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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
43/84

調査中

今回も続きです。長いです。

良ければ読んでください。

旧図書館前

「……わかるか? 空気が重い」

ロディがぼそりとつぶやいた。


ルナティナも無意識に息を呑む。


「本当に行くの?」

「そうだ。行こう、お転――」


「その呼び方したら置いてくから」

ルナティナは軽くため息をつく。


「言うと思った……」

扉を開けようとするロディ。

「行かないで、帰ろうよ」


ぴたりとロディが止まる。

「え?今なんて?」

「……帰りたいって言ったの」

「珍しいな、お前が」


ルナティナは眉をひそめた。

「心では行こうって言ってるのに、口が勝手に」


ロディの目がわずかに鋭くなる。

「つまり、感情と反対のことを言う魔法?」

「そっ……そんなんじゃない。あ、ちがう!そうかも」

「わかりづらっ!!」

ロディが思わずツッコむ。


ルナティナは、にやりと笑った。

「わかった。使いようによっては便利」

「便利って何が!?」

「言ってること逆になるんだぞ!?」


「だからこそ、試す価値があるの」

ルナティナは紅い瞳を細めて、挑発的に笑う。

「兄上なんて、信頼してません」


「は?」

「つまり、信頼してるってこと」

「いや、わざと使うなよ!?」


彼女は頬杖をつき、まるで舞台女優のように言葉を操る。

「兄上、世界で一番大嫌いです」

「やめろ、それ、わざとだろ」

「逆に言えば一番大好きってこと」


ロディの耳が、わずかに赤く染まった。

「……お前、ほんとタチ悪いな」

「えぇ、でもこの魔法、思ってることは言えないけど、伝えたいことはちゃんと伝わるの。不思議〜」


「つまり、それ本音なんだな?」

ルナティナは目を細め、唇に笑みを浮かべた。

「さて、どっちでしょう?」


ロディは小さく息を吐いた。

「まったく、昔からお前は……」

「素直で、可愛い妹でしょう?」

「……その反対だ」


「ふふ、知ってる」



二人の声が、静まり返った街の中に響く。

今度こそ扉を開けたロディが一歩足を踏み入れた瞬間、古びた本棚がギシリと音を立てた。


「……おい、今、動いたぞ」


「気のせいでしょ。まさか本が動くわけ」


ドサァァァンッ!


