第二十話 南昌の急変
さて、恒例の7月上旬の政略フェイズ。
でも、その前に折角、桓階が来たんだから上限値を見てみよう。
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安94
兵士数84605 城防御354(600)
資金6754 兵糧70500
何だ……。まだまだ、内政の余地ありまくりじゃないか……。
けど「桂陽に進軍する」って爺さんと桓階に約束しちまったしなぁ……。
で、僕が目を閉じて長沙のパラメータを見ていると、噂の桓階が部屋に入ってきた。
「少しは慣れたかね? 桓階」
「は。しかし、司護殿には何と申し開きしたら……」
「その件はもう良い。それ以前に君に聞きたいことがある」
「……何でしょう?」
「どれだけ餓死者が出ておるのだ。有体に申せば、兵糧は如何ほど必要だ?」
「桂陽の人口は長沙への流民で、かなり減少しましたが……」
「……うむ。で、幾らだ?」
「兵糧は20000程必要かと……」
「ということは、兵を3万動員するから……35000ということだな?」
「……はい」
最低35000ということだけど、全部使い切ったら今度は桂陽の兵糧庫が0になってしまう……。
よって、40000を持って行くことにした。
それと桂陽では金が不足がちになりそうなので、金6000程持って行く。
長沙の米蔵は大丈夫かなぁ……?
残り30500じゃねぇか……。
けど、長沙を狙われたら、短期決戦で切り抜けないといけないし……。
しかし、桂陽を立て直す訳だから、こうなったら思い切って行くしかないか。
という訳で長沙に残すのは鞏志、厳顔、周倉、韓曁、陳平の五名のみ。
長沙での内政は厳顔が補修。韓曁は採掘ということにした。
陳平を残した理由は強奪持ちだから、敵が攻めてきた際に計略を使って輜重隊を襲ってくれそうなので……。
鞏志も連れて行こうと思ったけど、盗賊の二頭目が武力6以下ってのはないよなぁ……。
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数54605 城防御365(600)
資金454 兵糧30500
さて、桂陽では一戦あると思った訳だけど、思ったよりも投降する賊兵が多かった、
その為、首魁の觀鵠と副頭目の蘇馬は、何処ぞへと落ち延びたらしい。
簡単に手に入った桂陽だけど、内情は散々な有様だ。
農業185(1000) 商業120(900) 堤防25 治安10
兵士数36582 城防御120(500)
資金6000 兵糧5000 訴訟レベル3
予想していたとはいえ、ここまで酷いかね……。
これじゃあ、前太守を批難出来ないなぁ。
いや、前太守の張忠がこんなにしちまったのか……。
でも、当初の楊松、博士仁しかいない状況だったら、僕も逃げるよ。こりゃあ……。
桂陽の門前にて、僕が目を瞑って桂陽のパラメータを見ていたら、後ろから不意に声をかけられた。
「我が君。これは予想していた以上ですぞ……」
「おお、張昭殿。少し考え事をしていたところだ」
「……何をですかな?」
「余がもう少し迅速に行動しておれば『失わなくて済んだ命は如何ほどであったであろう』とな……」
「……我が君。しっかりなさいませ。今はそのような事を悔いている暇はございませぬぞ」
「……そうだな。まずは政庁を整備しよう」
桂陽の城下町へ入ると、民衆が僕のところへ群がってきた。
老若男女問わず、僕に頭を下げたり、手を握ったり……。
別に選挙運動なんてしていませんけどね……。
という訳で7月下旬の政略フェイズ開始。
一体、何処から手をつければ良いのやら……。
でも、悩んだところで仕方がない。
サクサクとこなしていこう……。
まずは訴訟レベルを下げないことには如何ともし難い……。
4レベルじゃないだけマシだったけどね。
簡易的な会議をした後、僕が配下に命じたのは……。
僕、尹黙、張昭、灌嬰が町の整備。
蒋欽、秦松、是儀が裁判係。
陳端、顧雍、張紘が治水事業。
蔡邕、桓階、徐奕が開墾指導。
王儁が帰順で、鐘離昧、張任、周泰が巡回。
桂陽パラメータ
農業223(1000) 商業174(900) 堤防73 治安38
兵士数37482 城防御120(500)
資金4474 兵糧5000 訴訟レベル2
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数54605 城防御376(600)
資金3016 兵糧30500
厳顔のみ城壁補修。
そして、更にクソ暑い8月になった。
まだまだ治安が悪いので、桂陽の民から取り締まりの強化を要請されている。
勝手なもんだよな……。
最初は持ち上げておいてから、今度は人をこき使うんだから……。
愚痴を言っても仕方がない。
取りあえず軽く会議をやった後に、8月上旬の政略フェイズ開始。
ちなみに長沙では厳顔の城壁補修と韓曁の採掘のみです。
僕、尹黙、張昭、灌嬰が町の整備。
蒋欽、秦松が裁判係。
顧雍、張紘が治水事業。
蔡邕、桓階、陳端、是儀、徐奕が開墾指導。
王儁が帰順で、鐘離昧、張任、周泰が巡回。
桂陽パラメータ
農業286(1000) 商業240(900) 堤防94 治安65
兵士数38382 城防御120(500)
資金2874 兵糧5000 訴訟レベル1
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数54605 城防御387(600)
資金2916 兵糧30500
もうここまで桂陽が復活してきた。
けど、訴訟レベルが1なのに表示されているなぁ。
国情持ちがいると表示されるのかな?
