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第二十一話 袁家の暴走開始!?

 9月に入った。

 予定では既にほぼ荊州は手中に収め、益州や揚州も手に入る予定であった。

 ……でも、そんなに上手くいかなかった。

 現時点でやっと桂陽だしねぇ……。

 てゆーかさぁ、知らない勢力がこんなにいると思わなかったし!

 

 僕がこんなことを言っている理由。

 それは未だに長沙からの連絡が入って来ないからだ。

 気が気じゃないから、自分の部屋で確認作業という訳。

 それに大声で独り言を話しても、皆は意味が分らないから……。

 

 近習からは、よく僕が「寝言で不思議な言葉で怒鳴っている」と告げられた。

「何て騒いでいるんだ?」と聞いたら、どうも日本語らしい。

他にも本音がポロリと出る時、日本語と中国語がごちゃ混ぜになるようだ。

 近習のアクセントがおかしいから自信ないけどね。

 

 さらに能々考えると、基本的に僕が言っている言葉は日本語ではなく、どうも自動通訳された中国語っぽい。

 そして入ってくる言語も「自動翻訳つき」ということになる。

 便利な機能かもしれないけど、そんなのどうでもいいから元の世界に戻してくれぇ……。

 

 で、僕がこんなことを一人でボヤいていると、政務室に尹黙が入ってきた。

 その様子からして随分慌てている。

 ……お願いですから良いニュースでお願いします。

 

「我が君。吉報ですぞ」

「……吉報? どんな吉報かね?」

「はっ。黄祖の兵が江夏へと引き返したそうです」

「……ほう。理由は分かるか?」

「何でも『兵糧船を水賊衆に奪われた為』とのことです」

「そうか……。しかし、敵はあくまで黄巾党だ。手放しには喜べぬぞ」

「それはそうでしょうが……」

「ハハハ。ここは君と余しかおらぬ。確かに余の首は、少しの間だけ繋がったようだな」

「もう一つあります。孫堅将軍ですが……」

「……うむ。孫堅殿が如何した?」

「はい。孫堅将軍も南昌から撤退をしました。ですが……」

「……勿体ぶらないで早く言いたまえ」

「はい。袁術の命により、廬江を襲ったとのことです」

「……意味が分らぬ? どういうことだ?」

「袁術は廬江太守の陸康殿に兵糧の貸付を命じました。しかし、陸康殿はこれを無視したのです」

「兵糧貸付の理由は『黄祖の軍を退却させない為』であろう?」

「はい。どうもそのようでございます」

「……陸康殿は何故、無視したのであろうか?」

「廬江だけでなく、揚州、徐州近辺では飢饉が続いております。民のため已む無くかと……」

「成程、陸康殿は余以上に桂陽の民に慕われていた仁君だ。それは当然であろうよ」

「それに怒った袁術が孫堅将軍に命じ、廬江を襲わせたのです」

「なんという無茶なことを……。で、状況は?」

「廬江襲撃を受け、徐州牧の陶嫌殿、揚州牧の劉繇殿、陳湣王ちんびんおう劉寵殿が陸康殿への援軍を向かわせたとのことです」

 

 流石は袁術! 滅茶苦茶してくれるぜ!

 てか、孫堅! そんな奴なんて、早く見限りなよ!

 でも、それ以上に陳湣王ちんびんおう劉寵って誰だよ!?

 大体、なんだよ!? 陳湣王って!

「ちんびんおう」だよ!? 「ちん」と「びん」を二回ずつ言ったら、まぁお下品!

 ……ダメだ。少し落ち着け僕……。

 

「……如何なさりました? 我が君?」

「……何がだ?」

「いえ、不可思議な言葉で何やら怒鳴っていたものですから……」

「……余の悪い癖だ。許せ。民と漢を救うために大局を見渡すことが出来ぬ者が多いから、嘆きと怒りで偶にこうなるのだ」

「……我が君は本当に不思議な方でいらっしゃる」

「そんな事はどうでも良い。それよりも青州、兗州、豫州、徐州の黄巾党の動静も気になる」

「はい。袁術と劉表が南昌へ攻めたとなれば……」

「……うむ。どうなるか分らんな……」

 

