表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陛下の専属様  作者: 月詠 桔梗鑾
第5章
103/151

日常

5章では、サクサク進めたいですね...じれったいのは月詠も嫌です←


では、どうぞ



「今日の分です」



処理しきれていない無造作に積み重ねられた紙束の上にまたも大量の冊子が置かれる



豪華な一室

王宮の一角である執務室で、一日が始まる




「――――嫌がらせか?なんだこの書類の山は」



口元をひくつかせながら苛立ちの表情を見せるは我が国の王


「何を仰います陛下。...北国への滞在期間中の仕事がたまっていたのですよ、自業自得です」




それに爽やかな笑みで答える鬼畜な男はそんな王の右腕である宰相



双方のやり取りを、口を挟まず見守るは...隣に居る直立不動の男、この国の軍を率いる騎士団長



そして...

「魔女としての知識は無いのか、使えん奴め」



何故か貶されているのは私

一応これでも時の魔女、世界の創造主です




――――――――――――

――――




「あれから、随分あちらは安定したな」



そう言って陛下は目線を書類から外へと向ける

雲一つない晴天だ



あちら、それを指す意味は説明をしなくてもきっとわかるだろう



ロードさんは少し笑いながら陛下に相槌を打っていた



「戴冠式に陛下も是非と、手紙が届いていましたよ。なんでも結婚するとか...王となり国を手に入れた瞬間に妃まで手に入るとは...いやはや贅沢ですね」



「お前の言い方は一々厭らしい、もう少し言葉を選べ言葉を」




月日はあっという間に流れこちらに帰ってきて数か月が経った


あの後ジル殿下は、公の場に姿を現し民衆に自分が次期王であると公言した



隣にはいつも寄り添うように宰相であるアンナさんが居たんだとか....


ジル殿下は復帰後、のさばっていた貴族の位を次々に剥奪していった

歴史ある貴族に対しても容赦のないジル殿下の方針に、一時期はぐらついたりもしたが国民の支持は高く、なにより私達帝国の援助あってか完全に傾く前に事は収拾した




まだまだ国民の生活水準が向上したわけではないけれど、必要最低限の生活は送れるようになったらしい



この短時間でここまで復興を遂げたことはひとえにジル殿下の力量だろう

離塔では優男でとても穏やかな人間だと思ったけれど、やるべきところではしっかりと行動を起こす彼



ここ数か月は、両国ともに諍いもなく平和な日々が続いてた



ジル殿下の弟のオルダンテ殿下は...いや、これは私が口に出していい内容ではないだろう

時が来ればきっと、真相は解明される



そんな隣国の王が明後日正式に王として名を上げるそうだ

その戴冠式と並行して、そのまま結婚式を執り行うらしい



後宮制度を真っ先に廃止したジル殿下

それだけ自身の右腕であった、アンナさんの存在が愛おしいのだろうと感じた




勿論両国の更なる発展と安定のため、陛下もその式には出席するらしい

日帰りなそうで、私の行く場面ではないだろう



だから、フゥ君にでも頼んで花を一輪届けようと思ったのはまだ内緒だ




「いやあ...平和ですね」



呑気なことを言うロードさん

片手にもったカップを眺めていた




「お前な、そんな余裕どこから湧いてくるんだ...魔女の方はちゃんと調べているんだろうな」



(本人の前でまだ性懲りもなく言いますか陛下)



シド団長とは反対の方の壁に軽く身をゆだねながら突っ込みを入れる

でも確かに、ロードさんにはそんな余裕ないと思うんだけどな...




少なくとも今まで私と一緒に旅をしていた

その間に、魔女を探すなんて高度な技ができるはずがない





「ああ、目ぼしい人が一人いますが多分気のせいでしょう...ですが着実に情報を以前より掴んでいます。今年中には探し出して見せますよ」



「期待しているぞ」



どんな情報かとても気になるが自重

グッと堪えて二人のやり取りに耳を傾ける




ふと、ロードさんと目が合った

なんだ....何を言うつもりだ、何をするつもりだ!?



「フッ...そう言えば貴方にももうすぐ教師がつくと耳にしましたが。いったいどなたで?」



そうだ

私には明日から教師なるものが着く



今更過ぎる、むしろ屈辱だっ

言いたいのを我慢して笑う



(まあ確かにこの私の教師というのだから、気にならないといったらうそになるわね)




ロードさんから視線を外しそのまま陛下を見つめる

私の教師を彼が依頼したのだそうだ...誰なのだろうか



「南の出身だ。なかなか面白いやつだぞ」



陛下の知り合いらしい

それにしても南の国とは....



随分と手広く仕事をしているのだな我が陛下は




「しっかり教育し直してもらえ...まあ俺が手伝ってやってもいいんだがな」


「――――――頑張ります」



含み笑いの陛下

そうだ、この男だって宰相と同じく鬼畜



類は友を呼ぶんだね、本当だね




そんなありふれた何気ないやり取りが交わされていた、午後の昼下がりのこと



不意に、我々の居る部屋の扉からノックをする音が聞こえてきた




陛下がその扉を開錠し、入室の許可を得たその人物を見た瞬間

私は...とても驚いた



短いですね、申し訳ありません

峠を越えれば通常通りの文字数量です、流石にもう4章の後半のように一話がそこまで長くなることは、多分、無いでしょう(・_・;)




ここまで読んでくださってありがとうございました



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