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中庭
技術不足ゆえ読み苦しい点も多々ありますが読んでいただけたら幸せです。
それは、ふしぎな光景だった。
九月のすこんとぬけた青空に、ピンク色の小さな塊がぽかんと浮かんでいる。かとおもうとそれは一瞬で砕け散って、次から次へと落ちはじめ、息をつくまもなくわたしたちはピンク色に埋もれた。
「なんだこれ」
すぐ近くで、あの人がつぶやくのが聞こえた。
驚きと戸惑いを含んだその響きに、わたしは何故だか安堵する。
「なんだろう」
口を開いた時にはもう、どこへともなくピンク色は消えさっていた。足下の地面はいつも通りのコンクリート色で、無数にあったはずのピンク色は破片すら、みつけられなかった