第三十九話 ブイキング誕生!?
12月となりました。やっぱり寒い……。
そして陳平達はまだ戻ってきません。
おかしいなぁ……何処で道草くってんだろ?
さて、僕と仲景先生の出来事は、あっという間に漢全土に広がった。
この出来事によって、僕の株は大分上がったようだ。
これで正式に官位も貰えるようになるかなぁ?
でも、どうせ十常侍の連中が邪魔するんだろうなぁ……。
僕の一件もそうだけど、更に北方の涼州では、とんでもないことが起きた。
なんとブイキング誕生だ!!
……これだと意味が分りませんよね?
そうです。意味が僕も分らないんです。
武威国の王に劉協が即位して、現在は涼州にいるって……。
しかもそのブイキングに韓遂、王国、辺章、馬騰らがこぞって降伏したらしい。
凄いぞ! ブイキング劉協!!
まだ6歳なのに、どういうことだ!?
そして驚いたことに、劉協は全員に恩赦を与える形で、軍勢を全て手に入れたらしい。
……うう、どういうことなんだろう?
てかさ……劉協ってまだ6歳の筈だよね???
後ろに、とんでもないのがいるのかなぁ………?
しかも、更に驚くことに勝手に州全体に御触れを出したらしい。
というのも、本来なら王は州牧を兼任出来ない形になっている。
ところが劉協は、それを覆してしまったらしいんだよ。
それは同時に名称も武威王ではなく、涼州王という名に変更したんだ。
これに感化されたのか、今度は劉焉が蜀国王から益州王と名乗った。
でも、牂牁王の劉普もいるんだよね……。
こりゃあ、とんでもないことになりそうな予感……。
今のところ劉表は荊州王を名乗っていないけど、時間の問題かも……。
南陽王の劉岱がすぐ近くにいるから、様子見って感じかな?
そして、その劉岱にも動きがあった。
袁紹の下で朝歌県令になっていた曹操が、手勢を率いてきたからねぇ……。
何でも凄く良い条件で家臣となったらしい……。
ひょっとしたら劉岱が荊州王を名乗るのかも……。
そして、陳国の劉寵にも動きがあった。
豫州王を名乗ってしまったんだ。
これに怒った袁術が、どうも俄かに軍を動かす気配があるとのこと。
豫州汝南郡は御膝元だし、潁川郡やその先の南陽郡も狙っているらしいからね……。
さらに劉繇も揚州王を名乗りだした。
なんでも徐州牧陶謙や廬江太守陸康に説得されたらしい。
袁術も気が気じゃないだろうなぁ……。
そして黄巾党だけど、何故かピッタリ兗州、青州、豫州、揚州での活動が止まった。
張角が死んだのかな……?
それとも嵐の前の静けさ?
四人の州王誕生という、あまりにも予想外のことが報告されてきたからなぁ……。
そこで追加情報がないか、范増を呼び出すことにした。
裏情報も持っているからねぇ。亜父さんは……。
「おお、亜父殿よ。急いで来てもらってすまない」
「うむ。何が聞きたいのか、大体の予想はついておるわい」
「そうか。それならば心強い」
「まず、あの小童劉協のことじゃろう?」
「そうだ。何故、韓遂らが降伏したのだ? 特に負けた訳でもないのに……」
「恐らく彼奴らが後押しして、劉協を帝にし、何進にとって代わりたいのじゃろう……」
「そこまでは読める。だが、それだけではあるまい?」
「察しが良いのぉ……。実は伝国の玉璽が盗まれたらしいのじゃ……」
「なっ!? 何だと!?」
「どうも、そうらしいわい……。そうじゃないと、董太后が幽閉されている理由がないからの……」
「……そして盗んだのが劉協の一味か?」
「増々、察しが良いのぉ。儂はそう睨んでおる」
「劉協の背後に古の者が……?」
「恐らく絡んでおるな。しかも、ここまで大事となると、複数……」
「複数だと……?」
「驚く程ではないじゃろう……。儂以外にも、ここには四人もおるんじゃし」
「あっ!? それでは亜父殿は記憶が!?」
「大分、甦ってきたわい。他の者は分らんがの」
「………そうでしたか。それで、古の誰かまでは?」
「そこまでは、ちとな…………。許せ」
「いえいえ。亜父殿でさえ無理なのです。他の者では、そうはいきますまい」
「だが、劉協以上に警戒せねばならぬ者がいる」
「……誰です?」
「陳国の劉寵じゃ。今では飢饉を物ともせず、陳国だけでなく、その領国は裕福になっておる」
「それでは名君と言っても良いではないですか」
「うむ。名君じゃ。同時に危険な男よ。簒奪も考えておるようじゃしのぉ……」
「余は、どちらの味方をすれば良いのだ? 亜父殿よ」
