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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
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約束

今回は誰かの過去編です!読めば分かると思います。

それで良ければどうぞ。


静かな昼下がりだった。

まだ子供だった僕は、街の外れで

ひとり座り込んでいる少女を見つけた。


「大丈夫?」

声をかけると、少女はゆっくり顔を上げた。

淡い黒髪に、小さく編み込まれたリボン。

瞳は透き通るような青色で、どこか寂しそうだった。


「平気。ちょっと、休んでただけ」

「ここ、危ないよ。町の外だから」

「うん。でも……ここ、静かだから好きなの」


名前を聞くと、彼女は少し照れくさそうに答えた。


「ミレイナ。あなたは?」

「僕はリオン」

「ふふ、なんか強そうな名前だね」


その日から、僕たちはよく一緒に過ごすようになった。そんな風に笑うミレイナの笑顔が、僕の胸を温かくした。

あの時、僕はまだ知らなかった。


フォルカリスの街に、朝の鐘が響く。

風が冷たく、空が青色。空に染まる雲がとても綺麗だった。


しかし、今日が何の日か、街の誰もが知っている。

――魔力測定の日。

子どもたちは順に集められ、各々の価値を見られる日だった。


「ねぇ、リオン。緊張してる?」

隣でミレイナが笑う。黒色の髪が、風に揺れた。


リオンは首を横に振る。

「……平気だよ。いつも通り」

「ふふ、嘘。顔がこわばってる」

「じゃあ、ミレイナは?」

「私も、ちょっと怖い。だって、使えなかったら――」


彼女は言葉を切った。

それ以上は、言ってはいけないことだと知っているから。

使えない者の行く末を、二人は街角で何度も見てきた。

働かされ、消えていく。二度と帰らない。


「大丈夫。きっと何とかなる」

リオンはそう言って、彼女の手を握った。

彼の掌は、まだ少年のそれで、温もりだけが頼りのように感じられた。


――その時は、本気で信じていた。何とかなる、と。


やがて、順番が来た。

透明な水晶の前に立つと、測定者が呪文を唱え、淡い光が立ち上がる。


リオンの手が水晶に触れると、水色の霧に染まった。

周囲がどよめく。

「高魔力……氷属性だ!早くメモ、早くメモっと」


測定者の声に、誰かが拍手した。

リオンは、振り向けなかった。

隣のミレイナの顔を見るのが、怖かった。


「次は――」

ミレイナの名が呼ばれた。

彼女は笑って一歩進み、水晶に触れた。霧の色も変わらず。

……何も、起きなかった。


光も、足音も、周りの声さえも止まった。

測定官が眉をひそめる。

「魔力反応、なし。……不要だ」


その一言が、すべてを決めた。


「……そんな、はず」

ミレイナが呟く。

リオンが駆け寄ろうとした瞬間、兵士に腕を掴まれた。

「待ってください!彼女は――!」

「離れろ、少年。無魔力は登録外だ」


冷たい声が響く。

ミレイナは、微笑もうとして、うまくできなかった。

「大丈夫だよ、リオン。私、平気だから……」


けれどその笑顔が、最後だった。


翌日、彼女は姿を消した。

街のどこを探しても、名前さえ記録に残っていなかった。

――まるで最初から存在しなかったかのように。


彼女の家は、もう空っぽだった。


家具も、人の気配も、すべて。

残されていたのは、噴水のほとりに落ちた、小さなリボンだけ。


「ミレイナ?」

呼んでも、返事はない。


その時、僕は改めて裏の世界という言葉を聞いた。

魔法を使えない者が連れて行かれる場所。

帰ってこない人たちの行方。


「……ミレイナ。もう一度、会いたいよ」


風にリボンが揺れる。

その願いが届くまで、僕は歩くのを辞めなかった。


ここまでくださりありがとうございます。


熱もさがり、元気です。ただの風邪でした。お騒がせしました。コがつくやつでもなく、イがつくやつでもありません。くそー!一週間休みが!たったの一日で治ってしまいました。ルナティナよりも早い。


こんなことはさておき、次の話も続きからになるかもしれません。今回、三話ぐらいに登場するやつを再登場させたのですが、読み直しますよね、私の心が抉られました。誰だこの!なんだこの口調が違うキャラは?と思いました。台詞長いし、まぁ、仕方ないですよね?初めて書いたのですよ!最初は、演じてると思ってた方がいいです!結構、過去の設定見直しましたよ。


過去の設定は後書きにほとんど書かれているので良かったら見直してみてください。作者の心が抉られますが。


現在この話の続きを書いてるのです。そして、その話に関連話を見る訳ですよ、誤字とか名前を間違ってたりしていましたね。ちょっと流石に気になり過ぎたので直します。後で。

過去に直しませんとか、言っていましたけど、ちょっとこれぐらい直さないと、私の心のライフが四分の二削られたので直します。

こんな話でしたが、これで後書きは終わりです。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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