呼ぶ声
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余談でした
それでは、どうぞ!
「まさか....」
第一声がソレですか
困惑の表情を浮かばせ必死に言葉を紡いだ青年
「自己紹介をお願いできますか?」
青年から離れフゥ君の隣に立つ
私が立つ事によって青年は必然的に私を見上げる形になる
(どっかの国の王様より可愛げがあるわー)
と、ひっそり我が国の陛下とこの青年を見比べてしまった
アレン陛下は金髪蒼眼
それでいて才気煥発...この場合は才学非凡ともいうけれど
なにより美形!
魔力も底知れぬ感じだから、ある意味で強敵
有無を言わせないその蒼眼は深く冷たい
冷徹といえばそうかもしれないけれど、実際瞳の奥には燃えるような意思を灯している
それに比べて目の前の青年
赤褐色のとモスグリーンの色彩はどこか温かみを帯びている
陛下が力で制圧するのならば、青年はその許容で同情という制圧をかけるのだろう
「お初に御目文字仕ります、我が名はジル・ヴィゾーネ・エンブレス。王位継承第一の位にあり次期エンブレス国を担う者。貴女様を純血種魔女、時の魔女様とお見受けいたしました。貴女様の御尊顔を拝謁する栄誉に浴びしましたる事、身に余る光栄に御座います」
(これまた丁寧な挨拶をしてくれる)
本来ならば許可なく私の顔を拝むことは許されない
でも、こんな風に丁寧に返されてまで体裁を繕おうとも思わない
うまく言葉を操っているわ
ただ若く聡明なわけではないのね
王族として、次期国王としての教養もしっかり備わっている
私を一目見て時の魔女なんて古風な言い方をしてくるところも、きちんと学んでいる証拠だ
「時の魔女、今は...そうね、ミア、とでも呼んで頂戴」
そんな名前は昔とっくに捨て置いた
今更その名前は必要ないわ
「ちょ、そんなんでいいのかよ」
すかさず横入れをし私を止める
確かに魔女が愛称同然の省略形式の名を誰かに呼ばせるなんて、一歩間違えば軽く見られなめられるかもしれない
(だーけどさぁ)
「そんなにかたっ苦しくやらなくてもいいじゃない?相手は王族、しかも王位継承権を受けた正式な次期国王、私は魔女。つり合いは取れてるわ」
それに...
「それに、この件が終わればもう二度と彼の前に現れることは無い、こんなに丁寧に廃れていたはずの挨拶をしてくれた。それで十分よ、神殿に祭られるとかそんなんじゃないわ、だから呼び方なんてどうでもいいの」
そう言って腑に落ちない表情をするフゥ君を宥める
順応力が早かったのは青年の方
しっかりと私と視線を交わらせた
「ならばミア様、と御呼びいたしてよろしいでしょうか」
様、なんて今更がらじゃないけど悪い気分ではないわ
許可した、と無言で私は頷いた
「さあ立って。対等にお話ししましょう?ジル殿下。貴方にはその権利がある」
「――権利、ですか?」
青年は不思議そうな顔をした
そう、君には私と対等に話せる権利があるわ
一つは己の持つ魔力
一つは教養と知識
一つは純粋な願
もうひとつは――――
「貴方はこの場所に何の障害もなく入れた。それが貴方の権利」
多分この部屋のどこかに魔女の御霊が存在する
無条件で侵入を許すなんてそんな無防備なことを魔女はしない
つまり何らかの形によって魔女はこの青年をこの場に入れたことになる
故意的に....
さっき外で呪いに触れたとき、無理にこじ開けられた形跡はなかった
「貴方がなぜこの場に入れたのか、ねえ....なぜ?」
青年はゆっくり立ち上がる
私の気迫に押され表情を歪ませる
青年と私の距離は足3つ分
つまり三歩で青年との距離はゼロになる
ゆっくり一歩目を踏み出す
そしてもう一歩
逃げたいのだろうか
しかし引き下がることは私に対する侮辱とみなされる
律儀な青年はそれを知っているから動かない
その姿勢に微笑ましく思った
私の手が青年の頬に触れようとした瞬間
≪あまり遊ぶでない、末の子よ≫
耳朶に優しく響く
300年の月日が流れ漸く聞けた、同胞の声がした
じれったいじれったい
早くどんどこ進みたいんですけどね(-_-;)
ジル殿下が驚く描写を書くと長くなるので割愛しました(大切な部分なのにね)
ここまで読んでくださってありがとうございました
追記
しつこいようですが、活動報告にもツイッターの件載せましたので一読御願い致します