世界の均衡
12月27日~30日のいづれかの日
節を纏めたいと思います。
...その1、その2などとなっている節を一纏めにすると云う事です。
何故か?
このままでは節が100を超える、絶対←
今まで一節(携帯だと)2ページほどでしたが、一括りしますと7ページ~12ページになる模様です。
お気に入り登録をしてくださっている皆様
感謝の言葉と共に、しおり機能をお使いの方にはご迷惑をおかけします
では、どうぞ
どんどん遠のく塔
魔女の呪いである結界は、入ることは困難でも出ることは容易い
衛兵の顔振りも昨夜見た人たちと少し違うことから、交代したんだろうと予測した
「で、どうすんだ結局」
頭上から降ってくるフゥ君の声
フゥ君も普段の陽気な声ではなく少し真剣
「―――状況次第よ...確かにジル殿下の願いは叶えてあげたいわ。数少ない願を持った願いだもの。それにいくら私が中央の魔女だったとしてもこの世界全体を本質的な意味で支えているのだって私よ、何の罪もない人間が馬鹿を見るような国になるのは阻止したい。だから今回の件、私が表だって動いても許される状況なの」
そう言って一度区切る
今この世界を支えているのは私と精霊王
更に私が特に力を込めて作り上げた2人の精霊と精霊王の眷属5人
そのうちの一人は私をその腕で抱き風を操るフゥ君
フゥ君は私が作り出した精霊第一号だからその魔力の量も計り知れない
流石に精霊王には力及ばない
精霊王と私の魔力は全く違うのだから
相反する力...って感じ
簡単に言うとね
後はあの森で出会った精霊
地の精霊ガルベロ
彼は精霊王の作り出した側近的な意味合いも持つ5人の精霊の一人
ガルベロは名の通り地を支える
大地の恵み、成長を支えている
アネッサ姉さまは大地の魔女だけれど、それは包み込む優しさと生命を生み出す支えを主としている
この点でも私達魔女と精霊王側の力の違いが見て取れるでしょ
そしてフゥ君
こいつはある意味特異体質
精霊なのに私によって生み出された精霊だからか
精霊王を絶対的な王としていても力の質はやっぱり異なる
フゥ君は気脈を操る
つまりは天変地異を起こす
風で嵐を呼ぶこともあれば
日照りを起こすこともできる
命の管理をしているといっても過言ではない
精霊王の力は未だ私にも把握できていない
と、いうか会ったのだってたったの2回...だったと思う
そのまま精霊の王なのだけれど
なんせ姿形は人間そっくり
―――だった記憶がある、曖昧なのはしょうがない!
要約すると
この世界を担っている私は、今は半分幻の存在だけれど国がどうにかなる状況ならば出ていっても全然可笑しくはないということ
ただし...
「でも、今回ここに長居は出来ないわ。それに一番の問題は、魔法が使えないことよ!色彩と少しの骨格なら変えられても動物になんてなれないわよ」
そう、あくまで視察目的だ
陛下だって置きっぱなしにしている
さっき塔で言われたときは少々驚いて考えなかったけど、よくよく思い出せば私は魔法が使えない
つまり猫になんてなれない
フゥ君を見上げる
「―――無力な魔女なのよ、今は」
そうフゥ君に言えば、フゥ君は何か思いつめるような憂を帯びた目をした
が、次の瞬間には何かにひらめいたような表情
何を言い出すつもりだこいつ
「だったらさーアイツに頼んでみたら?」
フゥ君が私を支える方と反対の空いた手で下を指差した
指を目で追う
「アイツって......!?」
下を見て吃驚
(ロードさんが、どうしてこんなところに?)
まだ宿には距離がある
全く見覚えのない店から出てきたロードさんを偶然私達は上から見つけてしまったようだ
フゥ君もフゥ君だ
上手く気配を消しているロードさんを見つけるなんて...
見れば意味深な笑みをフゥ君は浮かべていた
褒めて欲しいのかこいつは
「こんな時間まで...なんであんな場所にいたのかしら」
瞬時にロードさんは転移魔法で消えてしまった
多分、宿に戻ったのだろう
(―――私と同じで抜け出したのね)
ロードさんは中々食えない人物だけれど
不可解な行動には注意すべきね
上空で私は細く笑う
面白い展開になってきた
「そうね、彼を使えば万事丸く収まるわ」
「だろ?」
お互い考えていることは同じ
フゥ君も私も、ジル殿下の願いは叶えてあげたかった
フゥ君は謎の解明
私はジル殿下の意思と国の為
「じゃ、一気に飛ばすからしっかり掴まってて」
不意にふわっと浮く感覚
言葉通り私はフゥ君にしっかり掴まる
一瞬の浮遊感
思わず目を閉じてしまった
耳元で唸る音が聞こえる
風は感じない
フゥ君が風の流れを変えているからだろう
数秒の後、ピタリと音が止んだ
フゥ君が笑いながら着いたと教えてくれた
「.....本当に飛ばしたね」
転移魔法も使わずこんなに早く着いてしまった
私の精霊ではあるが、少々魔力を与えすぎたかな?
「ほら、あとは上手くやれよ。すぐにでも駆け付けられるよう上にいるから」
そう言って私を宿の窓を開け中に入れた
去り際の一言は頼もしい限り
「ん、頼んだよ」
私が手を挙げた瞬間
風が返事をするかのように唸りフゥ君は消えた
窓を閉め、ベッドに倒れこむ
睡眠はそんなに必要ではないから問題はない
と、先程の計画を思い出し思わず笑ってしまう
誰もいないんだからこのくらい許せ
(あーあ、飽きないな)
目を瞑る
これからロードさんに提案する内容をもう一度心の中で復唱した
内容はこうだ
―――――――私を猫にしてください(はぁと)....と、ね!
と、いうことで付箋ばっか!!
一応どっかで出した、ロードさんがなんでミアンが抜け出したことに気が付かなかったのかの件は、既にロードさんも抜け出していたからということで!←
(はぁと)の文字は、これを絵文字にするのは嫌でしたのでこのように表現しました
は・あ・と...でもよかったかな(ニヤリ)
それとミアンが作り出した、特に魔力を与えた精霊
特一級精霊はフゥ君のほかにもう一人います
おいおい出てくるでしょう(たぶん)
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました