表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/216

第六話 待望の名将二人をゲット!

 さて、9月となった。秋なので待望の兵糧が入ってくる。

 なんとか半年は持ちこせたようだ。

 最初は楊松と博士仁の二人しかいなかったから「これなんて無茶ゲー?」と思ったけどね。

 

 その二人だけど、どうも曹寅の配下となったらしい。

 痛くも痒くもない。どっちかというと有難いぐらいだよ!

 敵で出てきたら、真っ先に鐘離昧を出してあげるからね!

 それとついでにだけど、韓玄と金旋もどっかに行ったらしい。

 本当にどうでもいいことだけどね!

 そうそう、そろそろ他の状況も書いておかないと……。

 

 荊州の襄陽に劉表が刺史として着任したらしい。

 既に蔡瑁らと共に着実に地盤を固めつつあるって話だ。

 荊州の南陽では既に黄巾賊の張曼成が太守の褚貢ちょこうを殺害。

 新たに南陽の太守となった秦頡しんけつと激戦を繰り広げているらしい。

 近々、朱儁と皇甫嵩、徐璆じょきゅうらが南陽の援軍に向かうという話。


 確か、僕の読んだ小説だと南陽辺りに劉備、関羽、張飛がいる筈なんだけど……。

 そこで曹操とか孫堅にも出会ったりしていたような気が……。

 けど、長沙を留守にして行く訳にもいかないしねぇ……。

 でも、秦頡と徐璆って誰なんだろう……? また謎の人物が……。

 

 で、恒例の長沙のパラメータ表示。現段階はというと……。

 

農業231 商業399 堤防86 治安86 兵士数23207 城防御287

資金674 兵糧5000

 

 資金があまりないなぁ……。

 兵糧は月末に入ってくるらしいけど。

 

「お主、何を悩んでいるのかな?」

「これは水鏡先生。いや、資金が少ないので『陳端辺りに人材捜索を任せよう』と思っていたところなんですが……」

「よしよし。しかし、それで何を迷う必要がある?」

「いや、長沙で幾ら探しても黄忠はいなさそうなので『どうすりゃいいかなぁ?』……って」

「……それだったら他で探せば良いではないか?」

「出来るんですか? そんなこと」

「地域にもよるが、隣の州であれば一か月。最大でも三か月で戻ってくるぞ」

「なら、冀州辺りで捜索させれば!」

「……その辺りはやめておいた方が良いぞ」

「どうしてです? 顔良、文醜、田豊、審配、沮授、張郃あたり根こそぎとれるのに……」

「お主、随分と無茶苦茶言うな……。その辺は黄巾の連中がウヨウヨいるから、戻ってこれない場合もあるぞ」

「じゃあ、鐘離昧を護衛につけるとか……」

「『護衛につける』とお主は言うが、幾ら鐘離昧が強いといっても、護衛の固有スキルを持ってないと守れる確率が少なくなるのじゃ」

「……じゃあ冀州は駄目なのかぁ……」

「駄目ではないが、戻ってくる確率はあまり高くはないのぉ」

「隣の州なら大丈夫なんですか?」

「絶対という保証はないが、まず帰ってこれるじゃろう」

「じゃあ、揚州か益州辺り……ん?」

「何か思いついたようじゃな。じゃあ、爺はこれにて。よしよし」

 

 そうだよ。益州はまだ誰もいないじゃないか!

 劉焉がまだ幽州辺りでチンタラしている今がチャンス!

 でも、もう成人してそうなのは……。

 

「陳端。陳端はおらぬか?」

「陳端はここに。何用です? 閣下」

「うむ。君に益州に出向いてある人物を探し出してきて欲しい。鐘離昧と鞏志も護衛につける」

「……黄忠という人物が益州にいるので?」

「いやいや、黄忠ではない。張任、厳顔といった人物だ」

「……何故、そのような人物を閣下はご存じなのですか?」

「……う、うむ。実は夢に天女が出てきて『その者達を呼べ』というお告げを頂いたのだ」

「……本当ですか?」

「……まぁ、兎に角だ。君も見聞を広める機会でもあろう。早々に益州へ行くが良い」

「……命とあれば早速、益州へ旅立ちます」

 

 やっぱり、怪しいよなぁ……。

 僕だってそう思うもんなぁ……。

 兎も角、陳端、鞏志、鐘離昧は益州へ向かうことになったので、残りの者達で政略フェイズ開始。

 僕と秦松は町造り、王儁は開墾。これだけだな。まぁ、資金もないし丁度良いか……。

 

農業243 商業427 堤防85 治安83 兵士数23207 城防御287

資金374 兵糧5000

 

 資金がカッツカツになってきたなぁ……。

 張任、厳顔が来たら年末、更に200必要だからちょっとマズかったかなぁ……?