巨大な辞典が棚から落ち、ルナティナのすぐ目の前に突き刺さった。


「ちょ、ちょっと待って!本が攻撃してくるとか聞いてない!」


「この街の図書館は、知識が意思を持つって噂だったろ。どうやら、歓迎されてないみたいだな」


次の瞬間、ページがバサバサと開かれ、黒いインクが生き物のように飛び散る。


「インクまで動くの!?」

ルナティナが詠唱を早口で始める。

「影よ、舞い散れ。光よ、刃となれ。闇と月の狭間に咲く花よ──夜蓮!」

攻撃をするも、インクはそれをすり抜け、ロディの頬に飛んだ。


「うわ、冷たっ!これ、しみるんだが!?」

「ごめん!避けて!」

「避けたらお前に当たるだろ!?」


ロディが剣を構えた瞬間、インクが空中で形を変え、

巨大な羽ペンへと姿を変える。


ロディは思わず苦笑した。

「お前の魔法も大概だが、こいつらも芸術家気取りだな!」


羽ペンが突進してくる。

ロディは剣で受け止め、火花のようにインクが弾けた。


「なぁルナティナ、これ倒しても汚れるだけじゃねぇか!?」

「文句言わない!どうせ洗えば落ちる!」


「お前のどうせほど信用できない言葉ないな」


「今の、逆の意味で信じてってこと!」

「もうややこしいんだよ、その魔法!!」


ロディの叫びとともに、剣が青く光る。

まるで言葉そのものを斬り裂くように、空気が震え、インクの羽ペンが弾け飛んだ。


黒い滴が宙に散り、花が咲くように広がる。

静寂が戻った。


ロディは深いため息をつく。

「……お前の言葉より、あのインクの方がまだ素直だったな」

「ありがとう。それ、褒め言葉だよね?」


「……逆の意味でな」


二人の笑い声が、静かな図書館に響いた。

静まり返った図書館の奥。

ひときわ古い、月の紋章が刻まれた本が、淡く光っていた。


「これ、なんだろ」


ルナティナがそっと手を伸ばす。

指先が表紙に触れた瞬間、

ページが自動的に開かれ―そこから柔らかな光が溢れ出した。


ロディが思わず目を細める。

「むやみに触れるなって。おい……映像が、出てるぞ」


本の上に、まるで記憶を再生するように映し出されたのは二人の人物。優しげな女性と、冷たい目をした男性。


ルナティナは息を呑んだ。

「……お母様と、お父様……?」


映像の中の声が、ゆっくりと響く。


『感情を封じれば、人は穏やかに生きられるだぞ』

『でも、それじゃ心が死ぬのよ。私はそれに耐えられない』


「まさか、このことが原因で感情が消える魔法が?」


その瞬間、本から吹き出すように黒い靄が広がり、映像が掻き消えた。

「なにこれ?」


本を閉じたあと、残された魔力が空気に溶けた。

それに触れたルナティナの視界が、ふっと暗転する。

気づけば、見知らぬ訓練場に立っていた。


「……ここどこ?」


剣の交わる音が響く。

視線を向けると、少年のロディがひとり、剣を振っていた。その前には、厳しい表情の男。父親だ。


「感情を捨てろ、ロディ。迷いがあるうちは、人を守れん」

「でも……守るって、そういうことじゃ――」

「反論するな!」


乾いた音とともに、少年の木剣が弾かれる。

小さな手に赤い痕が残る。


「感情に呑まれる者は、いつかそれを利用される。

感情を殺せ。そうすれば、お前は最強になれる」


少年のロディは唇を噛み、涙をこらえてうなずいた。

だが、その目はどこか悲しげだった。


場面が切り替わる。

夜。ひとりで剣を磨くロディの姿。


「感情を捨てろ、か。そんなの、無理だろ……父さん。早く五年経たないかな。」


手にした剣に映る自分の顔を見つめながら、

ロディは小さく笑った。

「従ってるフリしとこ。誰かを守るために剣を握るなら……俺は、感情を捨てない。こんな感じか?」


その言葉が、淡い光と共に消えていく。

ルナティナは静かに目を開いた。


目の前には今のロディが立っていて、少し驚いたようにこちらを見る。


「どうした?」

ルナティナはロディの過去の映像から戻ってきた。

「ごめん。勝手に過去見た」

ルナティナは笑いを堪えている

「何笑いを堪えてるだよ」


「小さい頃に……従ってるフリしとこって考えてたでしょ。そのことについて見た。ほんと笑った」

ルナティナは思わずくすりと笑う。


「……なんだ、その笑い方は。ま、まあ、あの時は必死だったからな」


「まぁ、いい、探索するぞ」


ここまで読んでくださりありがとうございます。


書くこと思いつきました。

キャラ設定について話しときますかね。


おまけ

ルナティナはピアノを弾いたり、絵を描いたりするのも大好き。あと、外の景色を眺めることやマフィン作りも大好きです。味見担当はもちろんルナティナ本人です。

作る理由は食べたかったかららしいです。


ロディは剣を握ると真剣そのものだけど、普段は夜の街を歩いたり、こっそりカフェでコーヒーを飲んだりするのが好き。理由は落ち着けるかららしいです。読書も好きらしいですよ。


これからこうゆうの後書きに書こうかなー。なにより、キャラについて詳しく知れるし。いいですよね。これから話が長くなるかも知れません。休憩挟んでください。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

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