モブ
今回も続きです。次で終わりかな?
それで良ければ読んでください。
薄暗い図書館の奥、重い扉がぎぃ――と開いた。
ロディが即座に反応する。
「誰だ?」
足音が、静かに響く。
ローブをまとった男が姿を現した。
その眼差しには、どこか懐かしさがあった。
「久しいな、ロディ・ローズ。お前の父に仕えていた……弟子だ」
ロディの目が一瞬だけ揺れる。
「……弟子、だと?」
ルナティナが小声で囁く。
「え、急に出てきたけど……誰?」
ロディが小さく答える。
「知らん。初耳だ」
「設定薄っ!!」
「いや俺に言うな!?」
ルナティナが呆れ顔で言う。
「だってさ、登場早々父の弟子ですとか言ってるくせに、
名前がないんだけど!」
男のこめかみにピキッと青筋が浮かぶ。
「……貴様、観察が鋭すぎるな。物語の外から刺してくるとは」
「え、なにそれ?」
「やめろ、お前ら……本気で怒らせるぞ!」
ロディがため息をつく。
「はいはい、設定薄くても敵は敵だ。戦うぞ」
「薄い敵とか言わないで!
ルナティナは爆笑しながら杖を構えた。
「でも、どうせなら名前ぐらい欲しいね。えっと……モブ?」
「貴様ァ!!」
黒い魔力が空間を切り裂いた。
ロディの手が太ももに触れた瞬間、銀の閃光が走った。
何が起こったのか理解する前に、敵の刃が弾かれていた。
「……お前、見た目のわりに力あるな」
「師匠の教えを侮るな!」
弟子が再び魔力を放つ。だが、ルナティナが杖を掲げた瞬間、淡い光が周囲に広がった。
重い衝撃音のあと、静寂が戻った。
ロディは剣を納め、息をつく。
「……終わり」
弟子は床に崩れ落ち、ローブの裾がゆっくりと揺れた。
「まさか……これほどとは……」
彼の声はかすかに震え、次第に消えていった。
「これ、私居なくで良かったくない?あっけなかった」
ロディが苦笑しながら答える。ロディは短剣を軽く払って鞘へ戻す。太ももに戻したその動作は、癖のように自然だった。
「設定薄いからな」
ルナティナはぷっと吹き出した。
「まだ言う!?」
ルナティナは杖をくるくると回しながら、弟子の倒れた方を見やった。
「ねぇ、あの人、何を守ろうとしてたんだろ」
「父さんの弟子だ。きっと、何か残したいものがあったんだろ」
ルナティナはしばらく黙っていたが、ふっと微笑む。
「兄上、優しいね」
「やめろ、気持ち悪い言い方すんな」
「褒めてるのに!」
「お前の褒め方は信用ならん」
ふたりの笑いが、静かな図書館に響いた。だが、そのとき、倒れた弟子のローブの中から、小さな封書が滑り落ちた。
>ローズ家の真実を知りたくば、旧図書館の奥へ
「なにこれー真実だって。行こうよ」
「そうだな」
ロディは頷いた。
そしてルナティナ達はまた一歩と踏み出した。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次の話の内容が難しくなるかもしれません。
書いていたのですが、長かったので、一区切りにしました。今回のおまけは、エドガーと、フィシリアについて話そうかな。
おまけ
エドガーは夜の散歩やボードゲームをするのが好きらしいですよ。なぜなら、散歩は自分だけの時間を過ごせてるし、ボードゲームでは、勝ち負けだけでなく、相手の反応や思考を観察すること自体が楽しいらしいかららしいです。あと、この人甘党です。
フィシリアは手作りものを作るのが好きで人の観察をするのが好きらしいです。何故かって?作品作りに没頭していると、周囲の騒がしさや雑念を忘れられるし、人の観察は学びや発見が楽しいから、らしいですよ。
学校なのでさよなら〜
ここまで読んでくださりありがとうございました。




