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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第4章
72/151

朝日と共に

皆さん

本日は、皆既月食ですね。


しかも天候は良好、12回に1度の確率で起こる満月の皆既月食です


さて、そんな皆既月食

見頃は月が地球の影の中に全て入るであろう23時前後


神秘的な瞬間に立ち会いたいものです



暫しの沈黙

当たり前だ、忘れた方は思い出してほしい



私はこの北国に何をしに訪れたのでしょーか

ええ、北国にいる魔女の存在の確認やその他諸々


お仕事です

横文字で言いましょうか


ビジネスですよビジネス



「――――猫、ですか?」



目の前にいるジル殿下を凝視

ともすれば、そりゃあもう素敵な笑顔で


「その通りに御座います」




いやいや、笑顔で言う台詞じゃないよね


≪よもや猫とは...中々に面白いではないか≫



余計なことを言わないでほしいアネッサ姉さま

彼女は知らないだろうが私は今別件が立て込んでいる状況



要するに"二重スパイ"になる


第一に、北国に無許可無断で入国し、我々が欲しいと望んでいる情報を持ち帰ること


第二に、幽閉された第一皇太子殿下の願いである女性の成りすまし



帝国と消え去る寸前の殿下の願い

ごちゃごちゃし過ぎだろう、これは




(しかも、多分この調子だと私がロードさんと共にいることをアネッサ姉さまでさえ知らない。)



チラリと横目でアネッサ姉さまを見る

私の視線に気づきはしたものの我干渉せずを今回は貫くらしい


―――私を呼んだんだから最後まで面倒みてよね




「あの、何か問題が御座いますでしょうか」


≪末の子よ、こやつの強い願いを叶えぬとでも?主は魔女ぞ、万物の母ぞ≫


二人が追い打ちをかけるかのように言う

問題?ありまくりですとも



帝国、もといい中央国国王陛下の直属部隊

側近の騎士ですが、私



今のところ私が魔女だとばらした人間第一号ですよジル殿下

ご存じではないでしょうが




そして、アネッサ姉さま

確かに魔女は万物の母ですよ



だからって

(300年前の事件を私は忘れていない)



「アネッサ姉さま、ジル殿下。―――少しだけ時間を頂けますか」


出した答えはこれしかなかった

時間も時間だ



何の説明もなしに私はあの宿から出てきてしまった

ロードさんを残してきている以上下手なマネもできない



「時間って何時間くらい?」



フゥ君がそう言って首をかしげる

可愛い仕草じゃないの、まったく



ま、面倒なところでちゃちゃ入れてくれたけどさ


「とりあえず一度宿に帰らなきゃいけないでしょ?」



私がそう言えばアネッサ姉さまとジル殿下は納得したようだった

丁度日も出てきた


もうすぐロードさんも起きるだろうし...



「では、一度帰ります。様子を見てまた来るわ」



立ち上がり窓まで歩み寄る

フゥ君も腰を上げたようだ



「....申し訳ありません、ご足労痛み入ります。」



私が窓に足をかけると不意に後ろから消えるような声音が聞こえてきた

それは紛れもなくジル殿下の声



きっと頭を下げてくれているのだろう

そんな気配だった


無言でフゥ君の差し出した手を握る

そして一言




「――――しばしお待ち、エンブレスの次期王。お前の願い...私に届いたのだ。如何様いかようにするかそれまでは魔女の御霊の元、ゆっくりしてろ」




「そ、魔女に会えたからって下手な行動するなよー」




私達の台詞にアネッサ姉さまが小さく笑ったような気がした




≪気を付けるのよ≫



最後に聞いたアネッサ姉さまの声

300年前と同じような、温かい言葉だった



「―――ええ」



その言葉と共に私とフゥ君は地のないくうへと身を投げた




うーん、しまりが悪い

やっぱりテレビを見ながらの投稿はアカンですね


さて、皆既月食を見に行きますか...



余談ですが.....

二重スパイの件、ツイッターで読了と感想をいつも下さるある方の呟きを参考に致しました。ありがたいです(涙)



それでは、ここまでよんでくださってありがとうございました



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