お得意様〜
今回は前回と繋がっています。
久々のフィシリア視点です。
それで良ければ読んでください。
本当に、屋敷という場所は静けさを好む。
……少なくとも、普段なら。
だがその夜は違った。
煌めく青い光が、屋敷の廊下を満たしていた。
「お嬢様。やっぱりそれは危険です」
エドガーさんの声が響く。
僕は階段の上から様子を見下ろしていた。
主人の胸元で、八枚の花弁を模したペンダントがまばゆく光を放っている。屋敷の空気までも揺らしていた。
……多分だけど、例の商人に関係があると思う。
もう一度会うとは思っていましたが、まさか何かを買ってくるとは。
「エドガー、落ち着いて。これ、ただ光ってるだけだよ」
「ただ、ではありません。それは」
その時だった。
ペンダントから、微かな声が漏れた。
『お嬢様は危険だとわかってくれません』
静寂が訪れた。
主人も、エドガーさんも、僕も
一瞬、時間が止まったようだった。
「……お嬢様?そうですよね」
主人は目を泳がしている。
その目は、明らかに言っていた。
――聞かなかったことにしようと。
だが、ペンダントは容赦がない。
続けて、金色の光が走る。
『燃やせないでしょうか』
今度は、僕の方だった。
「これは面倒な物ですね」
主人が、ため息をつきながら淡々と告げる。
「まぁ、いっか、燃やして終わりでしょ」
「お嬢様、それは……多分、燃えません」
「えぇ?一回やってみようよ。チャレンジしないと分からないよ」
「お嬢様、全くわかっていませんよね」
主人は、僕の方を見た。
「……フィシリア、トリスって男の住所、知ってる?」
「……残念ながら存じませんが、調べておきましょうか」
「うん。ちょっと話し合いしてくる」
「物理的な意味でしょうか」
「ええ、もちろん」
ペンダントがまた、小さく光った。
主人は深く息をつき、手の中のペンダントをじっと見つめた。
「……トリスに会って、少し話をつける必要がある」
僕も視線を合わせる。
「お嬢様、それは安全でしょうか?」
「危険かもしれないけど、ペンダントを返品する取引をかける」
その後、屋敷を出て、トリスの店へ向かうルナティナであった。
店内は相変わらず、奇妙な香りと光で満たされている。
「おやおや、お得意様、またお目にかかれて光栄です!」
トリスはにやりと笑った。
「……これは、また副作用を起こしてますね」
私は冷静にペンダントを差し出す。
「このペンダントに返品を求めていい?」
「受け付けないと言いましたけど、今回は!受け付けましょう。ですが、私、商人ですから、安全な取引なしには動けません。すみませ〜ん」
「……取引」
「そうです、お得意様に条件ひとつだけ。これを飲んでください」
「飲む?魔法薬を?」
「安心してください、命の危険はありませんので」
トリスは小瓶を差し出した。
「これを、飲んでいただきたいのです」
静かに小瓶の蓋を開ける。えぇ?これ飲むのー?まぁ、自分で炊いた種だしなー。
「……」
ひと口、薬を飲むと……トリスの瞳が、いきなり輝き出した。
「おっ……お得意様……!」
ルナティナが顔を上げると、目が合った瞬間、トリスは思わず手を震わせた。
「……これは、まさか……!」
トリスは混乱しながらも、どこか懐かしい表情を浮かべる。
「この感覚懐かしい。運命……いやいや、違う!でも……!」
「何?」
「もっと近くで見せてください!その声も、仕草も」
意味がわからない。
「飲んだし、じゃあ、これ返品」
「もう去っちゃうのですか?」
トリスが悲しそうな顔で話す。無視でいいや。
「そうだね。バイバイ」
ここまで読んでくださりありがとうございます。
フィシリア視点久しぶりですね。ルナティナが書きやすくて。気付きましたか?視点が切り替わったのが。
分かりずらかったかもしれませんが、気合いで乗り切ってください。
前回の後書きで書くことなし!と言いましたが、全然書くことありました。今回後書き長いです。
例えば真相堂やら、ハッカクレンやら、説明書けばよかった。
先に真相堂について話しますかね。
トリスさんが経営している店です。主に魔法道具などを売っています。
魔法道具とは、話したっけ?
覚えてません!ごめんなさい。もう一回話を聞くことになるかもしれませんが、話します。
魔法道具とは、魔法の力が組み込まれた道具や装飾品のことです。持つことで魔法を発動させたり、特定の効果を得られたりするものです。
まだ沢山の問いがー。
ハッカクレンとは?
葉です。葉の名前です。前回では、こうゆう形だよと伝えたかっただけです。よければ調べてみてください。
想いのペンダントについて
魔法道具:想いのペンダント
小さな八枚の花弁を持つペンダント。中心には宝石が埋め込まれており、光の色が状況や感情に応じて変化する魔法が秘められているため、使用者や周囲の心に影響を与えることがある。
効果:光によって周りの人の感情がわかる
副作用:心の声が聞こえてしまう
制限:強力な魔力や精神力を持つ人物には影響が弱まる場合がある。逆に純粋な心を持つ人ほど効果が強まる。
とここまででしょうか。次回も続きなので、お楽しみにら。
ここまで読んでくださりありがとうございました。




