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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第3章
34/151

宰相と騎士その1

サブタイトルこれ以外に見つからなかった...

「....ありえないわ」



顔を出し始めた太陽を見つめ一言

眠れるはずがない、勿論わくわくしているから眠れないのでは決してないけれど




私の言葉は誰に返されることもなく寂しく部屋に拡散した








あの後、渋々私とロードさんは陛下の命令に頷いた

これも任務だと、彼が今回護るべき者だと言い聞かせて





一日の勤務が終わり部屋に戻るとリリーがいつものようにおかえりなさいませと言ってくれた



でも、その微笑にいつもなら癒されるのに今日は特別リリーに甘えたくなった


(鬼畜と遠出をしろと!?可笑しいわ、ありえないわ!!)



精神衛生上ロードさんと北の国まで行くのは厳しいものがあるんじゃないかしら



決まったことをいつまでも言っていてもしかたがないのだけれどさー




物思いに耽るかのように窓を見つめて数分

コンコンと控えめだけど一定のリズムで扉を叩く音が聞こえた



「失礼いたしますリリーです」



(もうそんな時間か)



扉が開くのを絶望的な目で見つめる私

さぞ今の顔は酷いだろう...



「あら、お目覚めでしたか。おはようございます」



そう言ってリリーが私の元へとやってきた


「おはよう」


「初めての視察で興奮なさって眠れなかったんですか?うふ、可愛らし...きちんと眠らないとお体に差支えますわ」



...何か危ない音を聞いた気がするからこれは流そうと思う

少しリリーを見直したかと思えばこれだ、つかめないなーリリーは





話しながら着々と私を飾るリリー

服装はやはり視察のためか、白のロングコートを羽織りはちみつ色の髪を縛る



(まさにできる女騎士ね)



鏡に映る自分に過剰評価

勿論声にも表情にも出さない、だってイタイわ




自分で言ってなんだけど...





「今回の視察に私が同行できず残念で仕方がありません!気を付けてくださいね、夜は危険ですからしっかりと戸締りをしてお休みになって下さい!!あぁ、お召し物は毎日変えて下さいね。洗濯はそこら辺にいる騎士にでも頼んでかまいませんので...いいえ、それでは魔女様のお召しになったご洋服に知らない者が触れると云う事かしら!?それは駄目よ!!やっぱり私が―――」





(いつになったら止まるんだ)




遠い目でリリーを見つめるも

彼女は完全に自分の世界に入ったようで私の視線なんて感じていない



どうしてこんな女性が女官の№2なんでしょう

強いのは分かるけど、この性格はある意味危険じゃないかしら




未だに言い続ける彼女を無視して私は部屋から立ち去った



立ち去る寸前リリーに向かって



「いってきます」



って言ったけどリリーは"駄目よ危険よ!でも―――"だなんて言い続けていたからやはり放置




廊下を進みそのまま外へ出る

昨日のうちに陛下にはいつごろ出発するか伝えてあるから私達はそのまま赴くのみ



まだ出発してもいないのに気が滅入りそうだ



天気は良く

これから視察に行くにしても素晴らしい天気だ



(うわーいたいた)



門の前で数人の従者を従えてロードさんは立っていた

近くには大きな馬車もある




それにしても

太陽に曝しても黒いなんてすごいわね



なんて少し思ってしまった




怒られる前に、そう思って足早にロードさんの元へ行く

気づいたのかロードさんはこちらを向いた



「おはようございます」


「上司より遅刻ですか。生意気ですね」



お前がな

年下の若造のくせに生意気なんだよ



....そんなこと言わないけど



鼻で笑われ馬鹿にされているのが肌でも感じる

悔しいがここはひとつ大人の対応とやらだ



ふふふと微笑めばロードさんは呆れたように私を見ていった



「笑って許される程世の中は甘くないんですがね。まぁいいでしょう、貴女に掛ける時間が勿体ない。早く乗ってください」




(くそー、いまに見てなさい)



悪役の台詞そのまま採用

でも一番今の私を表現してくれる言葉だもの仕方がない





ロードさんの発言にまたもふふふと笑い

静かに私は馬車に乗車した



中はとても過ごしやすそうな内装

ロードさんが相手じゃなかったら快適に過ごせただろうに



ロードさんが私の次に乗ってくるのを見て

そう思わずにはいられなかった.....




旅が始まります始まります

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