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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第4章
89/151

崩れる音その3

エラーのせいですべて消えて...流石に挫折ものです(-_-;)

話の内容を全部変えてしまったという←


では、どうぞ


フゥ君に抱えられどんどん上昇していく

間違っても見られるわけにはいかないので、一度上まで行ってそこから離塔へ向かう作戦



勿論風の抵抗は受けることは無い

無風で空の旅



竜に乗って移動するのも気持ちがいいけど、これはこれで息苦しさもなく気に入っている



≪あの男が言っていた願いを叶えてやるのか?≫


「うん...ちょっと気になることもあるしね」



ノーアと呼ばれたあの猫は、少しばかり厄介な存在だ

魔女である以上あの猫をこの世界に留めては置けない



まるで空気の様な存在だ

そこにあるようで、無い



世界の理を歪ませるような者をいつまでも野放しにしていたら、全く関係のない人が苦しむかもしれない


未然に防ぐ意味でも早々に動かなきゃいけない

というか、既にこの国がおかしくなった原因の中心に居るようなものだから排除の理由にはなるんだけど



そこまで考えていて、突然フゥ君がさっきより早いスピードで上昇し始めた

やはり風の抵抗はないものの景色が早く流れている



既に雲の上まで到達している

なにかあったとしか考えられない、ただ私は何も変化は感じない



(猫になると鈍るのか、それともこの国の空気に私自身が拒絶しているからか)


またも忌まわしい記憶が蘇ってきた

この王宮に潜入してからというもの、随分と思い返す



それだけあの時と同じような気配を感じるからなんだろうけど...



≪ごめん、なんか凄い勢いで誰かが近づいてくる...というか内側に入られた≫



次の瞬間

思いっきりフゥ君が下降し始めた



内臓が持ち上げられるような強い浮遊感

フゥ君の琥珀色の目が困惑の色を映していた



内側に入られた

それは想定外のことだ



フゥ君は私を抱えて飛ぶとき一定の距離に風を発生させる。フゥ君を中心に風が渦を巻いている状態だ



それはかなりの広範囲で、遠距離からの攻撃は勿論決して近距離で攻撃を受けないためのもの



だけどそんな風の膜を一度でも通り抜ければ、阻むものはなくなってしまう。今まで風を突き破った者がいないから少なからずフゥ君は驚いているのだろう



(この子の風の膜を突破するなんて...何をしたのよ)



何はともあれこれは緊急事態だ

その、何者かが内側に入った以上ここへ来るのも時間の問題だ



広範囲に風を広げていたことが不幸中の幸いといったところだろうか

風の吹かない空間も、それなりに広い


どうする....と、一つの案が浮かんだ

見渡す限りの雲



これを使わない手は無い

そうと決まれば早めの行動が肝心


「フレイン、今直ぐ風を身に纏え」


≪えっ?≫


四本の足を突っぱねてフゥ君から離れた

急な展開に驚いてこちらを見ているけれど、構っている暇はない



私は出来る限りの声で叫んだ

ただし、一か八かの賭けだけど...



「我の声が届くのであれば一時御身の力で雨を降らせ、我等を護ってくれ――――水龍殿!!」



次の瞬間

ズザーーーという音が聞こえるほどの強い雨が降り出した



激しい雨は、やりのような勢いで下へと降り注ぐ

横殴りの雨は私にも影響を与えた


しかし濡れるだけで済んだのだけれど...



本来この雨をまともに食らえば体に穴が開くだろう

大げさかもしれないけれど、少なからず殺傷能力はある



雲の近くにいるせいではあるが...きっとここではこれほど強い雨だけれど、下に行くにつれてその勢いは収まりただの雨となるだろう



少し下にいるフゥ君を見つける。突然とはいえしっかり自分を護っていたからか、なんともない様子



重力に身を任せそのままフゥ君が居るところまで落ちる

勿論、しっかりきゃっちしてくれました



ピシャン

≪主が我に助けを求めるなど...この老いぼれでも役に立ったな≫



私たちの目の前

雲の間から大蛇の様な姿の大きな龍がこちらを見ていた



鋭い眼差し

頑丈な鉤爪

鋭利な歯

逞しい胴体



言葉で表せば、恐怖しかわかないだろう

そして実際目の当たりにしてもきっとその存在に恐怖するだろう



しかし...

そんな恐怖の姿だが、見るもの全てを引き付ける程の凛々しさと優雅さと覇気がある



水のように冷ややかで温かい

――――――水龍、そう呼ばれる私の数少ない古い友人



パシャン

≪主の望み通りここら一帯に雨を降らせた。周囲に我等以外の気配はない、心配ない≫



彼が口を開くたびどこかで水が滴る音がする

透明感ある、水色の胴体は時折尾ひれの方で水を弾いている



「久々の再会でこのように呼びつけてしまって申し訳ない。それにしても老いぼれとは...ご謙遜を。だがしかし助かった」



パシャ...ピシャン

≪随分愛らしい恰好になったものだな、百年も経てば趣味もかわるか≫



「今でもそんな趣味は断じてない。不可抗力だ」


鼻で笑った様子の水龍...小馬鹿にされているのが分かる

思わず反論すれば後ろからフゥ君に話しかけられる



≪この精霊、もしかして五大精霊?≫


同じ精霊なんだから疑問を抱いちゃいけないよ

まあ初対面だししょうがない...か



「初めてだね。そう、ガルベロと同じ精霊王が作り出した水の精霊シュディル。一般に水龍と呼ばれているんだよ...ほら、森に住んでいた時よく私のところに来ていた女の子がいたでしょ?あの精霊は、この水龍さんの眷属なんだよ」



水龍さんは、名前で呼ばれることを酷く嫌う

名前で呼ぶことを許しているのは精霊王と魔女のみ。自分の上と思ったものにしか名を呼ばせない...けれど私はあえて友人という意味で水龍さんと呼ぶ



今じゃ人間ですら、水龍さんの存在を知らない者の方が多い

だから水龍さんという呼び名も私だけが言っているようなもの....



ピシャ...パシャン

≪主が作り出した精霊か...我はシュディル。お前さんまだ若いが我等と同等の力を感じる、我は異質の精霊を歓迎しようぞ≫



≪よろしく、フレインだ≫


何故かむすっとした表情のフゥ君

何が気に入らなかったのかな....確かに上から目線だったかもしれないけれど



「どうしたのフゥ君」


パシャン

≪はっはっ!では、用も済んだことだし我はこれで失礼する。時の魔女よ、次はゆっくりと話をしたいな。それと気に入ったぞ――――フゥ君。双方ともまた会おうぞ≫



そう言い残し水龍さんは雲の中へ消えてしまった

正直、出てきてくれるとは思っていなかったから...一か八かにかけてよかった



それにしても...

フゥ君を見上げれば呆然としていた


(随分と気に入られたようね)


水龍さんが言い残していった最後の一言

思い出して笑ってしまう


「ふふ、気に入られたみたいでよかったね。フゥ君」




そう言えばフゥ君は顔を真っ赤にさせて怒った

≪お、俺はフレインだ!!≫



えー、似合うと思うんだけどな...フゥ君

展開が早いと感じてしまった方、申し訳ありません。

描写が少なかったかな...


特に戦闘描写、まあそこまで戦闘してないけど←



龍と竜に関しては東洋と西洋の違いだと思ってください。

今回の水龍さんは、中国の四神東龍がイメージで、竜騎士の竜は別名ドラゴン的な見方です。


一応第一章の序盤の伏線を少し回収できたかな...

お粗末な文でしたが、ここまで読んでくださってありがとうございました。

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