 南昌ではどうやら激戦だったらしい。

 というのも、南昌では兵糧が少ないため、張梁と波才は短期決戦を仕掛けて双方とも互いに総力戦の展開になったとのことだった。

 その後、孫堅と黄祖はお互いに一時撤退をし、膠着状態に入らせて持久戦の構えをみせた。

 ところが、江陵からの兵糧船が水賊に襲われたため、黄祖は撤退せざるを得なくなった。

 勿論、その水賊って周泰、蒋欽、陳平らのことなんだけどね。

 孫堅は袁術に兵糧輸送を要請したが、袁術にその余裕はなく、廬江の陸康に兵糧の貸付を断られた為に今回の事態になった訳だ。

 

 南昌では何とか引き分けに持ち込んだものの、黄巾党の損害が大きいらしく、かなり疲弊しているらしい。

 攻め込むなら確かに今なんだろうけど、どうしたものだろう?

 下手に攻め込んで、黄巾党の恨みも買いたくないしなぁ……。

 

 それは兎も角、まずは9月上旬の政略フェイズ。

 長沙には強奪した兵糧もあり、かなり裕福になった。

 けど、長沙はいつも通りの厳顔の城壁補修の一点張りでいこう。

 あと韓曁の採掘だな。


 そして、桂陽はというと……。

 ま、前回と同じでいいや……。

 ちなみに長沙からは周倉と鞏志に輸送を担当させ、金3000と兵糧10000を桂陽に送らせた。

 

 僕、尹黙、張昭、灌嬰、秦松が町の整備。

 顧雍が治水。

 蔡邕、桓階、陳端、是儀、張紘、王儁、徐奕が開墾指導。


桂陽パラメータ

農業531(1000) 商業444(900) 堤防94 治安86 

兵士数39282 城防御120(500)

資金2290 兵糧15000  

 

長沙パラメータ

農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100 

兵士数52273 城防御420(600)

資金5040 兵糧35500

 

 さて、さらに続々と情報が入ってきた。

 冀州の方では朝廷が董卓の代わりに張純を新たに派遣し、鉅鹿に立て籠もる張角らを追い詰めようとした。

 しかし、張純は公孫瓚とそりが合わず、泰山郡太守の張挙と烏桓族の丘力居、蘇僕延らと共に反乱。

 さらに袁紹と公孫瓚まで仲が険悪となり、袁紹は曹操と共に戦線離脱。

 張挙は趙国皇帝を名乗り、幽州も動乱し始めた。

 

 その折に張角が張宝と共に鉅鹿を脱出。

 理由は張純の挙兵と、それによる公孫瓚、袁紹の離脱により鉅鹿の囲みが解かれたからだ。

 これにより、黄巾党は鉅鹿を捨て、南下して濮陽のぎょうへの攻撃を開始、鄴県令は逃げて鄴を占領。

 これに反応したのは元濮陽県令の袁紹で、曹操らを共に引き返し、鄴への移動を開始。

 それを見た黄巾党は鄴を捨て、兗州、青州、徐州へと移動。

 そのまま袁紹は鄴を制圧。そのまま居座わった形となり、冀州牧を称する。

  

 張角が鉅鹿を脱したことにより、兗州や豫州でも黄巾党が勢いを盛り返してきた。

 これらに対し皇甫嵩を再度、朝廷から派遣することになった。

 さらに廬植を幽州牧とし、劉虞を河間国の相から王に封じた。


 また、南陽でも趙弘、彭脱らが中心となって黄巾党が騒ぎだした。

 それに呼応するかのように趙慈という者が南陽で謀反を起こす。

 朝廷はそれに対し、南陽太守秦頡への援軍として朱儁と元広陵太守の張超を派遣した。

 

 江陵では蔡瑁と張允らが侵攻。周辺の賊や土豪を蹴散らす。

 江陵蛮、五渓蛮らも蹴散らし、新たに県令を立てる。

 なお、新たな県令は不明とのこと。

 

 現時点ではこんな感じです……。

 もう滅茶苦茶だなぁ……。

 でも、こちらはマイペースでいきますよ。

 今月末には待望の兵糧が入ってきますしね。

 

 さて、9月下旬の政略フェイズの前に客人が一人の使者が来た。

 交州の交阯太守である士燮ししょうの弟、士壱しいつという人物だ。

 因みに、もう既に「知らない人何号」といって数えるのやめました……。

 

