第二十三話 今度は梟雄路線?
11月となり、なんとか各蛮族というか異民族の反乱はなくなりつつある。
零陵の方では未だに不穏な空気が漂っているけど、今は武陵に集中しないといけないからね。
零陵太守張羨には「こちらが零陵蛮らと交渉して抑えているので、早まったことをしないように」と蔡邕に手紙を書かせた。
本当は張羨に武陵を押し付けて、江陵の蔡瑁らに共同で当たりたかったんだけどねぇ……。
上手くいかないもんだよ。ほんと。
しかし、武陵蛮とかアニメとか漫画には出てこなかったけどなぁ。
僕が知っているのは南蛮の孟獲とか祝融夫人としか知らないし。
沙摩柯もてっきり孟獲の仲間かと思っていたぐらいだし。
それはそうと、11月上旬の政略フェイズ。
三郡にも膨れ上がったから面倒だけどねぇ……。
長沙は厳顔の城壁補修と韓曁の採掘。桂陽は灌嬰が町造り、周倉が巡回。
問題は武陵かぁ……。訴訟をまずどうにかしないとね……。
訴訟は顧雍、秦松、蒋欽、是儀で決まり。
街道整備には僕、尹黙、張昭、劉度。
開墾事業は陳端、蔡邕、徐奕、張紘、桓階
帰順が王儁で、巡回に沙摩柯、周泰、鐘離昧、張任とした。
治水は後回しということで……。
武陵パラメータ
農業292(1200) 商業261(800) 堤防53 治安60
兵士数23171 城防御223(500)
資金2908 兵糧60000 訴訟レベル3
桂陽パラメータ
農業697(1000) 商業589(900) 堤防100 治安100
兵士数40182 城防御120(500)
資金3379 兵糧77000
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数52273 城防御453(600)
資金2464 兵糧99000
武陵の町はまだまだ安定してないけど、来年頃にはまだマシぐらいにはなるだろう。
このまま何もなければ良いんだけどね。
そう都合よくいかないんだろうなぁ……。
いつもそんな考えていると、思いがけないことがあるもので……。
張任にボディガードしてもらいながら、町の整備の指導をしていると、後ろから声をかけられた。
ひょっとして于吉道人!?
……と思ったら違っていた。
……同じ爺さんだけど。
「失礼。お主が司護殿か?」
「如何にもご老人。余が司護でありますが」
「ひょんなことでお前さんの世話になる。宜しくのぉ」
「……は? 今なんと?」
「妙な話じゃろう?」
「妙な話ですね……」
「うむ。儂もそう思う」
「……どういうことです?」
「ある老師に『どうせ6が出るからお主が行け』とか言われてのぉ……」
「……どうせ6? ああっ!?」
「気づいたらここじゃ。で、何故か儂がお前さんの下に行かねばならぬ気がしてのぉ……」
僕はその時、瞬時に悟った。
有難う! 于吉仙人!
……おっと、パラメータを確認しなくちゃ。
だけど、丁度その時、遠くから声がした。
見ると声の主は鐘離昧だった。
そして、鐘離昧は嬉しそうに爺さんに話しかけてきたんだ。
「これは亜父様! お久しぶりです!」
「おお!? そなたは鐘離昧か!?」
「はい! ここで司護殿の将として働いております!」
「おお、そうか。それは良かった。今度の君子は豎子ではなさそうか?」
「はい! どちらかと言えば……」
「……なんじゃ?」
「……ところで亜父様は我が君を憶えておりますか?」
「何じゃ!? 無礼な! 儂はそこまでボケてはおらん! ……筈じゃが」
「……筈?」
「……儂も思い出せん。いかんな」
えーと……二人だけの世界というか……。
まぁ、ほっておこう。
この爺さんは、恐らくあの人だと思うけど……。
范増 能力値
政治7 知略9 統率6 武力1 魅力5 忠義6
固有スキル 神算 鬼謀 刺客 遠望 看破 補修 説得
おお! やっぱり、范増!
能力値がちょっとだけ微妙だけど……。
それでもかなり嬉しい!
