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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第3章
40/151

女店主その4

サブタイトルの女店主で引きずるの大変かな...

とか思いつつもいつの間にか4へ(~_~;)


でもまだまだ引っ張ります

...ってことはこのままいけば女店主その8くらいまでいきそうだ


とりあえずどうぞ!


陛下が剣を鞘に納めてくれたことを見て

私は仕方なくフゥ君の背から一歩前に出た




「...お前は」



私の姿を見て陛下が驚くのが分かった

それはそうでしょ




(本当にフゥ君...というか精霊は時に反抗期だわね)




いくらこの場所が神聖な魔女の御霊が眠る場所であろうと近くに精霊の気配は感じられる



ここに許可なく入ることは出来ないにしても近くに気配を感じられるはず...なんだけど、なんでかしらねー気配がない




助ける気ゼロ

多分フゥ君がいるから...という感じではないだろうか



私がここに来たいと言ったのはついさっきのことなのに

手筈か済んでいることに私は驚いた




いつの間にフゥ君ったら....




しかもこのタイミングで陛下が来るなんて

...そう仕向けたのかこの子は




『―――あーあー、聞こえる?』


うおっとびっくりする

急に私の頭に声が響いた



それは紛れもなく後ろにいるフゥ君の声

でもその声は耳から入るわけではなく直接私の頭に流れ込むように聞こえてくる




(...これ、嫌いなのに)



私はこの会話があまり好きではない

傍から見れば急に黙りこくって時折顔表情を変える変態にしか見られないから



無表情で会話ができれば最高なんだけど

そんな簡単にできる話ではないからね



とは言ってもこの状況

フゥ君が私にそんなことをしてきているのだから...と大人の対応



『聞こえてるわよー本当にどういうつもりかと思うけどお説教は後ね。何?』




後ろを振り向かないで視線を下に

声をフゥ君に向ける



「お前は何者だ」



探るような目で陛下は私を見る

何者もなにも...貴方の騎士ですが何か



そんなこと、この状況で言えるわけないけど



「何者でもございません」


なんて安易な答え方をしてみた

そうすれば今度はフゥ君との会話




『いやー思い他この男が来るの早くてさ。本当だったら俺たちが立ち去る瞬間くらいに来てくれればベストなタイミングだったわけよ。ババアの焦る顔を少し見れたらそれでよかったんだが...どうしよ』




....この餓鬼一回土に還してやろうか

なんだ最後の"どうしよ"って。計算外です俺悪くないみたいな




どうしようもないわ

阿呆が




出そうになるため息をぐっとこらえる



『どうにかして乗り切るしかないでしょ。それと...フレイン、この人にちょっかいかけんなって言ったでしょーが!!』



久々に彼の本名を口にする

精霊の名もまた、操ったり縛ったりするのに必要なもの



だから普段は彼のことをあえてフゥ君と呼ぶ

主従関係ではなく普段はあくまで家族とか友達とかいうレベルでいたいから




でも、今回のことは駄目ね

オイタが過ぎるのよねー、相手は陛下よ陛下




私でもまだあんまりわからない人間に手を出すのは些か不用心というか無謀すぎるわ




「まさか...魔女か」



陛下のその一言にあたりに咲く黄色い花が反応した

毒をまき散らすことは無い



だってまだ魔力を使っては無いから

ただ、花はその言葉に反応したのだ



己の主人と同じである魔女がいるかもしれないということに




彼らに魔女かどうかを見分ける脳は無い

だって花だから




でも誰が主で従うべきか、どうされたら敵とみなすか

それは自己防衛として生まれた時から備わっている




(率直にくるねー)



別にこういった類、嫌いじゃない

私は思わず笑ってしまった



後ろにいたフゥ君が一瞬肩を上げるのが分かった

何故フゥ君が驚く



「何がおかしい」




「失礼。貴方に問いたい...魔女の存在を信じるか?」




と、何の脈略もなく聞いてみた

陛下はそんな私の質問に真剣な眼差しでこう答えた



「信じない」




――――それが答えか

じゃあ、魔女を探すのは暇だからか?幻滅だな



「そうか」


「だが...」




落胆する私をよそに陛下は先程の言葉を打ち消すかのようなはっきりとした声で遮る



「だが、それは立場上の答弁だ。一人間としてはいると、存在していると考えている」




(本当に...楽しませてくれる)



口元が上がるのが自分でわかった

見ず知らずの侵入者に堂々と自分は魔女を信じるなど言っている



頭がおかしいと思われるか同情されるかなめられるかのどれかなはずなのに...



自分の立場をわきまえているからこそ、なのかしら




そろそろ日が昇る

私ももう戻らないといけない



そっと今度は私がフゥ君の袖をつかんだ

彼もわかっているのか私の手を包んでくる




私は陛下に背を向けた




「一国の君主に言わせるだけ言わせて背を向けるとはとんだ無礼者だな」




何も言わないで消えるわけないでしょーが

と、思いつつ私は後ろを振り返った






「これはこれは失礼。なれど私も急いでいる...この国の帝王よ、己の立場を弁えそれでも尚自分の考えを持つ貴方は素晴らしい。貴方が存在することによってこの国がどうなるのか少し楽しみになってきたぞ...」






フワリと振り向きざまに全身を包んでいたローブの頭の部分だけを取る

失礼失礼と言ってきたのだからこのぐらいしないと陛下には失礼な者で終わってしまうからね






「―――嘘...だろ」


陛下がそう呟いた



フゥ君は驚愕の眼を私に向ける

だからさ、無謀なのはわかっているんだけどさ




ちょっと面白そうだったし?

やらかしたくなったんだよ








「ふふ...期待している」









そう言い残し私とフゥ君はその場から消えた

黄色い花を揺らしながら



既に日が昇り始め朝露がキラキラと輝くその場所に

一人美しき陛下を取り残し......




次あたりでもう少し内容が分かりやすくなるでしょう←


読んでくださって本当にありがとうございました

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