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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
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性格がー!

今回の話は性格が真逆になった話の続きです。

かっこいいいつものキャラ達はいません。

キャラ崩壊してますね。それで良ければどうぞ。


次のターゲット:エドガー。

ルナティナは覚悟を決めた。

もう怖い……けど、避けて通れない……!


ドアの向こうから、軽やかな鼻歌が聞こえてくる。え?鼻歌?


ガチャッ。

「エドガー、入るね──」


その瞬間、視界に飛び込んできたのは。

「お嬢様、今日も一段とお綺麗でございますね!」


満面の笑みで両手を胸の前に組み、ふわっと回転するエドガー。黒い手袋をひらひらとさせながら、まるで舞踏会の令嬢だ。


「え、えどがー!?!?」

「まぁまぁ、そんな怖い顔しないでくださいませ。笑顔が一番ですよ」

「……誰っ!?」

「エドガーです♡」


うそでしょ!?言葉の端に♡が見える!!

ルナティナは後ずさる。


「ねぇ、なんでそんなテンション!?いつものお嬢様、支度をのキレがないんだけど!?」

「しかし、ピリピリしたらお肌に悪いです」

「誰の!?!?」

「お嬢様の♡」

「やめてえぇ!!!」


フィシリアがドアの外で吹き出した。

「ぷっ……やば、エドガー、完全に乙女化してるじゃん」

「笑い事じゃないからね!?」


ルナティナはエドガーを指差した。

「いい!?あんたはいつも冷静で、私を叱ってくれる立場でしょ!?この屋敷のバランス壊してるの分かってる!?」


「叱るなんてとんでもない。お嬢様が間違っても、それが正義です♡」

「なにその信仰心!!!」


──この屋敷、ほんとに終わった。


「お願い、戻ってよ……!」

「戻りたくありません♡」

「もう無理だ!」


ルナティナは叫んで頭を抱える。

もう……残るはロディ兄だけ……!頼むから、兄上までおかしくなってませんように!


最後のターゲットロディ。

ルナティナは深呼吸をひとつ。

「……兄上だけは、まともでいてください」

祈るように扉を開けた。


その先には、机に向かう兄の姿。

……が。


「夜は来る。毎日月を、照らすように……ふふ、どうだろう、この俳句」


「え、……は、俳句?」


「おや、ルナティナか」

ロディはふっと微笑んだ。

その表情は穏やか、なのにどこか影が差していて、妙にかっこいい。


「僕は考えていたんだ。愛とは何か、命とは何か。

夜が明けるたび、僕の中の何かが死んでいく気がしてね」


「ちょ、ちょっと待って!?朝から重いよ兄上!!」

「朝――それもまた、いつかを覆う仮面かもしれない……」


「意味わかんない!!!」


ルナティナは両手で頭を抱えた。

兄上、ポエマーどころか闇落ちしてる!?厨二病っぽい!


「ふふ……その困惑も、美しい。まるで流れ星のようだ」

「誰の話!?私!?やめて」


「やめて……嗚呼、その声。悲鳴すら楽譜のようだ」


「もうやだああああああ!!!」


ルナティナはドン引きした。

ドアの外で、チャラフィシリアが大爆笑していた。

「ルナティナ~兄貴、才能開花してんじゃん!」

「笑ってる場合じゃない!」


ルナティナは涙目で叫んだ。

「いい!?兄上、いつものお転婆、元気かとか、危ないぞでいいの!なんで詩で語るの?」


ロディは少しだけ目を細めた。

「……君の声が、僕を現実に引き戻す。」

「戻って!!!」


もう限界だった。気持ち悪いし、変だし。

ルナティナは治す魔法考えを、叫ぶ。

「みんな、正気になれ!!!」


光が屋敷を包み込む。風が舞い、静寂が戻る。


……やがて、リオンの穏やかな声がした。

「ルナティナさん……あれ?何が起きていたんですか?」


フィシリアが首を傾げる。

「僕、変なことしてましたか?」


エドガーがため息をついた。

「お嬢様、どうしたのですか?」


ロディが微笑む。

「?」


ルナティナはがっくりと崩れ落ちた。

「疲れた。ほんとに……ツッコミで喉枯れそう」


フィシリアが優しく微笑んで、紅茶を差し出す。

「お疲れ様です、主人」

「その主人が、こんなに嬉しい日が来るなんて」


屋敷に静けさが戻った。

そう思いかけた、そのときだった。


「おはようございます、主人」

僕が声をかけると、彼女は一瞬こちらを見て

──ぷい、と顔をそむけた。


「おはよう。別に、あなたに挨拶返す義務ないけど?」


……え?

僕の脳が一瞬止まる。今、なんと?

主人が、素でそんな言葉を?


「えーっと……もしかして、機嫌が悪いですか?」

「悪くなんてない。勝手に決めつけないでよ!」


いや、完全に怒っているではないか。

隣でリオンさんが心配そうに覗き込む。

「ルナティナさん、大丈夫ですか? 寝不足ですか?」

「ち、違う!うるさい! いちいち気にしないで!」


何かが起こっている。

僕は一歩近づき、慎重に観察した。

表情は強気、言葉はとげとげしい。

けれど、耳まで赤い。照れ隠しか……?


「主人、もしやさっきの魔法の影響が──」

「うるさい!その話禁止!!」


……図星だ。


僕は思わずため息をついた。ちらりと彼女を見る。

紅茶を注ぐ手が震えている。


「主人、失礼ながら──今、少し変わっておられます」

「変わってない!!」

「いえ、ツン……いえ、反応がすべてツンでございます」

「ツンじゃないってばっ!!」


その瞬間、紅茶ポットの中身が派手にこぼれた。

リオンが慌ててハンカチを差し出す。

「大丈夫?火傷してませんか?」

「っ、だ、だいじょ……だいじょうぶ……!」


顔真っ赤。完全にだめだこの人。

僕は思わず口元を押さえて笑ってしまった。


「失礼。まさか、ご主人がここまで可愛らしいとは」

「かっ…かわっ!? だ、誰が!??」

「主人、でございます」

「またそれ言ったら、凍らせるよっ!!」


いつもだったら照れないハズですが。

……全く、手のかかる人だ。

だが、この混乱の中にも、確かに彼女らしさが戻っている気がした。そして私は心の中で、静かに結論を出す。


──主人が何かがあっても。

それでもやっぱり、僕はこの人に仕えよう。


ここまで読んでくださりありがとうございます。


原因はなんだっただろうなー?少しでも笑えたならいいですね。もう11月ですね、引き続き頑張ります!


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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