まぁ、いいか。細かいところは。
長沙と桂陽共々、攻撃されていない今のうちに8月下旬の政略フェイズ。
僕、尹黙、張昭、灌嬰、秦松が町の整備。
顧雍が裁判係。
蔡邕、桓階、陳端、是儀、張紘、徐奕が開墾指導。
王儁が帰順で、鐘離昧、張任、周泰、蒋欽が巡回。
それと長沙では厳顔のみ城壁補修。
桂陽パラメータ
農業363(1000) 商業308(900) 堤防86 治安100
兵士数39282 城防御120(500)
資金1582 兵糧5000
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数54605 城防御399(600)
資金5578 兵糧30500
どうだい! この桂陽の復興ぶりは!
まるで見違えるようじゃないか!
……現実もこれぐらい簡単だと良いんだけどね。
やっと一息ついたところで、僕は一人政務室で茶を飲んでいた。
兵卒に茶菓子として「何かないか?」と訊ねたら、出てきたのはタガメの……何これ?
僕はゲンナリしながら、お茶だけ飲んでいると尹黙が入ってきた。
「我が君。やっと、桂陽も安定して参りましたな」
「うむ。あとは難民達がいつ雪崩れこんできても、良いようにしておかないとな」
「その心配はなさそうです。少なくとも交州からは……ですが」
「……ほう、それは何故だ?」
「交州刺史の賈琮殿が兵を用いずに賊を征伐し、交州を平定しつつあるようです」
「……兵を用いずに? どうやって?」
「はい。酷吏を摘発し、賊徒を許し、民を慰撫した結果かと……」
「何と……漢もまだまだ捨てたものではないではないか。蓋勲殿といい、賈琮殿といい、余も見習いたいものよ」
「我が君は、そのお二方にも勝るとも劣らない人物かと……」
「ハハハハ。お世辞を言っても給金が変わらぬのは、毎度のことだぞ」
「ハハハ。いえいえ、そのようなつもりはございませぬ」
自分の口から出てきたのも何だけど……。
蓋勲って誰だよ!? 蓋勲って!?
けど、自分でツッコむのもアホみたいだしなぁ……。
けど、これで交州への進出は難しくなったんだよな。
だって、仮にも仁君だから、これで大義名分なくなっちゃったし。
陳平なら何て言うんだろ?
「山越か反乱軍を唆して、騒ぎを起こさせましょう」
……なんて言うんじゃないかなぁ?
まぁ、提案してきたところで、僕じゃない僕が勝手に却下しちゃうんでしょうけどね。
僕は笑顔で尹黙にタガメの……何ていう料理というか、菓子だか分らないものを勧めるとだ。
尹黙は遠慮なく嬉しそうに食べている。
僕はその様子を、心の中でゲンナリしながら見ていると、また誰かが入ってきた。
今度は顧雍か……。
その様子からして、あまり良いニュースじゃなさそうだなぁ……。
「我が君。大変ですぞ!」
「どうした? 君もタガメでも食べて落ち着きたまえ」
「それどころではありません! 一大事です!」
「……一大事?」
「はい! 張梁が篭る南昌へ袁術配下の孫堅、劉表配下の江夏太守黄祖が共に攻め込みましたぞ!」
「……なっ!? 何だと!?」
僕は悪い夢を見ているようだ……。
いや、この世界に来た時点で、悪い夢みたいなもんなんだけどさ。
流石に正史ってやつでは、こんな展開ないと思うんだけど……。
てか、張梁がわざわざここまで南下している時点で変なのか……。
「して、顧雍よ。状況はどうなんだ?」
「はい。南昌には兵糧が少ないようで、城外へ落ち延びる兵達も多いとのことです」
「……そうか。両軍の概要は分かるか?」
「黄祖の兵は二万。配下に呂公、鄧龍、陳就ら。孫堅の兵は五万。配下に程普、韓当、黄蓋、朱治とのことです」
「……中々の陣容だな」
「更に袁術の援軍として、張勲、橋蕤らが向かっているとのこと」
「……むむ」
「さらに廬江太守の陸康も加勢する由にございます」
まずい……。これはまずいぞ。
今、南昌が孫堅の手中に入ってしまったら、僕は孤立してしまうじゃないか!
