性格がー!
今回の話は性格が真逆になった話の続きです。
かっこいいいつものキャラ達はいません。
キャラ崩壊してますね。それで良ければどうぞ。
次のターゲット:エドガー。
ルナティナは覚悟を決めた。
もう怖い……けど、避けて通れない……!
ドアの向こうから、軽やかな鼻歌が聞こえてくる。え?鼻歌?
ガチャッ。
「エドガー、入るね──」
その瞬間、視界に飛び込んできたのは。
「お嬢様、今日も一段とお綺麗でございますね!」
満面の笑みで両手を胸の前に組み、ふわっと回転するエドガー。黒い手袋をひらひらとさせながら、まるで舞踏会の令嬢だ。
「え、えどがー!?!?」
「まぁまぁ、そんな怖い顔しないでくださいませ。笑顔が一番ですよ」
「……誰っ!?」
「エドガーです♡」
うそでしょ!?言葉の端に♡が見える!!
ルナティナは後ずさる。
「ねぇ、なんでそんなテンション!?いつものお嬢様、支度をのキレがないんだけど!?」
「しかし、ピリピリしたらお肌に悪いです」
「誰の!?!?」
「お嬢様の♡」
「やめてえぇ!!!」
フィシリアがドアの外で吹き出した。
「ぷっ……やば、エドガー、完全に乙女化してるじゃん」
「笑い事じゃないからね!?」
ルナティナはエドガーを指差した。
「いい!?あんたはいつも冷静で、私を叱ってくれる立場でしょ!?この屋敷のバランス壊してるの分かってる!?」
「叱るなんてとんでもない。お嬢様が間違っても、それが正義です♡」
「なにその信仰心!!!」
──この屋敷、ほんとに終わった。
「お願い、戻ってよ……!」
「戻りたくありません♡」
「もう無理だ!」
ルナティナは叫んで頭を抱える。
もう……残るはロディ兄だけ……!頼むから、兄上までおかしくなってませんように!
最後のターゲットロディ。
ルナティナは深呼吸をひとつ。
「……兄上だけは、まともでいてください」
祈るように扉を開けた。
その先には、机に向かう兄の姿。
……が。
「夜は来る。毎日月を、照らすように……ふふ、どうだろう、この俳句」
「え、……は、俳句?」
「おや、ルナティナか」
ロディはふっと微笑んだ。
その表情は穏やか、なのにどこか影が差していて、妙にかっこいい。
「僕は考えていたんだ。愛とは何か、命とは何か。
夜が明けるたび、僕の中の何かが死んでいく気がしてね」
「ちょ、ちょっと待って!?朝から重いよ兄上!!」
「朝――それもまた、いつかを覆う仮面かもしれない……」
「意味わかんない!!!」
ルナティナは両手で頭を抱えた。
兄上、ポエマーどころか闇落ちしてる!?厨二病っぽい!
「ふふ……その困惑も、美しい。まるで流れ星のようだ」
「誰の話!?私!?やめて」
「やめて……嗚呼、その声。悲鳴すら楽譜のようだ」
「もうやだああああああ!!!」
ルナティナはドン引きした。
ドアの外で、チャラフィシリアが大爆笑していた。
「ルナティナ~兄貴、才能開花してんじゃん!」
「笑ってる場合じゃない!」
ルナティナは涙目で叫んだ。
「いい!?兄上、いつものお転婆、元気かとか、危ないぞでいいの!なんで詩で語るの?」
ロディは少しだけ目を細めた。
「……君の声が、僕を現実に引き戻す。」
「戻って!!!」
もう限界だった。気持ち悪いし、変だし。
ルナティナは治す魔法考えを、叫ぶ。
「みんな、正気になれ!!!」
光が屋敷を包み込む。風が舞い、静寂が戻る。
……やがて、リオンの穏やかな声がした。
「ルナティナさん……あれ?何が起きていたんですか?」
フィシリアが首を傾げる。
「僕、変なことしてましたか?」
エドガーがため息をついた。
「お嬢様、どうしたのですか?」
ロディが微笑む。
「?」
ルナティナはがっくりと崩れ落ちた。
「疲れた。ほんとに……ツッコミで喉枯れそう」
フィシリアが優しく微笑んで、紅茶を差し出す。
「お疲れ様です、主人」
「その主人が、こんなに嬉しい日が来るなんて」
屋敷に静けさが戻った。
そう思いかけた、そのときだった。
「おはようございます、主人」
僕が声をかけると、彼女は一瞬こちらを見て
──ぷい、と顔をそむけた。
「おはよう。別に、あなたに挨拶返す義務ないけど?」
……え?
僕の脳が一瞬止まる。今、なんと?
主人が、素でそんな言葉を?
「えーっと……もしかして、機嫌が悪いですか?」
「悪くなんてない。勝手に決めつけないでよ!」
いや、完全に怒っているではないか。
隣でリオンさんが心配そうに覗き込む。
「ルナティナさん、大丈夫ですか? 寝不足ですか?」
「ち、違う!うるさい! いちいち気にしないで!」
何かが起こっている。
僕は一歩近づき、慎重に観察した。
表情は強気、言葉はとげとげしい。
けれど、耳まで赤い。照れ隠しか……?
「主人、もしやさっきの魔法の影響が──」
「うるさい!その話禁止!!」
……図星だ。
僕は思わずため息をついた。ちらりと彼女を見る。
紅茶を注ぐ手が震えている。
「主人、失礼ながら──今、少し変わっておられます」
「変わってない!!」
「いえ、ツン……いえ、反応がすべてツンでございます」
「ツンじゃないってばっ!!」
その瞬間、紅茶ポットの中身が派手にこぼれた。
リオンが慌ててハンカチを差し出す。
「大丈夫?火傷してませんか?」
「っ、だ、だいじょ……だいじょうぶ……!」
顔真っ赤。完全にだめだこの人。
僕は思わず口元を押さえて笑ってしまった。
「失礼。まさか、ご主人がここまで可愛らしいとは」
「かっ…かわっ!? だ、誰が!??」
「主人、でございます」
「またそれ言ったら、凍らせるよっ!!」
いつもだったら照れないハズですが。
……全く、手のかかる人だ。
だが、この混乱の中にも、確かに彼女らしさが戻っている気がした。そして私は心の中で、静かに結論を出す。
──主人が何かがあっても。
それでもやっぱり、僕はこの人に仕えよう。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
原因はなんだっただろうなー?少しでも笑えたならいいですね。もう11月ですね、引き続き頑張ります!
ここまで読んでくださりありがとうございました。




