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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第4章
60/151

呼び寄せる声

口を塞がれたので目線で訴える

何をするんだこの精霊は



「しー...静かにしててみ。俺、この"声"が気になってババアのところに来たんだよ」





ババアの点にものすごく引っかかりを覚えたけど

それは後で説教だ




私の口を塞ぐ大きな手

もうそろそろこいつも200歳だ


つがいでも見つけて隠居しろ




シンッと静かな室内

静寂の中、聞こえるのは私の息遣いだけ―――――≪....だ≫



だと思ったら確かに聞こえた

ほんの一瞬だから聞き間違いかと思った



≪お...がい...≫


呟く様な声

細い声によく耳を凝らして聞き取らなければいけない



フゥ君の手を退け、起き上る

距離が遠すぎて聞こえないじゃないの


「確かに何か呟くような声が聞こえた...で?なんて言ってるの?」



今の状況では聞こえない

フゥ君なら風の精霊


風を頼りに音も拾えるはず

フゥ君は一瞬苦い顔をして


「"お願いだ、お願いだ"ずっとこのフレーズだけ言っている」




どういうことかしら

私達にまで聞こえるくらい念じるなんて相当な願いなのかしら



本来

精霊や魔女は人とは違う


人に使役されなければ力を使えない低級の精霊

ある程度力は使えるが使役されることでさらに強くなる中級の精霊


中級の精霊は王宮の精霊士なんかが使役している


そして、単体でも十分に強い精霊を上級の精霊としている

このレベルだと並みの精霊士では使役できない



しようものなら最悪、その精霊に殺されてしまう



精霊は人間の欲、願、精神の叫びが聞こえる

それは私達魔女も同じ



気まぐれで願いを叶えてあげることもするし、何もしないことだってある



つまりは気分次第



中級の精霊はその人間の声を聞き人間の元へ行き使役してもらうことで願いを叶える


等価交換だ

自分に魔力をよこす代わりに精霊はその人間の願いを忠実に叶える



大抵がそんなもの


しかし、稀に要る

私達魔女や上級の精霊にのみ聞こえる声


その声は普通の願いだけでは届かない

人より何倍も強い願いのみが私たちに聞こえる



要約するとこうだ

低級はもちろんのこと、中級の精霊でもこの声の願いは叶えられないということ



だから聞こえない

だから誰もその声の願いを叶えられない



だって私達以外聞こえないのだから



フゥ君はその「お願い」の声が四六時中聞こえたのだろう

だから私の元へ来た



未だにその声の願いと聞き届けられた精霊は現れていないのね



(私も、普段の姿なら聞こえていたかもしれないけど...なんせ今は人間の姿をしている。フゥ君が来なければ私もわからなかったわ)



「私達にしか聞こえないなんて、すごい念ね。どんな願いなのかしら」




立ち上がり窓へと近づく

外はすっかり暗くなり月が煌々と輝いている


ガラスに映る私の姿

後ろには確かにフゥ君の存在を確認できるのに、目の前にあるガラスにフゥ君は映らない



それは精霊だから

実体のある幻影...とでも言うのだろうか



「ちょっと気になってる?」


フゥ君が後ろから甘える様に抱きつく

いくらババアと私を冗談とはいえ罵る彼でも、彼にとって結局私という存在は母のようなもの



精霊は外見は一定のラインまで人間と同じ成長を遂げる

そして自身の魔力が一番高い時期にその成長は止まる


こいつは私の魔力を色濃く受け継いだ精霊

魔力と精神がうまく均衡を保てていない



もう少し、精神が大人になるまで時間がかかるだろう



「それはもう...上質な魂だわ、きっと。とても気になる」



背後にいるフゥ君が小さく笑った気がした



はい、ということでワ〇ピースを見た後の更新

この作品を読んでくださっている方の中でどれくらいの人がワン〇ースを見ているのでしょうか...


そういえば、フゥ君の絡み、結構夜が多いですよね

まあ日中はいろんな人がミアンちゃんの傍にいるので出てこれないだけなのでしょうが....



ここまで読んでくださってありがとうございました

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