 けど、劉焉が来る前に取っておきたいしなぁ……。

 で、そんな事を考えていたら誰か来たんだけど。

 

「閣下。少し宜しいでしょうか?」

「おお、秦松。町造りは順調かね?」

「は。町の整備は順調ではございますが……何故、陳端らを益州へ行かせたのです?」

「……う、うむ。陳端にも話したのだが、お告げがあってな……」

「……益州では今、黄巾党を名乗る馬相、趙祗ちょうぎらが数万の賊徒で跳梁跋扈ちょうりょうばっこしていますぞ」

「えっ!? そうなのか!?」

「はい。益州の実情を探る為に陳端を行かせたのかと思いましたが……」

「良かったぁ……。成都か長沙で迷ったんだよなぁ……」

「……今、何と?」

「あ、いや。ただの独り言だ。気にするな」

「しかし、益州を取りに行くおつもりですか? 閣下は」

「今のところは長沙を含め、荊州四郡を安定せねばなるまい?」

「はい。武陵太守の曹寅は太守の器にあらず、零陵の張羨ちょうせんは強情で大局を見渡すことはあまり出来ないかと……」

「また、知らない奴が……」

「何です……?」

「い、いや……続けてくれ」

「はっ……。桂陽の太守は区星らを恐れ逃亡し、桂陽には太守がおりません。進軍なさるなら桂陽こそが好機」

「成程。しかし、太守が逃亡とはな……」

「桂陽は貧しく、人心も定まっておりません。南海や交趾とも近く、山越や荊南蛮どもも度々現れては略奪されておりますからなぁ」

「だが、桂陽の民も民には違いない。どうにかして平定したいものだが……」

「区星と郭石を取り逃がしたのは痛かったですな。ですが、この二人を亡き者にすれば閣下の人望も高まりましょう」

「簡単にはいくまい」

「はい。ですが、桂陽を取るには必要かと……」

 

 本当に簡単に言ってくれるよなぁ……。

 鐘離昧しか頼れる奴がいないってのに……。

 張任と厳顔が来れば楽になるんだろうけど……。

 あと、北にはもっとマシな江陵があったような……。

 

「秦松。江陵の様子は分らぬか?」

「はっ。江陵ですか? 江陵は蔡瑁らが虎視眈々と狙っておるようですな。周辺の水賊らと既に交戦状態のようです」

「戦況はどうであろう?」

「何とも言えませんな。水賊の二頭目が中々、屈強な者達のようですから」

「今度は二頭目か。名は分かるかね?」

「周泰と蒋欽という者達だそうです」

「な……何?」

「如何なされました?」

「いや、別に……。そうか……。しかし、水賊も元は漁民などの民であろう。何とかならぬかね?」

「……『何とかならぬ?』とは?」

「当然、元の領民に戻すということだ。希望があれば兵でも良いし、農民や漁民でも良かろう」

「左様ですな。問題はどのようにして帰属させるかですが……」

 

 周泰と蒋欽って絶対に能力値は良い筈だよ!?

 劉表の勢力に組み込まれていない内に取らないと!

 なんか人材コレクターな曹操染みてきたな……。まぁ、でも仕方ないよね?

 周泰と蒋欽は気になるけど、今は只管内政あるのみ。

 鐘離昧がいなきゃ屈服させるなんて無理に決まっているし……。

 あとは上手く張任と厳顔を持ってきてくれることを祈るしかない。

 問題は資金がカッツカツになることだよな……。

 それじゃあ9月下旬の政略フェイズをやりますか……。

 僕と秦松で町造り、王儁は開墾と……。

 地味な上に変わりばえしないなぁ……でも、普通はそんなもんか。

 

農業255 商業455 堤防84 治安80 兵士数23207 城防御287

資金529 兵糧30500

 

 兵糧は入ってきたけど、資金繰りが……。

 度々、博士仁なんかで巡回なんてさせるんじゃなかった……。

 一気に資金を作る方法なんてないかなぁ……?

 

 で、そんな事を思っていたら、陳端達が戻ってきました!

 しかも、知らない顔を三人も連れて!

 でかした! 良くやった! え!? 三人!?

