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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第3章
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ディーヴァの怒号その2

活動報告にも書きましたが

お気に入り件数が1000件突破しました


本当に皆様に感謝感謝の毎日にございます






「アンネ夫人、少々様子がおかしいですよ」



流石帝国の宰相ね

いち早く異変に気が付き口を出す



アンネ夫人も可笑しいと思ってか木からそっと手を離す



「普段ならば了承を得られるのですが....変ねぇ」




森も、まだ明るいというのに静か

さっきまでは鳥が鳴いていて時折動物の駆ける音が聞こえていたのに




(たぶん、精霊の魔力を感じ取って避難してるのかもね)






「では今度は私が試してみましょうか」





ここでまさかのロードさんが名乗りを上げた

下がっていてと私とアンネ夫人を木から数歩遠ざける




私の立場...ないなー

仮にも騎士である私が今のところこれといった仕事も活躍もなし





私がそんなことを考えているうちにロードさんはさっさと木の前に立ちアンネ夫人と同じように木に触れた





その途端


≪我に触れるな人間風情が!!≫




ミシミシと森に根を張る木が地面から浮き上がり

その大きな木を守るように絡み付いた



大きな音を轟かせながら

葉が刃となって私達を襲い始める




「エンペリオ・ヴァ・ネーラ」




ロードさんによる咄嗟の結界により

私と近くにいたアンネ夫人共に刃の餌食になることは無かった




「二人ともこちらへ来てください」




冷静にことを把握しようとロードさんはただじっと周りを見ている



私達は言われた通りロードさんの元へ歩み寄った




バシバシと結界を根や葉で攻撃してくる木々

何をそんなに怒らせたのかしら...




「これでは本当に野宿になってしまいますね」



冗談交じりだけど苦悩に満ちた表情

アンネ夫人に至っては真っ青になって今にも気を失いそう




「原因はあの大きな木にあるのでは?」



止めたいのならばあの木にもう一度接触をするしか術はないねぇ...



私のその一言に頷くロードさん

それ以外、今こういった状況に陥った理由がないと判断したからなんだろうけど




再び木の前に立つ

根と葉の攻撃がさっきよりさらに強くなった



でも、流石というべきか

そんなことをされてもなかなかこの結界壊れない



それどころかヒビひとつ入らないなんてね




もう一度木に触れようと試みたロードさん

しかし今度は触れる前に同じような結界で弾かれてしまった




≪二度も我に触れられると思うてか人間風情が!≫



(これはこれは...面倒なことになりそうだ)



結界の外で攻撃を続ける木々

荒ぶる魔力が勿体ないわね



そう思って私はポケットに入っているチノを一撫



―――この魔力を吸って大きくなりなさい

純度の高い魔力は貴方をきっと強くする



私の意思に応えるかのように脈打つチノ

花開くのも時間の問題ね、これは...






「精霊がお怒りだわ」




アンネ夫人が呟くように言った

お怒りねー、まぁお怒りのご様子だわね




と、思ったらアンネ夫人もその木に向かっていった


結界があるとはいえ無謀じゃないか?

私がここにいていいのかな...ま、いいよね




暫く高みの見物といこうじゃないの



「怒りを御鎮め下さい!!このままでは貴方様の愛する森が壊れてしまう!!」



アンネ夫人は請うように木に話しかけた

純粋な人間ね



量も質も全くと言っていいほどないけど

純度が高い



うまくこの森と同調しているのね





≪―――お前は...そうか先程我を起こそうとしたのはお前か。≫



アンネ夫人が木に触れた途端

木が急に大人しくなった



同じように他の木が動きを緩める

攻撃を繰り返していた木も同じように静かになった



「気を御鎮め下さい」



目を閉じ心から伝えようとするアンネ夫人

それを見守る私とロードさん



≪森に足を踏み入れた輩がいると...我が好かぬ臭いを身に纏う輩が来たと思うたのだが...≫




スッと次の瞬間

木の目の前に茶髪の長い髪と茶色の瞳を持った女が現れた




(木の精霊、珍しいねーフゥ君と同じくらいの年月を生きている精霊ね)




「木の精霊ですか」



ボソリとロードさんが声を漏らす

その声に反応して女がロードさんのほうを向いた




(こりゃ、ロードさん危ないわ)


≪貴様か≫



向いた、のは語弊があるわね

正しくは睨んだ



それも凄く憎しみを込めた目で...





「アルバノン・グラージア」




身の危険を感じたのかロードさんは高度な結界を張る

講堂に張られていた結界と同じね



呪文はアルバノン・グラージア

解除はアルバノン・フィージア



≪我の声に応えよ

草木の緑よ

大地の魔女の恩恵を受けし精霊よ


渦を巻け

我の声を聞け



命を宿す数多の生よ

今このとき



命を掻き消す力を我に―――≫




「下がっていなさい二人とも!!」




ロードさんが大声で叫んだ

アンネ夫人がロードさんの普段は見ない恐ろしい表情を見て数歩後ずさる



(うほー...この精霊"唄"で相手を殺すんだね。唄というよりか声んだろうけど、どんどんこの精霊が口遊くちずさむ度に魔力が集まっている....流石に危ないね)





「ルゲイン・ドーラ・ヴァリー・ヨゼイン」



ロードさんもさらに高度な結界を張るなんてやるじゃない

でも、怒りに満ちた精霊の魔力は周囲にある魔力全て巻き込んで繰り出すものだからね




(死ぬか...生かすか)



≪我、力を求めん!!≫



木の精霊の唄が完成し

次の瞬間、辺りがさっきより一層明るくなる




そして...



爆発音のようなものが森を駆け巡った




はい、今回も中途半端


明日締めます!


ここまで読んでくださってありがとうございました



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