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陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第5章
104/151

教師

本当なら休日は更新お休みの日なのですが...日頃の感謝をこめて。


ではどうぞ



ガチャンと重々しい音が響き、扉が開かれた

私とシド団長は、その入ってくる人物と陛下とが無暗に接近しないよう警戒心を募らせる



まあ、陛下が扉を開いたのだから誰が来たか分かっての行動のはずだ



静かに一歩一歩足音立てながら入ってくる

歩く振動で、その人の髪が揺れる



(――――まっ...か)



深紅に艶めくその髪

肩のラインで無造作に切られているものの、決して品を落とすことのないむしろ凛々しい面立ちに見えるその人は...





その人が部屋に入ってきた

驚く私をよそに、その人は私を見て優しく微笑んだ




少し釣り目の韓紅からくれない色の瞳

全身で赤を体現したような容姿に、私は心底驚いた



「随分可愛らしい方が騎士になられたのですね――――御無沙汰しておりますアルファジュール国王陛下」




(ん?...声が、違う?)



私から視線を逸らし陛下へと移す

そしてとても優雅に腰を折り、挨拶を交わしていた



他国の者が王と何らかの話がある場合

最初に使者をだし、そこへ赴く旨を伝え、そして大広間での謁見...となるのが礼儀だ




それは今回私の教師としてつく、多分この人にも当てはまることだ

でもそれが無い



むしろ誰にも案内されることなくここまでくるということは、少なくとも私が来る以前までも何度か出入りしている人間で、尚且つ謁見を必要としない身分の人間



私に背を見せ立つその人は、私の知っている人だと思った

でも声が違う事から同一人物ではないだろう



(と、いうかそいつが今も生きていたら恐ろしいわね)



何を考えているんだと思ったけれど、本当に似ている

深紅の髪に韓紅の瞳



「急に呼んで悪かったな、ニーナ・コルデリア」



「コルデリア!?」



陛下の一言に、私は再び驚く

そして私は心の声を抑えきれず、いつの間にかそう叫んでいた




私が急に大声で言うものだから陛下も驚いている様子

そしてロードさんも、こちらをみてどうしたんだとでも言わん表情をしている



ちなみに蛇足ではあるが、シド団長の表情は全く変わらずこちらの話など全く耳に入っていない様子だった



「おや、この名の意味をご存じの方がまだいらっしゃったのですね」



微笑むその人は意味深な言葉を吐く

まだ...とはどういう意味だろうか




少なくとも300年前のあの頃は、知らない人などいないだろう



そうか、そうなのか



先程からの、妙な親近感

一瞬でも間違ってしまったほど似ている容姿



(やはり時が流れるのは早いな)



「ニーナ様、彼女はあれで魔女の分血なのですよ。」




ロードさんの説明に一瞬目が鋭くなった

そして、どなたの分血です...と問うた



「時の魔女だ」



陛下がロードさんが言う前に答える

次の瞬間、私はその懐かしい容姿をする人に思いきり睨まれた



研ぎ澄まされた刃のように

鋭く、細く、殺気満ちた表情で....




まるで私を恨んでいるかのような顔

憎くて仕方がないような、そんな感じを受けた



何故?

先程までの穏やかな感情から一転



何故自分がそのような目を向けられなければならないのかと疑問を持った



一応私達は初対面のはずだ

私が会ったことがある人物は、多分この人の祖先だ




「あの...」




どうしたのですか、と聞く前にその人は何かを思い出したかのような表情をし申し訳なさそうな様子で誤ってきた



(なんなんだ)



ころころ変わる表情に、やはり似ているなと感じた


「申し訳ありません。不躾に見ていましたね...貴女が希少な時の魔女様の分血でしたか。これはこれは...貴重な時間を頂きました」



時の魔女、それに対し酷く刺々しい物言いをしてきた

なんだろう...何かあったのか




「急に大声を出すんだ、何かそっち関係で知っていることは無いのか」




陛下が私に問う

そっち関係とはつまり魔女に関連することだ




ぶっちゃけ、凄いことだけど....

結局本人じゃないから意味ないだろう




「いいえ....お見苦しいところを御見せいたしました。ただの勘違いです、お気になさず」



「平和すぎて頭が呆けてきたのではありませんか?少し鍛えて差し上げますよ、ミアさん」



深紅の人とは全く違う微笑み方をするのはロードさん

一体どんな鍛え方をしてくれるのか、まったくもって知りたくもないですがね




今更だけど、ロードさんの容姿は北寄りだ

まず漆黒の髪と黒い瞳



(あ....れ、本当に今更だけど。この人まさか――――――)




「なんです、そんなに見つめて。言いたいことがあるなら口にしなさい」



私が食い入るようにロードさんを見つめるものだから、それに気づいたロードさんが眉間に皺を寄せそんなことを言ってきた




「助言だが、その男には惚れるなよ。そいつは生まれ持っての鬼畜だ、なによりお前が釣り合わない」




陛下、それは私に失礼だとは思わないのでしょうか

ロードさんに自身の憶測を確かめようとするものの陛下の一言で一気に萎れてしまった



(鬼畜はいいさ、本当の事だ。釣り合わないってなんだ、もう否定しないけどさ!)



「いえ、特になにも...」






「こんな可愛い騎士様に、そんな風に言うものではありません紳士の風上にも置けないですよ。そうは思いませんか、お嬢さん」



―――――ここに癒しが存在した!

私を見て微笑む、笑うのではなく微笑むのだ。



その微笑みは過去の面影を未だ残している

ふと思った



ちゃんと彼らは後世に血を残していたのだと


久しぶり

もう、我のことなど忘れてしまっているだろうけれど




漸く会えたね





―――――――――――――南の、ルーゼ姉さんの護り人



深紅の髪は主の為に

韓紅の瞳も主の為に



破天荒な魔女の付き人は、いつも彼女に寄り添い優しく微笑む人だった



と、云う事で少しは進んだでしょうか

進んでない?申し訳ないです←




ルーゼ姉さんとは南の魔女

コルデロ・ルゼラの愛称です、魔女限定の



補足ですがニーナさんは女性ですよ、女性(わかってたYoってかたすいません)


ここまで読んでくださってありがとうございました

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