 

「閣下! 只今、戻りました!」

「うむ。無事で何よりだ。して、この者達が……」

「はっ! 張任、厳顔、尹黙いんもくの三名です! 閣下の夢は正夢でしたぞ!」

「我ら三名。誓って司護殿にお仕え致します!」

 

 いや、尹黙って誰……?

 聞いたことあるような、ないような……。

 楊松みたいなパラメータじゃねぇよな……。

 まぁ、いいや。まずは見てみるとしよう。

 張任や厳顔のパラメータも気になるしね……。

 

張任 能力値

政治5 知略7 統率8 武力8 魅力7 忠義9

固有スキル 歩兵 弓兵 豪傑 鉄壁 伏兵 護衛


厳顔 能力値

政治6 知略7 統率8 武力8 魅力6 忠義7

固有スキル 騎兵 弓兵 歩兵 豪傑 怒号 補修


尹黙 能力値

政治9 知略5 統率1 武力1 魅力6 忠義7

固有スキル 故事 商才 説得 情勢

 

 おおお……素晴らしい……。

 ようやく本当の人材というものが分ったようだね。陳端君。

 けど、一気に増えたから年末の給料をどうしようか……。

 零細企業の社長さんになった気分だよ……。

 それとまた良く分からない固有スキルが……。


「あの、すいません。水鏡先生」

「よしよし。また『固有スキルの説明せよ』……かの?」

「話が早くて助かります」

「うむ。伏兵はそのまんまじゃ。戦場で伏兵がしやすい。補修は城の改修工事でボーナスがあるということじゃ」

「故事と情勢は……?」

「慌てるでない。故事はちょいと特殊での。外交の使者が来たときに使用されるものじゃ。情勢は近隣の近況報告がスムーズに出来るぞい」

「……外交の使者が来たとき?」

「故事をあまり知らんと『君主の教養が足りぬ』と思われての。君主が恥をかくのじゃ。恥をかくと評判を落とすことになる。それを避けるためじゃの」

「なんか保険みたいな能力だなぁ。……でも、ないと困るのか」

「今すぐ必要という訳ではないが、そのうち『あって良かった』と思うこともあるわい。では、の」

 

 ……ああ、消えてしまった。

 折角、手っ取り早い金儲けの方法を聞こうと思ったのに……。

 会議でもして捻出方法を聞くことにするか……。

 

「新たに三名も英傑が加わったので、宴を催したいのは山々なのだが……。どうも、我が領内は資金繰りが厳しくてな。すまぬ」

「太守殿。この張任を始め、二人ともそのような些細な事は気にしませぬ」

「うむ。だが、このままでは上手く立ちゆかないほど厳しいのが現実だ。どうすれば良いと思う?」

「近くに良い陵墓とかありませんかね? そこから財宝を略奪すれば良いでしょう」

「鐘離昧よ……。偉大な先人を汚すのは道義に反する。それは無理だ」

「嫌ですね。冗談ですよ。冗談。ハハハハ」

 

 君が言うと冗談に聞こえないんだよ。鐘離昧君……。

 まだ冗談って言って誤魔化すから良いけど、君の元主人は本当に勝手にやるだろうからなぁ……。

 ああ、王儁の額に青筋が……。頼むから武闘派と文治派の争いなんてやめてくれよ!

 大内家の内紛じゃあるまいし!

 

「他には意見ないか? 忌憚なく意見を聞かせてほしい。でも、陵墓を荒らすだの近隣を略奪するのは無しでだぞ」

「この尹黙。ちと小耳に挟んだことで面白い話があります」

「おお!? どのような話だ?!」 

「されば前長沙太守の…どなただったかは不明ですが、宮中に贈ろうとした宝物や金品を『区星らの手勢が強奪した』との噂です」

「成程、それならば元々は長沙のものだ。取り返すだけで良いのだからな」

「問題は何処に隠してあるかですな。根城だとは思いますが……」

「誰か区星の根城について分かる者はおるか?」

「……私に心当たりがある者がおります」

「おお、王儁。して、何処かね?」

「いえ、私ではありません。方々を歩き回り、父や兄の仇を討とうとしている韓曁かんき。字を公至という南陽の者です」

「また謎の人物が……もう何号だか分らないや」

「……何か?」

「……い、いや。続けてくれ」

「その者を召しだし、聞けば教えてくれるかと思います。人物としても中々のものです」

「ほ、ほう……。それは心強いな。では、急いで韓曁なる者に会うことにしよう」

 

 こうして区星らが持つ前太守が賄賂に使おうとしていた宝物を取り返すため、僕は町へと繰り出した。

 しかし、またもや謎の人物……。

 ググれないって不便だよなぁ……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