「今は静観じゃ。幸いなことに、ここは都からは遠い。お主が天下を取りたいのであれば不幸じゃがのぉ……」
「天下には興味はない。余は全ての民の安寧にしか興味はないからな」
「なら、問題はないじゃろう……」
「だが、このままでは何進と十常侍は気が気ではない筈だ。どうでると思う?」
「今の段階では、董卓と丁原が招聘されたらしいぞい……」
「……それだけか?」
「分らん。董卓は韓遂らと険悪なようじゃから、招聘に応じるじゃろうよ。問題は……」
「并州刺史の丁原か?」
「左様。丁原は并州牧を希望していたようじゃ。そのまま洛陽に向かうとは思えぬ……」
「では、劉虞か劉寵の何れかに合流すると見て良いか?」
「今のところはな。それと黄巾党の連中が、息を潜めてしまった理由については調査中じゃ」
「あれだけの軍勢を誇っていたのだ。消える訳はないだろう……」
「江夏をはじめ、汝南、江陵、南陽、丹陽、淮南、そして徐州の黄巾党は、全て南昌に来たらしいぞい」
「南昌には養えるだけの兵糧はあるのか?」
「それが、あるらしいんじゃよ。山越の王も太平道に帰依したらしいでの……」
「どうしてまた……」
「元々、山越には下地があったらしいんじゃ。方仙道の一派らしいがな。恐らく、それのせいじゃの」
「章河の一派のことか……」
「そう。その通りじゃ。南昌の攻略は止した方が良いのぉ……」
「無辜の民を弾圧しないなら攻める理由はない」
「で、どうするのじゃ?」
「まずは零陵を最大まで発展させる。その後で桂陽だ」
「その後は様子見かの?」
「いや、都市を一つ造成しようと思う。丁度、四郡の交差している宿場町を中心にしてな」
「……莫大な費用がかかるぞ」
「それは分りきっている。それと、もう一つ。零陵と桂陽の南に郡を作る」
「蒼梧郡の北の辺りじゃな?」
「そうだ。既に計画は立てている。あそこに一つ作り、荊南蛮や山越の民を中心とする郡にする」
「ふむ。成程な。そうすれば交州で乱が起こった際に、難民はそこで受け入れやすいという訳じゃな」
「その通り。これも莫大な出費になるが、まずはその郡を作ろうと思う」
「名前は決まったのかの?」
「臨賀郡と既に命名した。良い名だろう?」
何故、新しく郡を作る気になったか。
それは賈琮が交州刺史の任が解かれたからだ。
賈琮は人気が高く、交州の人々に敬愛されていたのだが、どうも朝廷が独立されることを警戒したらしい。
実際には半独立に近い自治区みたいなもんだけど、朝廷というか十常侍や何進らは、それでも嫌なんだろうね。
代わりに来たのは朱符という人物。
朱儁の息子らしいけど、聞けばあまり良くないらしい。
親父の七光りだけらしいから、何処まで出来るか微妙だしなぁ……。
そして解任された賈琮だけど、素直に都には行かなかったらしい。
どうも劉繇の所へ行ったらしいんだ。
波乱の予感がするなぁ………。
ところで、郡や都市を勝手に作るというのは、ある意味、朝廷に対する反逆行為だ。
何故なら朝廷の権威を無視するからね。
だけど僕は、そんなの気にしない。
権利を主張するのなら、義務をしっかり果たしてから言うべきだからだ。
今の朝廷にそんな事を言われる筋合いはないからね。
それに悪いけど、朝廷にはもう力がないようだし……。
まぁ、いいや。今回の12月政略フェイズ前後半やってしまおう。
武陵は厳顔が補修。
桂陽は李通が補修。
長沙は韓曁が銀山採掘。
で、零陵が……。
蔡邕、徐奕、桓階、杜襲、是儀、陳端、張紘が開墾。
僕、繁欽、尹黙、趙儼、灌嬰、張昭、秦松が街整備。
范増が城郭整備。王儁が帰順。
周倉は引き続き僕の護衛。
顧雍には兄弟子として竹千代の家庭教師をしてもらおう。
劉度が教科。金旋が教授で統率力アップ。
そして双方とも桂陽から資金を捻出。
零陵パラメータ
農業1076(1300) 商業963(1300) 堤防90 治安96
兵士数50046 城防御169(500)
資金3046 兵糧78400
長沙パラメータ
農業1200(1200) 商業1500(1500) 堤防100 治安100
兵士数34973 城防御600(600)
資金2580 兵糧148000
桂陽パラメータ
農業697(1000) 商業757(900) 堤防100 治安95
兵士数30182 城防御220(500)
資金4122 兵糧89700
武陵パラメータ
農業1200(1200) 商業800(800) 堤防100 治安100