 謁見の間に入ると既に士壱がそこで待っていた。

「どれ位の能力値か?」と思ったより、固有スキルの方を気になって目を閉じた。

 現段階での登用は無理だしね。

 

士壱

政治6 知略6 統率6 武力3 魅力6 忠義5

固有スキル 開墾 商才 説得 弓兵

 

 うわぁ……。見事に無難な能力値と固有スキル。

 でも、これだったら当然、雇いたいけどね。

 

「これはお初にお目にかかる。司護殿。姓は士、名を壱と申す者でございます」

「良く来られた士壱殿。兄君の士燮殿のご高名は、この桂陽でも良く聞かれますぞ」

「いや、お恥ずかしい限りです」

「ところで今日はどのようなご用件ですかな?」

「はい。実は司護殿に御贈りしたいものがございまして……。これ、持って参れ」

 

 彼の使用人に運ばせた代物は、南方でとれる鼈甲や珊瑚、象牙など数点だった。

 現代の日本だと、どれほどの価値があるんだろ?

 

「これは……。かたじけない。いやいや、素晴らしい物ばかりですな」

「お気に入り召されましたかな?」

「……ですが、率直に申しましょう。この司護に『何をせよ』と言われるのかな?」

「は……? ハッハッハッ。いきなりですな。いやはや……」

「この司護。公私は別にしとうございましてな」

「では、率直に申しましょう。そちらが桂陽から追い出した觀鵠と蘇馬が、蒼梧郡そうごぐんで暴れているのです」

「……しかし、我が軍が蒼梧郡に出陣するとなると、蒼梧郡の民は動揺するのではないかね?」

「はい。ですが、こちらの軍費を調達しようにも、新たに租税を民にかけることは出来ません」

「……そこで我らに『何か出せ』と?」

「……お察しの通りです。兵糧5000ほどであれば、都合つきましょう」

 

 ……微妙だなぁ。

 てか、鼈甲とかにどれ位の価値があるかも分らないしなぁ……。

 それに直に売ることって出来るのかなぁ……?

 

「相分かった士壱殿。明日までには答えが出る故、今日はここでごゆるりとされよ」

「何卒、宜しくお願いします」

 

 家臣達に色々と聞いてみたけど、やはり装飾品の類は高値がつくらしい。

 ただ、現状では売りさばくにも難しいとのことだった。

 けど、觀鵠と蘇馬が暴れているのは、こっちの責任でもあるしなぁ……。

 

 で、僕は考え抜いた挙句、あることを思いついた。

 鼈甲とかは全部「家臣の特別ボーナスにあてちゃう」という手だ。

 王儁とかは、さほど喜ばないかもしれなけど、陳平とかなら大喜びだろう。

 

 僕は長沙に金3000と兵糧5000を輸送させるよう使いを出した。

 長沙の税金で桂陽を発展させていると思うと、少し気が咎めるけどね。

 でも僕は税金の無駄使いはしていません。

 ……選挙ないからやりたい放題ではありますけどね。

 

 翌日となり、士壱に兵糧5000を出す約束をすると、士壱はとても喜んだ。

 これで交州勢に恩を売れるなら安いもんだしね。

 交州刺史の賈琮は仁君らしいから、期待したいところだ。

 

 その後、貢献度の具合によって鼈甲などを家臣達に分け与えた。

 これで家臣の忠誠度が高くなっていれば良いんだけど、忠誠度のデータはマスクだからなぁ……。

 

 では、家臣の忠誠度が高くなったと思われるところで9月下旬の政略フェイズ。

 長沙は厳顔の城壁補修のみ。

 桂陽はというと……。

 僕、尹黙、張昭、灌嬰、秦松が町の整備。

 顧雍が治水。鐘離昧が巡回。

 蔡邕、桓階、陳端、是儀、張紘、徐奕、王儁が開墾指導。

 これでよし……と。


桂陽パラメータ

農業620(1000) 商業512(900) 堤防96 治安88

兵士数39282 城防御120(500)

資金4402 兵糧77000  

 

長沙パラメータ

農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100 

兵士数52273 城防御431(600)

資金3102 兵糧129000

 

 おおお……。すげぇリッチな気分!

 間違いなく一大勢力となってきたような気がする!

 あとは名声とかで、どんどん人材が来れば問題なし!

 だが、楊松、博士仁は断るけどな!

 


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