴殿の申し出の件で、この地まで来た!」
「これは、ご高名はかねがね。長沙太守の司護でございます」
「うむ。既に貴殿が長沙太守の印璽を受け取っていることは、私も知る限りである」
「それで……例の一件ですが……」
「単刀直入に言おう! 申し出を引き受ける!」
「……えっ!? 今、なんと!?」
「申し出を引き受けると申した! この張宝が豫章郡太守となり、張梁は九江郡太守。波才は南昌県令。馬元義は翻陽県令と致す」
「承知致しました。この司護、必ずや揚州王君を説得してみせまする」
「うむ! 期待しておりますぞ! 司護殿! これで揚州と荊南は安泰ですからな!」
まさかの大成功!
あとは楊州王の劉繇次第だ!
僕は張宝から書状を貰うと、そのまま南昌から翻陽へと向かった。
南昌から翻陽を経由して秣陵に向かう方が通行は便利だからね。
翻陽に入ると、やはり翻陽もかなり復興が進んでいるらしい。
また町娘が黄色い布を巻いているし……。
まぁ、小さい女の子が、頭の左右に黄色い団子みたいのを着けている髪型は微笑ましいかも……。
けど、僕はロリコンじゃないんですからね!
翻陽に入ると、黄色い布を髪に巻いた役人(?)が近づいてきた。
一応、僕は行商人の出で立ちだから、そんなに警戒はされない。
いざとなったら、張宝から貰った通行手形もあるしね。
で、その役人は僕に話しかけてきた。
「県令の呂岱様がお待ちです。どうぞこちらへ」
先に伝令が行っていた模様。
スルーしようと思っていたのに……。
仕方ないので、翻陽の政庁へ向かいます……。
翻陽は南昌ほどではないにせよ、かなり大きな街には違いない。
人口も長沙ほどではないけど、それに準ずるぐらい多そうだ。
その割には人材発掘が出来ていませんけどね……南昌含めて。
まぁ、長沙も同じようなもんだし、仕方ないかぁ……。
政庁に入り、応接間へ通されると呂岱が居た。
呂岱は僕に深々と礼をした後、優しく話しかけてきた。
「お久しゅう御座います。司護様。貴殿のお蔭で私も首が繋がりました」
「ハハハ。大袈裟な。こちらとしても大助かりですから、持ちつ持たれつでしょう」
「しかも道観まで領内にお造りになさっておるとか………」
「道観だけではない。大学も仏教寺院も造っております。民は好きな物を学べば良い。為政者が民に強要するなど、あってはなりません」
「おお……。それは素晴らしい」
「……して、何用ですかな?」
「実は、ご相談がありまして……」
「ほう? どのようなご相談です?」
「最近の徐州の動向をご存じですか?」
「いや、全く存じませぬ……」
「徐州では何でも天帝教なるものが流行っているそうで……」
「……天帝教ですか?」
「はい。そこで教祖を名乗る闕宣が、天子を名乗っておるそうです。しかも、信者には元黄巾党の者が多いとか……」
「張角殿はご存じの筈でしょう?」
「そうだと思うのですが……」
「それに陶謙殿がそのような者を許さぬ筈……」
「いえ、その陶謙殿が闕宣なる者と、裏で繋がっておるようなのです……」
「なっ!? 何ですと!?」
「もし、徐州まで足を延ばすのであれば、その事を調べて欲しいのです」
「……しかし、貴殿と陶謙殿に何かあるのですか?」
「いえ、徐州にです。私は徐州広陵郡の生まれでして、母がそこにいるのです」
「そうでしたか……。それは、さぞかしお辛いでしょう」
「その天帝教とやらが広陵郡にも、かなり蔓延していると聞き、居ても立っても居られないのです」
「分りました。広陵郡であれば、秣陵とは目と鼻と先です。ついでに様子を見て参りましょう」
「おお! 有難うございます! このお礼は必ずや……」
「いえいえ。ついでですので、気になさらないで下さい」
軽く安請け合いしちゃった……。
ジンちゃんの影響かな?
けど僕自身、確かめてみたかった事ではあるんだよ。
その天帝教というものが、どんな宗教であるかをね……。
僕は、その事を范増に言うと、やっぱり怒られました……。
いや~……予想通りの凄い剣幕です。
……という訳で、久々にフクちゃんでゴー!
「我が君! 何という安請け合いをしてきたんじゃ!?」
「そう目くじら立てるな。余には余で確認しておきたいことがあるのだ」
「確認したいこと?」
「何故、張宝が『我らの申し出を引き受けたか』よ」
「……それと天帝教に関連が?」
「うむ。どうもクサいと言い様がない。手始めに斥候を徐州まで送ってくれないか?」
「しかしですなぁ……。我らと関係があるかどうか……」
「陶謙も関わってくるとなると、これは動くぞ……」
「ふむ……成程。黄巾党から離脱した分派を利用して、陶謙が江東を握るという訳じゃな……」
「その通り。そうなれば、恐らく青州辺りでも陶謙が袁紹、劉寵と三つ巴になるかもしれぬ」
「確かにそうなると展開が変わってきますのぉ……」
「呂岱の母親を救うという大義名分で、黄巾党の下働きの連中とも繋ぎが取れやすい。利用しない手はない」
「成程。そういう事であれば、今回は見逃しましょうぞ……」
「分っている。しかし、陶謙という男。中々の狐かもしれぬな……」
ええと……。どういう事かな?
