抜け殻 (改稿二回目)
なんか熱苦しい展開になる予感しますね。前書きでこういうこと言っていいのかな?
この間のコックピット会議のあと機械化をした。俺の身体は特に変わったことはなかった。しかもまだコックピットで会議中だった。
「一、あのさ。具体的にどこ行けばいいんだ?旅ってのはわかるんだが、目標というか、そういうのは視野広げるでいいんだが、どうやって広げんだ?」
一は深く深くため息をついた。お前には呆れたという顔だ。
「ナゼグ。実戦経験、ある?」
「ある訳無いだろう?今までの俺はドルロイド動かせないんだぞ。」
今度は俺が呆れる番だった。今俺らは初めてケンカってヤツをしてるようだ。
「この世界で一番強い人、ナゼグ、戦えばいい。一も本気出す。」
空いた口がふさがらなかった。実戦経験ないのにそんな化物を相手にするのは、正気の沙汰ではない。
「いやあ。勝てないだろ。」
「実戦で勝てない、経験がない、全部、ナゼグ、言い訳。一のこと、信じてない。経験、負ける、必要。負ける経験ない奴いない。みんな、負けて強くなる。ナゼグ、逃げてるだけ。カッコ悪い。負ける、大事。」
本当に一は俺の核心、つくのうまいな。それじゃあやるしかないじゃないか。そうだよ。一。俺は逃げてたんだ。ドルロイドを動かせないから、戦争終わらせられないとか。全部逃げ。戦争を歌で終わらせようとする奴を、歌で人々を救うなんて、絵空ごとを言う奴だとか言いながら。馬鹿にして。
本当は俺はそいつが羨ましかっただけ。俺は結局逃げて逃げて。戦争を終わらせる?それだって生きる目的作るための建前。本当は多分戦争とかどうでもいいんだ。俺はただ生きていたいだけ。目的を持っていたら生きられるから。だったらもう俺は逃げてはいけない。退けない。後ろを振り向くな俺。前だけ見ろ。
「ナゼグ。やっぱり、強い。そういうこと、感じる、心、強い。」
「一、俺なにも話してないぞ。」
今俺しゃべってないよな?なんで考えてることがわかるんだ?
「ナゼグ。これ、機械化。ナゼグの考え、一読める。」
プライバシーがなさすぎだろ。やっぱり機械化しないほうが良かったな。
「ナゼグ、後悔、とかしない。そういった矢先、後悔。見苦しい。」
「そんな、いいじゃんかよ。人間ちょっとくらい後悔させてくれよ。」
一は腹を抱えて笑った。またドンドン操縦桿を叩き始めた。こいつ結構笑うな。
「冗談。一、案ある。言ってもいい?」
「どうぞ。俺にはさっぱり案ないからな。」
「まず、士官学校、主席倒す。」
すごい笑顔でとんでもないこと言ってんぞ。いや。まあ強いことは確かだが。
「ナゼグ、殴り込み。一頑張る。」
「ああ。なんかテロリストみたいな感じがするんだが。とりあえず、殴り込みはやばいから、演習でいいか?演習なら教官に言えばなんとかなるかも。」
一は少し残念そうな顔をしていた。
「演習、いい。場数、踏めれば。」
「よし。とりあえず。目的地は士官学校だな。」
殴り込みをしようって案を出すってことは、こいつもしかして戦闘狂なのか?なんか顔に似合わず大胆だな。
「ナゼグ。それ、一に失礼。」
一が心を機械化で読み、怒っている。
「ごめんなさい。」
俺は謝るしかないよな。この場合。戦闘狂がカンに触ったのか。面倒くさいな、機械化。とりあえず士官学校に行くしかないよな。
「一、初陣だ。」
「ナゼグ。一も頑張る。」
とりあえず士官学校の主席倒せるくらいにはならないとな。教官に連絡しないと。目標が出来た。それが俺には嬉しかった。生まれて初めて生きてる心地がした。生きてることに充実感を覚えた。抜け殻だったんだ。今までの俺はきっと。一に出会えてよかった。
「一も、ナゼグ、会えて、よかった。」
そう言う、一は子供のように目が輝いていた。俺も今こんな目をしているのだろうか。ふとそう思った。一に心を読まれることに、最初は抵抗を覚えたが、今はこのプライバシーのない関係もいいと思えた。
なんか一怖いな。俺はこういう女の子は願い下げですね。嫌いではないですが。一生尻にしかれそうで、私見ですが俺は嫌ですw