夫婦その2
あの後手を繋ぎながら宿である場所まで向かった
なんの羞恥プレイかと思いながら.....ね
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「いらっしゃい、何日のご利用だい?」
モダンな外観の中に入ればこれまた優しそうなおばあさんが私達を出迎えてくれた
「今夜泊まれればそれで構いません」
そんなロードさんのそっけない一言に残念そうに肩を落とすおばあさん
しょうがない、私たちはあくまで視察
魔女を見つけ本物かどうかを見定めること
私達に長居は無用
それ以前に、私は陛下の護衛
ロードさんは魔女探しと外交、国の纏め役として仕事が沢山
「そうかいそうかい。2モルだよ」
中々安い値段だね
私とロードさんはいい宿を見つけたと二人で笑いあった
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「では、明日の早朝ですね。夕食は先程取りましたが足りないようでしたら宿の料理長が作ってくれるそうです。ただし別料金とのことです。一応、お金を渡しておきますか?」
扉の前で立ち止まり説明してくれるロードさん
流石に夫婦といってもまだまだハニーが照れ屋さんなので―――なんてロードさんが言ったので部屋は別々になった
「夜這いは他のお客様の迷惑にならないようにねぇ」
なんて余計な一言をおばあさんが言った気がしたがそこは大人の対応で....ね
(そもそも迷惑ってなんだよ迷惑って!過去にあった口ぶりじゃないの)
「と、いうかランウェイ様は私が大食いとか思っているですか」
明らか自分はお腹がいっぱいなので必要ありませんがあなたは必要ではないのですか....的な流れで私に聞いてきたよね
目が据わった状態でロードさんを見れば
「あれ、間違っていましたか?」
あの嫌な笑みで見返してくださいました
なんだ、さっきまでの慈愛に満ちた優しい眼差しはどこへいった
「必要ありませんよ。それでは、また明日...ですね。ランウェイ様程の紳士的な男性が女性を待たすとは思いませんが遅れないようにして下さいね――――それでは」
嫌味で返すとロードさんの眉が上に少し上がった気がした
そうそう、元はこんな感じだったのよね私達
「この娘―――」
と、なんか怒りそうなので無理矢理会話を終了させて自分の部屋へと入った
外からガタンやらガシャンなんて音が聞こえたけどそれはスルーします
近くにあったベッドに身を投げて考える
ロードさんは一見優しそうで冷静だけど案外気性が荒いのかもしれない
クスリと笑ってそのまま枕に顔をうずめる
何分そうしていただろうか
不意に耳元でシュッと風が割れるような音がした
「随分疲れてるじゃんか」
さらりと誰かに髪を撫でられる
本当に神出鬼没だ、こいつは
「――――」
そのままの体制で言葉を発するも枕によって音が消されモゴモゴと言葉にならない
「俺は精霊だからな」
しかしその言葉をくみ取って返事をしてくれる
風の精霊、フゥ君が....
「この国に魔女が居るらしいわよ」
寝返りをうつようにフゥ君の方を向く
呆れたような表情をされた
(ま、この世界に純潔なる魔女が居るのは一人だけだと精霊たちは知っているから当然の反応だわね)
「また、変なのに首突っ込んでんのかよ」
「またってなによ、またって」
抗議の声を上げれば、その口をフゥ君の手によって塞がれた
とりあえず、中途半端ですかここまで