何か手を打たないと……。
「張羨殿と曹寅殿の動向は分かるか?」
「彼らは武陵蛮らとの攻防で身動きは出来ません」
「……そうか」
「……如何いたしましょう?」
僕はまず尹黙を見た。
だが、尹黙は押し黙ったままで、話す様子は無い。
顧雍はというと、僕にさらに伝えたいようではあるが、口を閉ざしてしまった。
「急ぎ、周泰、蒋欽を呼べ」
「ははっ!」
顧雍と尹黙に猛将二名を呼ばせ、僕はあることを考えていた。
あまり仁君らしいやり方じゃないけど、やらねば僕は終わりだと思ったからだ。
二名は急ぎ駆け付けて来たが、いきなりの招集で少し戸惑っているように見えた。
「君らを呼んだのは他でもない。急ぎ長沙へ戻り、兵を出すのだ」
「我が君。一体、誰と戦さをするおつもりですか?」
「周泰よ。余としては少し不本意だが、喜べ。相手は劉表だ」
「ええっ!? それは真ですか!?」
「本当だ。だが、このことは内密にな。長沙で陳平と合流し、兵一万を率いて江夏から長江を渡ってくる兵糧船を拿捕せよ」
「ははっ! では、すぐにでも出立致します!」
「くれぐれも兵糧船の拿捕だけだ。良いな?」
「……そうですか」
「何、そのうち劉表と決戦の時も来よう。それまでの辛抱だ」
「承知致しました。では、長沙へ向かいます」
「うむ。武運を祈っておるぞ」
南昌にはもうちょっと頑張って貰わないと後がない。
だって交州を抜けるルートは無くなっちゃったんだもん……。
それに黄巾党は波才の話を聞いていると、そこまで極悪集団ではなさそうだしね……。
まぁ、僕が騙されているだけかもしれなけどさ。
けど、それなら固有スキルの看破があるから、それなら何かしら分かると思ったんだよ。
周泰、蒋欽を呼んだのは当然、彼らが劉表や蔡瑁に恨みを覚えているからだ。
それに両名の首を劉表は要求してきたんだし、悪いのは劉表なんだよ!
……と、今は思っておくことにするよ。
そして、8月下旬の政略フェイズ。
長沙は厳顔が城壁の補修工事のみ。
桂陽は以下の通りとした。
僕、尹黙、張昭、灌嬰、秦松が町の整備。
顧雍が治水。
蔡邕、桓階、陳端、是儀、張紘、王儁、徐奕が開墾指導。
桂陽パラメータ
農業442(1000) 商業376(900) 堤防90 治安93
兵士数39282 城防御120(500)
資金590 兵糧5000
長沙パラメータ
農業985(1200) 商業1162(1500) 堤防100 治安100
兵士数44605(54605) 城防御410(600)
資金8140 兵糧25500
短期間でここまでの桂陽の復興は近隣に衝撃を与えたらしい。
というのも、武陵蛮や零陵蛮、桂陽蛮、山越族といった異民族達がこぞって「司護を迎え入れよう」と喧伝しているらしいんだ。
そのせいで曹寅や劉表、蔡瑁だけでなく「張羨も僕に警戒をし始めた」と尹黙が僕に話してきた。
交州の賈琮は特に気に留めていないらしいけど、今じゃあ逆賊扱いされているっぽいしなぁ……。
でも、今は近隣の太守の問題よりも大きな問題がある。
南昌を占拠されたら逃げ場が無くなる。
それが一番の問題だ。
陳平、上手くやって! お願いだから!
現在の家臣状況
長沙
蒋欽、周泰、厳顔、鞏志、陳平
周倉
桂陽
司護、尹黙、張昭、秦松、蔡邕、
徐奕、桓階、是儀、張任、鐘離昧
張紘、顧雍、王儁、陳端、灌嬰
計21名