兵士数34345 城防御454(500)
資金2267 兵糧150000
続いて後半の政略フェイズ。
本当に地味過ぎる……。
けど、こういう積み重ねが大事なんだよね……。
武陵は厳顔が補修。
桂陽は李通が補修。
で、零陵は……。
前半と同じでいいかなぁ……。
蔡邕、徐奕、桓階、杜襲、是儀、陳端、張紘が開墾。
僕、繁欽、尹黙、趙儼、灌嬰、張昭、秦松が街整備。
范増が城郭整備。王儁が帰順。
周倉はいつもの僕の護衛。
顧雍には兄弟子として、引き続き竹千代の家庭教師中。
そして給料の払い込み。
長沙から全部支給します。なんか銀行振り込みみたいだなぁ……。
現在36人だから金3600か。
零陵パラメータ
農業1176(1300) 商業1056(1300) 堤防80 治安96
兵士数50946 城防御181(500)
資金2502 兵糧78400
長沙パラメータ
農業1200(1200) 商業1500(1500) 堤防100 治安100
兵士数34973 城防御600(600)
資金1980 兵糧148000
桂陽パラメータ
農業697(1000) 商業757(900) 堤防100 治安95
兵士数30182 城防御230(500)
資金4799 兵糧89700
武陵パラメータ
農業1200(1200) 商業800(800) 堤防100 治安100
兵士数34345 城防御465(500)
資金2967 兵糧150000
そして金旋の統率力が6になった。
これで少しは雑魚君主というか、雑魚太守から脱皮できた! ……と思う。
問題は劉度の固有スキルです。何になったのかな?
それではパラメータの発表!
劉度
政治5 知略4 統率3 武力2 魅力6 忠義5
固有スキル 商才 治水 判官
………って、判官かい!?
まぁ、でも悪くはないか……。
考えようによってはだけどね……。
そして来年に備えていますと、なんと遂に帰ってきました! 陳平一行が!
希望していた鄭玄はいるのかなぁ……?
いるといいなぁ……。
人数は増えているみたいですけどねぇ……。
「我が君。遅くなって申し訳ございません」
「おお、陳平。遠路の長旅、ご苦労であった。鄭玄殿は……?」
「それが生憎、事情がありまして……」
「……そうか。ご無事なのであろうな?」
「その筈ですので、その点はご安心を」
「そうか。それは重畳」
「代わりと言ってはなんですが、逸材を五名ほどお連れしました」
「なんと五名もか!? ……して、その者達かね? 成程、確かに才のありそうな英俊ばかりだ。余も嬉しく思うぞ」
そんな事を言ったところで、パラメータチェックといきますか。
劉先連れて行ったから、楊松みたいのはいないと思うけど……。
王烈 字:彦方 能力値
政治8 知略7 統率5 武力2 魅力8 忠義6
固有スキル 名声 教育 商才 判官 鎮撫
邴原 字:根矩 能力値
政治7 知略8 統率7 武力5 魅力7 忠義5
固有スキル 弁舌 補修 機略 名声 看破 教育
管寧 字:幼安 能力値
政治7 知略7 統率5 武力2 魅力8 忠義5
固有スキル 名声 帰順 商才 説得 教授
邯鄲淳 字:子叔 能力値
政治7 知略8 統率2 武力1 魅力8 忠義6
固有スキル 和解 説得 書家 弁舌 教育
満寵 字:伯寧 能力値
政治8 知略8 統率8 武力7 魅力8 忠義8
固有スキル 情勢 看破 機略 開墾 鎮静 説得 伏兵
すげぇ!? 何これ!?
………ってか、満寵って徐晃を引き込んだぐらいしか記憶にないんですけど!?
武力以外、全部8じゃん!
僕はマジで感激して、一人一人の手をとって喜んだ。
そしてジンちゃんを使って、陳平、周泰、鐘離昧、そして劉先を褒め称えた。
こんなに凄い面子が来るなんて、夢にも思わなかったからね!
そして大晦日となり、忘年会シーズンとなった。
僕は自ら酌をして回り、家臣達を労った。
これはジンちゃんでもフクちゃんでもない。僕自身、ボンちゃんとしてだ。
まぁ、お酒が飲めないというのも、ありますけどね……。
それと、どうも主君自ら家臣の杯に酌をして回るというが、かなり珍しいらしい。
一同、皆感激してくれました。
来年から随分と荒れそうな展開だけど、これだけ心強い味方が大勢いるんだ。
董卓がおかしな事をする前に、戦乱を抑えてみせるぞ!
………でも、董卓じゃないんだろうなぁ………。




