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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第4章
66/151

時を経て

3日も更新していませんでした

申し訳ないです


お待たせいたしました

それでは、どうぞ



青年から視線を外しその声のする方へ視線を向ける

視界に捕えるまでの僅か数秒



私には数時間にも数年にも長く感じた



(ばっかだなぁ、なんでそんなに貴女は優しい)



音もなく

フゥ君は無言でその場に傅いた



精霊の本能がそうさせたのだ



「――――300年、姿が見えず心配していたんですよ...アネッサ姉さま」




私は声と共にその胸に飛び込む

呼応するかのように私を優しく抱き留めてくれる



リーナ姉さんの御霊を見たとき

ああ、もう眠ってしまったのか...と声にならない叫びを上げた



目の当たりにした現実にどうしようもない感情が私を支配した



そしてすぐ後のことだ

北に魔女が居ると聞いて憤りさえ覚えた



魔女を愚弄するな

魔女を名乗るな

私の同胞(家族)ではない―――と




しかしどうだろう

偶然が重なったとはいえ、ここにたどり着いた



私を抱きしめてくれる彼女に出会えた

わかっている、私はいつだって冷静に対処できる



抱きしめている存在が肉体を持っていないことも、アネッサ姉さまの御霊がそこにあることも



――――貴女が彼女の魔法で唯一形となって現世に残った残滓ざんしという名の意志だということも




それでも嬉しいのだ

長い時を生き、私を私とみてくれる存在が居ると云う事に



分かるだろうか

この誰にも言えない寂しさを


孤独を

静寂を

虚無を...




魔女の中でも一番年長で、私達を我が子のように面倒を見てくれたり、時には姉妹の長女として遊んでくれたり、魔女の歴を多く積んでいるからと率先して動いてくれた


まるですべてを包み込む大地のような魔女

その力が記す通り彼女は特に自然を司る魔女だった



だから別名が大地の魔女になった

優しい眼差しでどこまでも強かに見守ってくれる大地だと




≪お待ちしておりましたよ―――時の魔女≫



そっと私を引き離し

交わる視線



ながく貴女を待たせたようだ。大地の魔女」



貴女にこんな物言いをする日が来るとは思いもしなかった

口調が悪いと散々言われてきたのに



目上の者に対して礼儀が無いと怒られたこともあったのに



――――あなたはもう存在しないから、必然的に私は貴女より立場が上がってしまう


視界が歪む

ユラユラと水面が瞳に映るように



それは、涙...だろうか



どうでもいいか

私は流す代わりに口角を上げ微笑んだ



魔女としての威厳を保つための体裁だ

うまく、笑えているだろうか



≪貴女様の息災を、心よりお喜び申し上げます≫



そういって彼女は私の前で一礼した

月下の光に照らされて尚艶やかに輝く漆黒の髪



「大地の魔女よ、残滓を残してまで望んだ願いを述べよ」




すっと顔が上がり

光に照らされ炯々(けいけい)と輝く黒銀の瞳が優しく私を見つめた




≪この国をあるべき姿へ導いて欲しい≫



切望する声

それは...と、視線を今一度青年へと向けた



今起きている状況について来れないようで、一点を見つめ静止している



(非現実的とはいえ、これはこれでしょうがない)



青年の可愛らしい姿に緊張が解ける

そこでわかった



(私は彼女を目の前に緊張していた?)



≪この国は豊だった。私が御霊となった現在まで。しかし、今この国を支配しているのは恐怖と力だ。私の望んだときではない!――――だからこそ、時を司る貴女の力が必要だった≫




全てはつながる

彼女を尻目に私はこの場に居合わせた青年に運命なるものを感じた



「願であると認知した。――――詳しくお聞かせ下さい、ジル殿下」



緊迫、張りつめた空気を破るように

言葉を崩す




「――――――え?」



暫くして聞こえた青年の一声は後世にまで語り継がれる程気の抜けた声だった





感動のシーンになったでしょうか

毎回小難しい漢字ばかりですいません



累計PVが100万突破!

嬉しい限りです、今後も月詠をよろしくお願いいたします



ツイッターの方も

どしどし検索してくださいね←


ここまで読んでくださってありがとうございました

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