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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第2章
13/151

城の庭その1

すぅっと意識が浮上する

風が私の髪をなでるのが分かった


(花の匂いがしたから昔を思い出したんだ)



まだ目は開けたくない

感触と嗅覚と聴覚でこの世界を感じたいと思ったから




あの後私は城を散策し始めた

だって陛下が見ろって言うんだもん



途中知らない女官の人や騎士に会ったりもしたけど普通に挨拶をされて終わりだった

王宮内に見知らぬ人がいるのは結構当たり前みたいだね






ちょっと危ない気がしたけど皆陛下に忠実のようだから不法侵入者が現れてもきっと平気なんだろうなー




そう思いながら歩いていると足元に桃色の花びらが落ちていたことに気が付いた

どこから入ってきたんだろー?



周辺をキョロキョロすると柱の奥のほうにチラチラ赤や黄色の色が見えた


「あそこからきたのかな?」




私の足は柱の奥へと進む

着いた先に見えた光景は素晴らしかった



「すっごーい!!」


目の前には沢山の種類の花がそれぞれを魅せるかのように咲き乱れていた

開いた口が塞がらない




(こんな庭があるなら1年きっと楽しくなるに違いないわ!)



そう思いながら私はその場で倒れた

頬に草の柔らかさを感じ、ふと上を向けば太陽に曝された花が美しく私に影を作ってくれた





いつしか私はその心地の良い空間で寝てしまったみたいで....

そしたらあの懐かしい夢を見た



ゴロンと仰向きになって空を見る

既に日が落ち始めて夕暮れのオレンジ色の光が優しく燃えるように花を照らしていた



「いつになったらその時期がくるのやら」



そう呟けばどこかで荷物を落としたような

ドサッとした音が聞こえてきた



(あり、驚かせちゃったかな)



そう思って体を起こすと

数メートル先で籠を落として固まっている男の人がいた




(あちゃー、相当びっくりしてるねこの人)



まぁ無理もないと思う

ドレスを着た淑女が堂々と庭で寝ていたのだから


「あの....大丈夫ですか?」



そう声をかければその人は急に意識が戻ったかのような反応をみせた



「だ、大丈夫です!!申し訳ございません、こちらこそあなたの眠りを妨げてしまった」


そんなに畏まらなくてもいいのに...

頭を深く下げて私に許しを請う姿がとても痛々しい


「そんなに畏まらないでください、私こんな姿をしていますけど騎士なんですから」



そう、私はこれから騎士として生活するの

だからそうそう礼は必要じゃないのよ




笑ってその人を見れば安心したのかその人も微笑んでこちらに近づいてきてくれた



庭師...なんだろうか

恰好がそんな感じがする



「女性の騎士なんてなかなか素敵です、さっきは失礼しました」


そう言ってその人は私に手を差し出してきた

私もその手を握った


「まだまだ鍛錬が必要な未熟者ではありますがね」


(この人、庭師のくせに魔力が凄いわね)


手を握る手前、私はそう感じた

口には出さなかったけどね



「私はここの庭師をしているエルダンと申します。」


人懐っこそうな優しい青年だった


「私は騎士のミアです」



そのエルダンさんの微笑をみて私の心は再び再生した

...いや、冗談抜きでね!



ここに来てから男はみんな最悪だったからね

そう心で思いながら庭師のエルダンさんを見ていた




エルダン....エルダン

まー結構重要人物です

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