おっと、それと……。
「遠望は情勢の上級スキルじゃ。より遠くの情報が、より細かく分かるぞい。ではの」
「ちょっ……もう一つ物騒なスキル名の方も」
「それは文字通り刺客を送り込むことが、より簡単に出来る。流石にそれなりの者は無理じゃがの。ではの」
はい。有難うございます。先生。
最近ちょっと寂しい気もするけどね。
でも、固有スキルが刺客って……。
僕は范増を城内へと案内し、暫く歓談した。
当初、僕の范増のイメージは陰気な爺さんのイメージだったけど、それは全く違っていた。
少し世間ずれした好々爺というのに近い。
まぁ、この方が僕にとっては良いんだけどね。
それはそうと、范増が僕にちょっと気になることを言ってきた。
「我が君、ところでちょいとした噂じゃがのぉ」
「何でしょう? 亜父殿」
「やはり、その亜父殿はちとやめてくれんかの……。あの豎子を思い出すわ」
「余は、そのような豎子ではございません。民を思う者である故」
「そうか、それなら良いがの。あの豎子にも、君の爪の垢でも飲ませてやりたいわ。天下は双方とも無理じゃろうが……」
「余は天下なんぞ望んではおりませぬ。それよりも噂とは?」
「うむ。実は既に朝廷から長沙と桂陽の太守が派遣されたのじゃよ」
「ええっ!? しかし、まだこちらに着いてはおりませんが……」
「うむ。妙じゃのぉ……。だから、てっきり儂は我が君が刺客を送って亡き者にしたのかと……」
「そ、そんな事をする訳が……」
「甘いのぉ……。その両名がもし、佞邪な者だったら、我が君は太守の座を譲りますかな?」
「い、いや……それは」
「……そうじゃろう。だから、そのような者が着いたなら直に殺してしまいなさい」
「ま、待ってください。その両名が仁者であれば問題がないではないですか」
「それは、そうかもしれぬが……」
「まず、その両名について、お聞かせ願いますか?」
「……どちらも宦官張譲の縁者じゃ。それ以上は言うだけ野暮というものじゃろう……」
「……それで察しました」
言われてみれば、朝廷がこちらの都合によい人材を選ぶかどうかなんて分らない。
寧ろ、都合の悪い人材の可能性の方が高い。
けれども断れば、やはり僕は朝敵という大義名分を与えてしまう。
「それで亜父殿。その両名に刺客を放つとして……。その後は如何します?」
「犯人を仕立てるしかないじゃろう? 都合よく黄巾党や江陵蛮などもおるしの」
「……やはり、その手しかありませんか?」
「江陵蛮といった荊南蛮らは兎も角、黄巾党はお前さんの敵であろう?」
「……そうですが」
「なんぞ黄巾党に恩でもあるのかの?」
「ありませぬ。ありませぬが……」
「何じゃ?」
「元は彼らもほとんどが民です。無碍にするのも、ちと憚ります……」
范増は少し呆れたような顔をしてから溜息をついた。
その瞳の奥には冷たい光を放っている。
好々爺のような面持だけど、鋭いナイフのような視線を時折、感じるんだよ。
「なぁ、我が君よ。黄巾党の者を犯人に仕立て上げるとしてもじゃ、首なんぞはその辺で落ちているであろう」
「はい。おっしゃいたいことは分かります」
「朝廷というか宦官どもとしては黄巾党であろうが、お前さんだろうが犯人はどうでもよい」
「……それも分ります」
「だが、こういうのは手順が必要じゃ。一応、お前さんが犯人ではないと主張せねば、反宦官どもの勢力もお前さんを庇うことは出来ぬぞ」
「確かにそうですね。しかし、両太守は今、何処にいるのやら」
「……やっと分ったようだから差し上げるわい」
すると風呂敷からゴロンと二つの生首が出てきた!!
これって、ひょっとして両太守の生首!?
