良いでしょ?
今回は前回のその後の様子です。ロディ視点です。
良ければどうぞ!
魔法が終わった夜。
長い戦いの終焉を迎えた空には、やわらかな光が満ちていた。ロディは丘の上で、静かに深呼吸をした。
胸の奥に残っていた黒い靄は、もうどこにもない。
「……終わったな」
隣で風に髪を揺らしながら、ルナティナが小さく頷いた。
「うん。でも、なんか寂しいね」
「寂しい?」
「だって、もう兄上がどこか行っちゃいそうだから」
ロディは少しだけ目をそらす。
「俺は怪盗だ。見つけた物が消えた今、やることもないしな」
「ふーん、そうやってすぐ消えるんだ」
「……お前な」
ルナティナは腕を組み、じっと睨む。
「じゃあ、家来なよ。屋敷、空いてる部屋いっぱいあるよ」
「断る」
「なんで!?」
「俺がいると騒がしくなる」
「え、それ私でしょ!」
「……二倍騒がしくなる」
ぷくっと頬を膨らませたルナティナは、地面にしゃがみこんだ。
「じゃあもう、ここで泣く。兄上が来てくれないなら、ここで凍える」
「おいおい、何言って――」
「泣く!ほら!涙がー」
ロディは額を押さえた。
「……ったく。子どもの頃から変わらねぇな」
「え、じゃあ?」
「行くよ。ちょっとだけだぞ」
「やったぁ!」
ルナティナはぱっと立ち上がって、ロディの腕にしがみついた。
「兄上、大好き!」
「……はいはい。離れろ、転ぶぞ」
「お兄ちゃん、冷たい〜!」
ロディは苦笑しながら、彼女の頭を軽く叩いた。
「まったく……拾われたフリでもしておくか」
「え?ほんとに?」
「その方が説明が楽だろ」
「うん!」
屋敷の門。
「……だから言ってるだろ、俺は来るつもりじゃなかったんだ」
「でももう来ちゃったし、仕方ないじゃん。ね、兄上」
「その言い方やめろ。ぞわっとする」
「じゃあ、お兄ちゃん?」
「もっとやめろ!」
ルナティナは笑いながら、ロディの腕を引いて屋敷の門をくぐる。ロディの顔はすっかり旅人仕様――髪をわざとぼさつかせ、目元を隠すように布を巻いている。
「ただいまー!」
玄関の扉を開けると、フィシリアが即座に現れた。
「……主人、また拾ってきたんですか?」
「道端で倒れてた!目が合っちゃって、見捨てられなかった」
「目が合っただけで拾う人なんて、あなたぐらいですよ」
「うん、知ってる」
「部屋は東の客室を使わせましょう。主人、あとで説明を」
「了解した!」
ルナティナが笑顔で手を振る。
ロディは溜め息をつきながら、彼女の背中を見た。
「まったく……どんな言い訳してんだ、俺がここにいる理由」
ルナティナは振り向いて、いたずらっぽくウィンクする。
「兄上が出掛けたる途中で行き倒れてた。それで完璧!」
「完璧に嘘だろ、それ」
「いいの!家族なんだから!」
ロディは呆れながらも、口元に微かに笑みを浮かべた。
――この妹には、敵わない。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
おまけはありません。
もう少しルナティナとロディの関わりを書きたかったんです。兄妹愛。駄目ですか?
あと、ロディを少しだけ気に入ったからです。
そろそろ、エドちゃんと、フィちゃん出てきそうだな〜。(キモかったらごめんなさい)
金曜日しか平日はやる気が出ません。あと、好きな教科がある日しか。
本当は月曜日とか投稿したい。皆さんの仕事とかの励みとかになってるのかもしれないし。こうゆう時こそ頑張れる人は凄い。
ここまで読んでくださりありがとうございました。




