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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第3章
42/151

女店主その6

陛下視点も終わり

漸く本題へ...



本題...なのかな


「つっかれたー」




お前が言うかそれを

横目で、ここまで運んでくれたフゥ君を睨むように見つめる



私も近くにあったベッドに座り込んだ

フワッと包み込む柔らかさ



ローブを外して横に置く

既に日が昇り始めているけれど、まだまだ早朝



起きる時間ではない




気分か高まっているのか、眠る気にもなれない

今日出発するのにねー





―――それにしても



「フゥ君、お前は阿呆か」



あのタイミングは予想範囲を超えている

精霊を従えているうえにロードさんの元へいる私が人間の姿で陛下の前に現れるなんてことできるわけがない




そうしたらどう考えても私はそのままの...

魔女としての本来の姿になるよりほかはない





「だってー....」



本当にこの青年は何百年と生きているのだろうか

未だに中身は子供のまんまじゃないの




「どーすんのよ。ばれたよ、ある意味ばれてないけどさ!」




自暴自棄になる

痛む頭を抱えながらそのふかふかのベッドに横になった




「大丈夫だって。所詮人間だし...最悪は俺らがどうにかしてやるよ」




その言葉が一番不安で最悪でしかなんだけどねー

なんて、フゥ君も反省しているようだからあえて言わないけどさ




「まあ、私も貴方達を心配させたのは悪いと思っているから今回はチャラにしようか」





(それに、陛下に魔女が存在するとばれたけど私自身今後の展開が楽しみだから満更でもないのよね)






あの時のあの驚いたような、なんとも言えない表情は最高だった



「ほら、あと数時間もしないうちにここに人が来るわ。結界が張ってあるこの場所に私以外の人間が居たらフゥ君大変なことになるよ」





横になった瞬間

緊張したのか急に疲れが私の体を襲ってくる




諭すようにフゥ君を見れば

理解したかのように私のいる場所から数歩離れた





「またいつでも呼べよ!付き合ってやる!」



(よばねーよ)



フゥ君と散歩なんてしたら精神的に疲れそうだ



当の本人は笑顔で風となって消えていった




「うはー...暇だからって散歩なんてしなきゃよかった。結局リーナ姉さんの御霊があそこにある理由もわからなかったしな」





頭を使うのはやめよう

少しだけ、あと数時間しかないけど休もう




______

__







―――さん



――――お...さん



「御嬢さん!!」


「うっわ!?」




突然耳に入ってきた大きな声に強制的に起こされました




驚いて目を開けばそこには

私達を昨日出迎えてくれたアンネ夫人が...



今日も一段と美しいですこと羨ましきかな




「おはよう御嬢さん。」



この人、リリーと同じ属性に違いない

笑顔であいさつをしてくるアンネ夫人



未だにアンネ夫人の声が頭の中でぐるぐるまわっている

何気に凄い攻撃じゃーないのアンネ夫人




「お...おはようございます」


「下に朝食が用意されているから着替えたら降りておいで御嬢さん」




そう言ってアンネ夫人は出て行った

言われた通り着替えて下に行けば、そこには昨日の夜より豪華な食事が並べられていた




「急だったとはいえ、昨日はあのぐらいしかだせなかったからね。今日が出発のようだし少しでも気力を付けてお行きなさい御嬢さん」



(あ...あれぐらいっすか)



「ありがとうございます」



席に着き食事を始めようとしてロードさんがまだいないことに気付く



「あの、ランウェイ様は」



手に持ったナイフを置きアンネ夫人を見れば少し笑って


「あの方は朝食をとらないんだ。だからその分まだ寝ているよ。昨日のうちに御嬢さんの分の食事を作っておいてくれと頼まれていたからね」




「そうですか」



もう一度並べられた食事を見る

...いやいや、どう考えてもこれ一人で食べる量じゃないでしょ



そう思いつつも並べられた料理に手を伸ばす

どれも絶品で美味しかった



残念ながら残したけど....




「御嬢さんはいつから騎士になったんだい?」



食事を下げられロードさんが起きてくるまで...と長椅子に座っていた

すると正面に座ったアンネ夫人がそんなことを聞いてきた




いつからって...昨日から?


「つい、最近なんですよ」



なーんて言えないからうまくごまかしてみた

嘘を言っているわけではないでしょ




「そりゃ大変ね。あの方は変に真面目だから」



そう言ってアンネ夫人は微笑んだ

年は40代前半だろうか



でも笑えばまだまだ若いアンネ夫人


夫人...とつくくらいだから旦那様がいるのだろうけど



(そういや見当たらないわね)



「よくランウェイ様をご存じなのですね」



「あの方が小さいときより知っていますよ。昔はまだ可愛げがあったんだけどね」



「...今は可愛くないと云う事ですかアンネ夫人」



何処からともなくロードさんが現れた

聞かれた、とアンネ夫人は悪びれることもなく笑った



この人、国の宰相なんだよね

アンネ夫人...なかなか肝っ玉座ってるわ



やっとこさ本題までこぎつけた

多分次くらいで女主人は終わるでしょう



読んでくださってありがとうございました

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