「儂のささやかな土産じゃ。意外と簡単じゃったぞ」
「これは!? 亜父殿! 貴殿は。……忝い。助かりました」
「うむ。貴殿はあの豎子とは違い、真の名君のようじゃ。決して婦人の仁に感化してはならんぞ」
マジで怖ぇ…………。
鐘離昧とは別の意味で更に怖ぇ……。
けど、この范増の手柄を無碍にも出来ない。
僕は略奪を行った黄巾賊の暴漢を極刑にする際、この両名の殺人を加えて死刑を宣告させた。
暴漢は「身に覚えがない!」と騒いだが、迅速に処理させた。
ああ……。今度は黒く染まっていくのかなぁ……?
必要悪と言っちゃあ、それまでだけどね……。
僕は太守に任命された両名と何人かの暴漢の首を、使者に洛陽へ届けるように命じた。
これで朝廷が下手に他の者に太守を任命しなければ良いんだけどね。
……さて、いつもとは違う感じにゲンナリしたところで、11月下旬の政略フェイズ。
長沙は厳顔の城壁補修。
桂陽は灌嬰が町造り。
武陵は顧雍、蒋欽、是儀が訴訟。
僕、尹黙、張昭、劉度、秦松が町整備。
陳端、蔡邕、徐奕、張紘、桓階が開墾事業。
王儁が帰順。范増が城壁補修。
巡回が沙摩柯、周泰、鐘離昧、張任とした。
武陵パラメータ
農業352(1200) 商業322(800) 堤防47 治安94
兵士数24071 城防御235(500)
資金1330 兵糧60000 訴訟レベル2
桂陽パラメータ
農業697(1000) 商業601(900) 堤防100 治安98
兵士数40182 城防御120(500)
資金3880 兵糧77000
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数52273 城防御464(600)
資金5026 兵糧99000
武陵は堤防が低いけど、今は冬なので決壊の心配ないからね。
けど、武陵の問題は次から顧雍を治水にまわすので問題ないにしても、問題は零陵のほうだよなぁ。
流石に刺客を送って張羨を消すのは気が引けるしなぁ……。
まぁ、いいや。このまま12月上旬フェイズまでいっちゃおう。
12月は特に何もなさそうだし……。
それと陳平に命じて長沙から金を4000輸送することにしよう。
で、いつも通りで桂陽は灌嬰が町造り。
長沙は厳顔の城壁補修、韓曁が採掘。
武陵は顧雍、蒋欽が訴訟。
僕、尹黙、張昭、劉度、秦松が町整備。
陳端、蔡邕、徐奕、張紘、桓階、是儀が開墾事業。
王儁が帰順。范増が城壁補修。以上で!
武陵パラメータ
農業518(1200) 商業454(800) 堤防43 治安90
兵士数24071 城防御247(500)
資金2784 兵糧60000
桂陽パラメータ
農業697(1000) 商業625(900) 堤防100 治安96
兵士数40182 城防御120(500)
資金4305 兵糧77000
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数52273 城防御486(600)
資金926 兵糧99000
流石に堤防が少し心配になってきた……。
冬に洪水って滅多にないらしいけど……。
何ともなさそうだし、サクサクと12月下旬フェイズいこう。
給料を払うことになるけど、そこは長沙での自動振り込みで!
現在は二十五人か……。
范増の奴、おいしい思いしてんなぁ……。
まぁ、恐ろしい仕事したからいいか……。
長沙は厳顔の城壁補修。
桂陽は灌嬰が町造り。
武陵は蒋欽が訴訟。顧雍が治水。
僕、尹黙、張昭、劉度、秦松が町整備。
陳端、蔡邕、徐奕、張紘、桓階、是儀、王儁が開墾事業。
范増が城壁補修。以上で!
一気に2か月分やったけど、疲れたなぁ……。
2か月分以上に范増の暗躍のせいでより疲れたような気もするけど……。
来年は186年。良い年に……なるといいなぁ。
現在の配置状況
長沙
厳顔、陳平、韓曁
桂陽
灌嬰、周倉
武陵
司護、尹黙、張昭、劉度、秦松
蒋欽、顧雍、是儀、王儁、范増
陳端、蔡邕、徐奕、張紘、鐘離昧
鞏志、周泰、張任、桓階、沙摩柯
計25名




