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クリスマスという名前は時として鋭利な刃物へと進化する

作者: 千藤 光

クリスマス……ねぇ………なんで昔はあんなに楽みだったんだろ………

大人になったからかな?………いや………そんなお話です。

12月24日………クリスマスイブ

子どもはサンタクロースからもらうプレゼントに胸を踊らせ、友人達はクリスマスイブという行事の名を借りて大騒ぎして楽しみ、恋人達は愛を育む。そんな素晴らしい日。


誰一人としてその日が嫌いな者はいない………ハズだった。




少年はケータイの画面を見ていた。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



気持ちは嬉しいけど、友達の関係を続けたいの。



友達じゃだめ?



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


今風のかわいい絵文字と一緒にかかれた文面。それは少年に対して失恋という悲しいメッセージを伝えるものであった。



「……………はぁ……………………」


彼は3日前の放課後、意中の相手に告白したのだった。


自分もかなりテンパっていたのだが、相手はなおさらだった。


返って来た返事は、考えさせて…………


そして次の日、このようなメールが来た。


彼は友達以上の関係になりたかったので、かなり凹んだ。


そしてクリスマスイブ………


ふつうの土曜日だったらここまで落胆はしなかったことだろう。


しかしクリスマスイブというふわふわとした毛皮をかぶった鋭利な刃物に彼の心は傷つけられる。


町はリア充共で溢れ返っているだろう。


しかし彼の落胆の原因はそんなちっぽけなことではない。


クリスマスイブだというのにこんな気持ちで独りきりでいるというただそれだけのことである。


振られた次の日が休みだったので、二人以外にこのことがどうなったか知っている者はいない。


しかし結果を知らせると大概の人間は小馬鹿にすると決まっているので誰にも会いたくなかった。


こんな状況を作ったのは明らかに自分である。


しかし気分はさらに鬱モードへ突入する。


彼は今までのクリスマスイブを振り返ってみた。


(なんで昔はあんなに楽しみだったんだろ……………)


独りぼーっと机の上に広がっている漢文の問題集を眺め考える。


クリスマスイブ………それが必ずしも楽しい行事であるとは限らない。

事実のまんま今年の俺のボッチマスでした。

クリスマスだからって浮かれているやつだけではないよってことを伝えたかっただけです。

プレゼントは一応買いましたが、一週間前のことで実感が薄れてたりします。

まあ、あんな日に告った自分も悪いんだけどね。

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