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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第3章
35/151

宰相と騎士その2

昨日は急用で更新できませんでした

失礼しました


では、どうぞ

300年も経つと道も綺麗になるものね

あまり揺れることのない馬車はとても快適だった



何度も街には来ていたけど

フゥ君頼りだったからなかなか自分の足で歩くことは無かった


帰りだって近道のために道ではなく荒地を通っていた

改めて人間の生み出す知恵に驚かされた



「ミアさんは何故ここにいるのです?」



唐突にロードさんが私に尋ねた

それ、連れてきた本人が言う言葉か



そう思うも暫し微笑んでみた



「いえ、質問の内容が悪かったようで...貴女にでも理解できるようにお話ししましょう。なぜ、貴女は最初あんなに抵抗していたのに今は大人しく陛下に従っているのです?」



(疑っているのね)



ロードさんの眼差しは強かった

さっき私が自分を魔女だと言ったときに睨まれた時のような...




真名によって契約されてしまったから

これが一番の要因でしょうけど...でも、彼らのこれからが少し気になったのも確か




「1年だけという契約と、その期間の優遇を約束されたからです。」


「麓に残されたおばあさんとやらは大丈夫なのですか?」


「近くに村があります。私がお使いに行くときは必ずその村にいるお茶友達のところへ行っているので大丈夫です。ただ....1年も空けるとなると流石に心配されますから、暫く落ち着いたら行こうと思っていたんです」




我ながら完璧な嘘

ロードさんは腑に落ちないような表情をしながらも納得したように頭を傾げていた




「城を出る際は必ず陛下に一言言ってくださいね。無断で出ることの無いように」


「はい」



とりあえずその話は終わったようで

再び馬車の中はガタゴトと車輪が回る音以外は聞こえなくなった





_______

___





ガタンと急に馬車が止まった

何事だろうと思ってロードさんを見るとロードさんは気にせず座っている



(あれ?なんで止まるのさ)



そう思っていたら馬車の扉がノックされ

外から開けられた



「到着いたしました」


「ええ」




外から話しかけてきたのは

この馬車の運転手さん



でも、北の国に着くのは早すぎよね



その疑問を察するようにロードさんは私を見て



「長旅になるでしょう。少しずつ休憩しながら行かないと身が持ちません何かあった時に体力がなければそれはそれで危険ですからね」




と言って先に馬車から降り私に手を差し伸べてくれた


本来ならば騎士である私が先に降りて安全を確認しなければならない立場であることをすっかり忘れていた



分かっていたかのように呆れられた

しょうがない、だってそんなもの私は知らなかったのだから



...なんて言い訳を心で呟き完結させる



「す、すいません」


「構いませんよ。ただし、今後は気を付けて下さいね」




渋々その手を取り降りる

上を向けばロードさんの背に大きな店が立ち並んでいた



(ここは...)



見たことのない街並みだった

いや、実際には行ったことのない街かな



いつも木の上から街を見渡してきたから

ある程度どこに何があるかはわかるけど必要な時以外、街の中心部にしか行かなかったからここはもう全くと言っていいほど知らない場所




ある程度品のある店ばかり立ち並んでいる

貴族通りってところかしら




「ぼーっとしないでください。行きますよ」


「は、はい!!」



私の手を離し立ち並ぶ店の中でも人気ひときわ大きな佇まいの店へロードさんは入って行った


その後を急いで追うように私も小走りでついていく





カラン

と鈴の音を鳴らして扉を開くとそこには結構人がいた



「いらっしゃいませ...ランウェイ様ではございませんか!随と顔を御見せにならないので心配していたんですよ。おや、そちらのお嬢様は...もしや?」



横から出てきたのは

60を超えたであろう髭を生やした老人が民族衣装らしきものを着こなして出迎えてくれた



ロードさんに気安く話しかけられるだけの人間なのだからきっとこの店の一番偉い人かなんかなのだろうと推測する



「ボルドー殿、彼女は私の護衛ですよ」


さりげなく近寄ってきていたボルドーと呼ばれた男の人を手で押しのける


私のほうを見てなにやら気にしている様子



ボルドーさんは私に優しく微笑んだ


「いやいや、これは失礼致しました。女騎士とは勇敢に御座います....ささ、お席にご案内致します」




そう言って私とロードさんを奥へと案内してくれた

この人は信用できるのだろう



ロードさんは何を疑うわけでもなく素直にボルドーさんについて行っている



私もそんなロードさんの後についていく

まるで金魚の糞だとさびしくたとえながら...




「こちらにお掛け下さい」


促された場所はカウンター奥

この店、カウンターのほかに個室なんかもあって


淡く光るライトしかないからゆったりできそうな雰囲気だと思った




(身なりもなかなかいいのね)



チラリとほかの客を見ればロードさんの登場に驚くも、騒ぎ立てることはせず静かに同席する人たちと会話を楽しんでいる



今がオフであることを理解しているからこそ

誰も彼に挨拶をしたりはしない



頭の賢い連中だこと...



「本日はどういったご用件で?」



普通何を頼むか、ではないのかしら

と思ったけどロードさんが考えているようなので口を出さない



まず、カウンターに品書きを書いたものがないことと店にいる客全員が何も頼んでいないところをみて変だとは思っていたけれど




「北の国の件で少し」


「ほう...北ですか。暫くお待ちください」



ボルドーさんはその綺麗に生やした髭を一、二撫でした後どこかに行ってしまった



たまらずここがどんな店なのかをロードさんに尋ねる

するとロードさんは得意げに



「情報屋ですよここは」



そう言って笑った






新しいキャラ登場です!

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