入国その2
大変お待たせいたしました。
予約更新していたのにもかかわらず、PCが不具合だったため、更新できていませんでした。
4話分、せっかく書いたのに!!
ではどうぞ
「っちょ、ランウェ―――「ダーリンと御呼びしてくださいと言っているでしょう....ハニー」」
(拷問か、これは。それともあれか?鬼畜プレイか!!)
入国をした途端、ロードさんは目に見えて私に甘くなった。
それはもうゲロ甘で....
暫く歩いていると街が見えてきた
御世辞にも活気溢れる街並みとは言い難い
中央の帝国がどれだけ栄えていて豊で平和なのかを思い知らされる
と、周囲を気にしすぎていたのか石に躓いてしまう
すると....
「足元が危険ですね。私が抱きかかえましょう」
そう言って私に微笑みかけながらそっと手を差し伸べてきたり―――
「御嬢さんこれから暇か?」
なんていかにもガラの悪い連中が私に声をかけてきた
隣に連れが、しかも男が居るのに話しかけるのはマナーに反する行為。それは誰だって知っていることだしそれ以前に男連れの女がこれから暇なわけがないだろって...
そんなことを思っていたら
強い力で肩を掴まれグッと抱き寄せられた
「私のハニーに何の用ですか野蛮人。お前の様な野蛮な人間は私のハニーに声をかけることはおろか、目に入れることも罪だというのに...その汚い目にハニーを映した罪、そうですね。目玉でも抉り取って差し上げましょうか。本当に」
(とりあえずどこに突っ込みを入れるべきか!肩か?ハニーか?毒舌か!?)
抱きしめられている、と言ってしまえば少し語弊があるかもしれないが今はそれが一番しっくりくる言葉なのだと思う
私の背中を通じて人の温かさや心音が伝わってくる
ロードさんの言葉に連中は一瞬たじろぐも、凄みの効かせた目でこちらを睨んできた
予想できた展開...だろうね
案の定男たちはロードさんに対して怒っている
治安が悪いって話は本当のようで...
さっきも違う奴らがちゃんばらをしていた
最も、木の棒なんて可愛らしい武器ではなく殺傷のための真剣であったが。
「嗚呼理性の欠片もない顔で...ハニー。あんな奴らを見てはいけませんよ、時間がありませんから先を急ぎましょう」
そう言って私の肩を抱いたまま男たちを放って歩き出す
無論、そんな簡単にいくわけもなく―――
「ひょろっひょろの若僧が言ってくれるじゃねーの。」
男の一人が馬鹿にするような口調を私達に浴びせる
ロードさんの首筋には鈍く光る剣が切り裂く寸前で止まっていた
それは男のいる後ろから伸びている
(挑発するようなことばかり言うからいけないのよ。人を馬鹿にしたようにハニーなんて呼ぶんだもの、少しくらい罰が当たっても文句は言えないわよ)
そう思ってロードさんの顔を見ようと見上げれば
―――ええ、それはもう万弁の笑みで御座いましたよ
「凄むのは結構。ハニーの前で無駄な血は流したくない...私が振り返る前にその剣を御除けください、言ったでしょう時間が無いのですよ」
笑顔で言っているのに目は全く笑ってはいなかった
背後にいる男はそれに気づく訳もなく、一蹴り鼻で笑いその剣をそのまま振り下ろした
(―――普通の、人間なら一発だわ。この男は確実に殺せるキラーポイントがしっかり見えてるようだし)
動きがただのガラの悪い連中ではないよう
一見馬鹿な連中に見えるが...まあなかなかの殺し屋ね
私の体から一瞬温もりが消える
と、同時に血飛沫が舞った
「他国での殺傷は今後の商談に亀裂が生じる原因となる...のに本当に面倒な」
振り下ろされた剣を、さっき私の肩を抱いた瞬間からかけていた結界で弾きそのまま目にもとまらぬ速さで腕を切り落とした。呪文の類ではなかった。人では感知できない速度...
(へえ、面白いもの見せてもらった)
「ちっ撤退しろ!!」
腐っても殺し屋
腕を一本持っていかれても動ずることなく周囲に潜んでいた仲間ごと引き揚げさせた
引き際の分かる人間は嫌いじゃない
ギュッ
....あ?
「一瞬でもハニーを怖い目にあわせてしまった。申し訳ないです、それにハニーをこの腕から手放してしまったね。―――さあ行こうか」
と、もう一度その優しげな瞳で私を見て肩を抱いてきた
抵抗?
しましたよ、全力で!
そんな抵抗を笑顔で流されてしまえば
後はどうにでもなれ、と思うのは誰しもが持つ本能でしょう
「言ったでしょう、建前上私達は夫婦です」
(あなたは夫婦の意味を少し...はき違えていますよきっと)
いつまでこのゲロ甘な関係が続くのか
――――そんなこと、私にもわからないわよ!
うーん
しまりが悪くなったかもしれないですね。
とりあえずランウェイ様のキャラが変わってしまったことだけ理解していただければいいです(笑)
今回もここまで読んでくださってありがとうございました