宰相と騎士その3
随分更新できずにすいませんでした
理由は活動報告にて...
―――――情報屋ねぇ...
ロードさんを見た後周りを見渡す
確かに皆手にしているのは紙切れ
それを見ながら真剣な表情で何かを話している
「他にも沢山あるんですか?」
見るのをやめ視線を再びロードさんへと向ける
彼は少し目を鋭くした
「ここが一番信憑性に長ける場所でしょうね。確かに他にも何軒かありますが、大半が金儲けをしたい奴が言っている嘘でしかありません。ここの店主は今まで私に有益な情報しか与えたことは無いですし沢山の情報を握っています」
ただ..とその後残念そうな顔で
「ただ、情報には値段がありまして、分野ごとに値段が違うんですよ。それに一つの情報が少なすぎるので倍以上の金額を払わなければいけなんです。外から見ても外観は素晴らしいものだったでしょう?やりくりがうまいんですよねここの店主は」
確かに他よりも目立ってはいた
...つーことはなんだ
ここにいる人たちは皆金持ちってことか
一見優しそうなおじさんは実は金をむしるのが上手な人だってわけ
ま、いわくつきの仕事をしている人以外はこんな場所に用はないでしょうし、一々自分が調べなくてもお金だけ出せば欲しかった情報が手に入るのだからお互いに何も言えないでしょうね。
「遅くなって申し訳ありませんランウェイ様」
ボルドーさんが手に数枚の紙を持って現れた
あれがきっと情報なのだろう
ボルドーさんは手に持っていたその数枚の紙を机の上に置いた
「これが今現在のエンブレス・アロッソの内政状況です」
エンブレス・アロッソ
通称ブレロ大国
一年を通して比較的暑さはなく常に涼しく過ごしやすい
西の魔女が大地を割るまでは帝国に従っていた小国だった
ブレロには北の魔女アネッサ姉さまが居た
大地が割れたことによってブレロは帝国に対して同等に扱うことを要求
何年も前から帝国に恩恵があったはずの小国は
魔女の一件を境に敵対とは言わないもののお互いに干渉することはしないと暗黙の了解があった
ロードさんは置かれた紙を手に取り真剣に読み始めた
私はその間静かに座っているのみ
時折眦に皺をよせ難しそうな表情をするも
数分もしないうちに目を通したのか再びその紙を机の上に置いた
「どうです。なかなか興味深いものがあったでしょう?」
ボルドーさんがそう言えばロードさんは少し笑って頷いた
「そうですね...。本当にあなたの情報網には関心するしかありませんね。正直助かりました、いくらですか?そろそろ出発するので」
うーん
気になるところだけど口は挟まないでおこう
後が怖いからね
「150モル...と言いたいところですが、今日はミア様に免じて報酬は頂きません。道中お気を付け下さいませお二方。」
え、私?
なんで私に免じてなのだろうか
そんな目でボルドーさんを見れば彼は目じりをくしゃりと下げて微笑むだけだった
「本当にいいのですか?」
ロードさんも信じられないと言いたげな表情をしている
「えぇ。私の気が変わらないうちにささ...お行き下され」
その言葉に私達は後ろ髪をひかれる思いをしつつもその店を後にした
出る際ボルドーさんが私に
「あの方が女性をこの中に入れたのは初めてなんですよ。女騎士の方ともよくここに立ち寄られることがあったのですが決して中に入れることはなかったので...こんな爺ですが少しばかりウキウキしましたぞ。...北のことはあの方に聞いてください、話して下さるでしょうから。お気をつけてください」
そんなことを言い残してくれた
なんというか....なににウキウキするかはスルーしようと思う
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再び馬車に乗り北に向かって進む
今日はこの先にある中央の国、国境の一番端にある宿に泊まるらしい
何日間かは馬車に乗り続けなければいけないのね
それにしても...
(あの店を出て以来深刻そうな顔しかしてないわねこの人)
ロードさんは難しそうな顔をして窓の外の景色を眺めている
あの紙に何が書いてあったのか
北の内政状況ねぇ...
北も魔女を本気で探しているようだけど
きっとそれに関しての情報に違いないわね
魔女ねー
私には血を分けた分血の魔女は二人しかいない
その二人もあの300年前の魔女狩り以降会っていない
魔女が多いのは多分南でしょうけど
今回は北でしょ...本物の魔女だったら昔話とかしたいなー
そんなことを思いながら私達は馬車で揺られ続けた
そこまでの進展はなし!
続きは明日です