……てか、天帝教と陶謙って本当に実際に何かあったのかな?
ああ……久々にググりたい……。
一日だけ翻陽で過ごし、早朝に翻陽から出て行った。
ここも人材いないから致し方ありません。
それよりも会稽に行って虞翻を探さないとね!
大都市を造るとなると、その分、内政要員が必要なんです。
いや勿論、金も兵糧も必要ですよ。
けど、長期に渡って内政要員がいなくなるのは、かなりの痛手なんですよね……。
翻陽から数日かけて会稽に到着。
元は賊だった周勃っていうのが太守やっているらしいけど、意外というか、とても平和な街です。
周勃は、前太守の郭異が貯め込んだ兵糧や金銀とかをバラまいて人気取りをしたらしい。
それで周勃は会稽において、かなりの人気者だそうです。
やるな! 周勃!
それはそうと、ここまで来たら虞翻を探さないといけない。
どうか周勃に登用されていませんように……。
色々と会稽の街で聞いてみると、どうも虞翻は周勃に推挙されてしまったとのこと……。
トホホ……。折角、会稽に寄り道したっていうのに……。
けど、噂ではド派手な武芸者が、片田舎で燻っている模様。
甘寧みたいな奴かもしれないから、早速行ってみることにする。
丁度、秣陵方面に行く途中の山陰県って所にいるらしいしね。
またもや数日かけて山陰県に入り、その人物の名前を聞くことに成功。
名前は賀斉。どんな人物なんだろ?
その賀斉の屋敷という場所に行くと、随分とド派手な家だった……。
現実世界で言えば、年がら年中イリミネーションだらけの家って感じ?
伯父さんが昔は侍中だったらしく、お金もそれなりにあるから出来るんだろうけど……。
僕がその家に入るかどうか、迷っていると中から声がした。
「おおい! そんな所で突っ立ってないで、堂々と見たらどうだ!?」
そんな声がしたので、恐る恐る庭を覗くと、ド派手で金ピカの鎧を手入れしている青年がいた。
その青年は僕に向かって、更にこう言ってきた。
けど、本当に逸材かなぁ?
という訳でパラメータチェック!
賀斉 字:公苗 能力値
政治5 知略8 統率8 武力7 魅力7 忠義6
固有スキル 捕縛 歩兵 機略 帰順 判官 鉄壁 制圧
文句なしで登用確定!
虞翻の代わりとしても申し分なし!
「何をブツブツ言っているんだ?」
「あ、これは失礼。あまりにも見事な屋敷だったもので……」
「ハハハ! そりゃそうだろう! 俺がここまで造ったんだぜ!」
「はい。あまりにも立派過ぎて、呆気に取られました」
「そうだろう。で、何の用だい?」
「賀斉という方を探しております」
「おお! 俺に何の用だ!?」
「実は我が陣営に加わって欲しいのです」
「その辺のトーヘンボクの太守の所なら御免だぞ。良禽は木を選ぶからな」
「恐らくトーヘンボクではないと思います」
「ほぉ? で、何処のどいつだい?」
「荊南の司護でございます」
「おお! 今じゃ賊州牧とかいう噂のアイツか!?」
「そう、そのアイツです」
「で、アンタはソイツの何なのさ?」
「ソイツ自身です……」
「はぁ? 今、何て言った?」
「そのソイツ本人の司護です。貴殿の噂を聞き、こうして参りました……」
「ええっ!? 本当だったのか!? わざわざ出向いて来るってのは!?」
「そんな噂があるのですか?」
「おう! あ、こいつは失礼。賀斉。字は公苗と言います。司護様なら文句なしだ!」
「では……」
「早速、身支度しますよ! この家も飽きてきた所だ。渡りに舟ってヤツですね。この家は親戚にでもくれてやりますわ!」
そう言って賀斉は大笑いした。
甘寧とかと気が合いそうだなぁ……。
賀斉は先に桂陽に向かってもらうことにする。
僕の書状を持って行けば、直にそこで雇用決定だしね。
僕が賀斉に「他に良い人材に心当たりがないか?」と聞くと、賀斉は呉郡に徐盛がいると話してくれた。
徐盛なら聞いたことがあるから、登用決定だね!
徐盛は、まだ成人して間もないらしいけど、近辺では武勇に長けた義士として噂されているらしい。
けど、呉郡太守の盛憲は地元の名士や豪族しか興味ないらしく、徐州から来た徐盛には興味がないとのこと。
それじゃあ、僕が引き取ってあげましょう!
