天才とのめぐり逢い (改稿一回目)
すごい奴きましたね。もう少しナゼグに場数踏ませてから戦わせるべきでしたかね?難しいですね。小説書くって。
あのナゼグが士官学校に、主席と戦わせてくれと連絡したらしい。当然士官学校の無能共は、相手にしなかったらしい。当然だ。ドルロイドに乗れないというだけで、ナゼグを除名する奴らだ。ははは。僕は久しぶりにいい気分だよ。ナゼグがドルロイドを動かすということの、本当の意味に気づけないような、無能共ばかり相手にするのに飽きていたところだ。ナゼグは誰よりも実戦経験はないが、常にドルロイドを動かす脳内シミュレートを誰よりもしていた。そんな奴がドルロイドを動かす。面白すぎるだろ。天才と言われ続けてきた僕が唯一恐れた男。ナゼグ。幸い僕は軍を抜け傭兵をやっている。傭兵なら好き勝手に動ける。今は依頼も受けていない。しかもお前の村が目と鼻の先だ。士官学校の主席なんかと、ナゼグを戦わせる必要性はない。最強と言われる僕が相手するよ。
ここの村か。あそこに見える真紅の機体か。旧式っぽいな。まあナゼグらしいな。旧式に乗るあたりがアイツらしい。普通なら新型を選ぶからな。俺は奴に通信を入れた。
「おい、ナゼグ、僕だ。アッシュだ。実戦経験を積みたいらしいじゃないか?僕が相手するよ。他の奴らは、ドルロイドの扱いをわかってないアホばかりだ。ナゼグ。そんなアホ共相手にしたって無駄だよ。やろうよ。僕と。これ、オープンチャンネルだから聞こえるだろ?」
「アッシュ?あの黒いドルロイドの奴が?なんで俺なんかの相手をする?」
アッシュ。存在は知っている。天才と言われた男。恐らく実戦経験を積むなら戦うべきだ。だが、だからこそ落ちこぼれの俺の相手をするほどバカじゃない。なにか裏があるのか?
「一。どう思う?アッシュは何を考えている?」
「ナゼグ。アッシュ、戦う、賛成。多分、アッシュ、ナゼグの価値、気づいている。士官学校、主席、ダメ。戦い無駄。アッシュ、すごい。アッシュ、強い。ナゼグの価値、気づいている。一。戦いたい。」
一がそういうんだ。よくわからんが戦うしかないだろうな。俺より数倍生きているんだ。歳寄りの意見は聞くもんだ。しかし、アッシュも一も俺に過剰な期待しすぎだろ。俺、そんなすごくないぞ。
「一。やるぞ。初陣でいきなりすごいやつだが。」
「ナゼグ。自分と一、信じる。それ、出来たら、勝てる。」
俺はオープンチャンネルでアッシュに答えた。
「どこでやる?」
「君の好きなところでいいよ?アドバンテージあげたいからね。初陣なんでしょ?どこを選ぶか楽しみだよ。」
うわあ。なんか俺に過剰すぎる期待しているよ。どうすんだよ。こいつアッシュかどうか、最初は疑ったが、今確信に変わった。こいつアッシュだよ。機体よく見たら傷がほとんどない。しかし、あちこち汚れだらけだ。つまり実戦経験が豊富ってことだ。つまりそれだけ強い。それはアッシュ以外ありえない。勝算あるのか?どこでやる?どこなら勝てる?どこだ?俺が熟知している場所。俺のフィールドだな。なら一つだな。
「村はずれに広場がある。そこでいいか?」
「へえ。君はそこで脳内シミュレートしていたんだね。なるほどね。僕は早く戦いたいから、村はずれなら近いし、構わないよ。」
アッシュがよくわからない返答をした。
「なんで脳内シミュレートしているのがわかるんだ?アッシュ。」
初対面でアッシュが俺をここまで見抜けるのはなぜだ?どういうことなんだ?
「それは君が筆記試験の成績が、士官学校でずば抜けていたからさ。僕は君の先輩だからね。僕もあそこの士官学校を出てる。あそこの士官学校の問題は、僕が卒業してからは、僕が作り続けている。君の答えは模範解答だよ。でもちゃんと君の考えも入っている。そんなやつが弱いわけないだろ?あんな解答するやつ、君以外いないよ?そんな単純な理由さ。
ナゼグ。僕は久々にいい気分なんだ。雑魚ばかりで退屈していたんだ。やろうよ。早く。そういう細かいこと、どうでもいいんだよ。僕は君に興味があるんだ。話し合いなら試合後にしようよ?僕は今全身の血が激っているんだよ。こんなの初めてさ。僕は今ワクワクが止まらない。だから早く試合しよ?」
俺の士官学校の問題は実践的だった。こいつが作っていたなら合点がいく。
「一。惨敗しても許せよ。」
「ナゼグ、負け、ナゼグだけのせいじゃない。二人のせい。」
「ありがとう。一。」
アッシュはいらいらしているようだった。これは早く試合したほうがよさそうだ。これ以上アッシュをイライラさせたら、戦えなくなる可能性がある。アッシュはせっかちで気分屋っぽい。怒って戦うことをやめたと言いかねない。それでは意味がない。チャンスを潰すことになる。俺たちの初陣は化物相手だ。だが負けても必ず糧となるはず。俺はそう確信した。
どちらもドルロイドを愛しすぎてますね。アホはアッシュお前だって作者としてツッコミました。どちらがドルロイド愛好家か、そこが勝負の分かれ目ですね。でもどっちも異常です。普通じゃありません。愛すべきアホ二人です。