会稽から呉郡へ北上して行く途中、ある流民の小規模な集団に出くわした。
どうも徐州から逃げてきたらしい。
その中には広陵郡の者もおり、広陵郡の実情を聞いてみることにした。
現在、広陵郡は袁術と陶謙、そして劉繇とで睨み合いが続いているという。
その中で天帝教の信者の軍勢が、隙間を突いて略奪を働いているらしい。
本当に陶謙と天帝教の連中が陰で繋がっているのなら、陶謙って一体……。
流民の中には呂岱の母親はいなかった。残念……。
けど、僕は「それならついで」という事で、流民達に長沙まで来るように説得した。
会稽よりも荊南の方が繁栄しているし、何と言っても街を建設中だしね!
すると、流民の中で瓜を売っている子供が僕にこう言ったんだ。
「失礼ですが、貴方様は司護様ではありませんか?」
「……ほう? 何故、分ったのかね?」
「見るからに噂通りの方だったので『もしかして』と思ったんです」
「ハハハ。そうであったか」
「そう言えば荊南には、どんな先生がいるのです?」
「成程、君は賢そうな子だね。まず蔡邕先生と邯鄲淳先生のお噂は聞いたことがあるだろう」
「ええ、お噂はかねがね聞いております」
「それに張昭、張紘といった賢者。邴原、管寧といった一流の学者もおりますぞ」
「それは凄いですね。私のような者でも学ぶ機会はありますか?」
「どんなに貧しくとも、才知に長け、向上心を持った者なら幾らでも学べますぞ」
「うわぁ……。想像以上です」
「そうそう。君の名を聞いて良いかね?」
「失礼しました。姓は歩と言います」
「そうか。では、歩君。皆と一緒に荊南へ行き給え。途中、翻陽、南昌を通っても構わぬ」
「翻陽、南昌は『黄巾賊が占拠している』と聞き及んでおりますが……」
「ハハハ。南昌と翻陽の黄巾党は乱暴狼藉を働かない。天帝教の連中とは違うぞ」
「司護様のお墨付きであれば安心です。では、荊南に行かせてもらいます」
「うむ。成人したら何時でも来なさい。君なら間違いなく、茂才として推挙致そう」
「有難き幸せ! 首を長くしてお待ちしています!」
僕は目を瞑った。多分、歩と言えば……。
歩騭 字:子山 能力値
未成年のため、表示不可
やっぱり! 青田買い成功!
成人してないのが悔やまれるけど、数年後が楽しみ!
流民達に僅かばかりの路銀を渡し、さらに呉郡へと向かう。
徐盛は山麓の小屋に住んでいるらしく、そこで日々鍛錬をしているらしい。
早速、徐盛に会い、その場で説得。
直々に来るというのは、やはり無名の者にとっては感動ものらしい。
喜んで配下になると言ってくれたよ!
因みにパラメータは……。
徐盛 字:文嚮 能力値
政治5 知略7 統率8 武力8 魅力6 忠義7
固有スキル 豪傑 水軍 歩兵 突破 伏兵 弁舌 機略
素晴らしい! 今は文官の方が欲しいけど、お釣りがくる!
有難う! 盛憲! 厳白虎、厳輿とかは遠慮なく配下に加えていいからね!
徐盛に僕の書状を持たせ、荊南に向かわせた後、そのまま僕らは北上する。
いよいよ劉繇さんとの交渉だ。
ついでに秣陵で人材を再発掘出来るかなぁ……?
それでは今月の政略フェイズ。
臨賀郡の完成まで、あと一息だ!
長沙は韓曁が銀山採掘。
零陵は邴原、劉先が城郭整備。
周泰には竹千代の武芸師範役。
王儁、陳平が桂陽に移動。
桂陽は李通が補修。
蔡邕、徐奕、桓階、杜襲、是儀、陳端、張紘、満寵、金旋が開墾。
繁欽、尹黙、趙儼、灌嬰、張昭、秦松、王烈、劉度が街整備
顧雍が治水。管寧が帰順。
臨賀郡建設は残り一か月。
零陵パラメータ
農業1300(1300) 商業1300(1300) 堤防100 治安100
兵士数53646 城防御289(500)
資金4960 兵糧78400
長沙パラメータ
農業1200(1200) 商業1500(1500) 堤防100 治安100
兵士数34973 城防御600(600)
資金6980 兵糧148000
桂陽パラメータ
農業930(1000) 商業858(900) 堤防88 治安92
兵士数30982 城防御270(500)
資金3976 兵糧89700
武陵パラメータ
農業1200(1200) 商業800(800) 堤防100 治安100
兵士数34345 城防御498(500)
資金3967 兵糧100000
現在の位置情報。
長沙
張任、韓曁、杜濩、賀斉、徐盛
武陵
厳顔、朴胡
桂陽
李通、蔡邕、徐奕、桓階、杜襲
是儀、陳端、張紘、満寵、金旋
劉度、尹黙、張昭、秦松、管寧、
顧雍、趙儼、繁欽、灌嬰、王烈
王儁、陳平
零陵
彭越、甘寧、劉先、周泰、沙摩柯
邴原
出張中
司護、范増、周倉
臨賀郡建設中
邯鄲淳、蒋欽、鞏志、鐘離昧




