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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
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お得意様〜

今回は前回と繋がっています。

久々のフィシリア視点です。

それで良ければ読んでください。


本当に、屋敷という場所は静けさを好む。

……少なくとも、普段なら。


だがその夜は違った。

煌めく青い光が、屋敷の廊下を満たしていた。


「お嬢様。やっぱりそれは危険です」

エドガーさんの声が響く。

僕は階段の上から様子を見下ろしていた。


主人の胸元で、八枚の花弁を模したペンダントがまばゆく光を放っている。屋敷の空気までも揺らしていた。


……多分だけど、例の商人に関係があると思う。

もう一度会うとは思っていましたが、まさか何かを買ってくるとは。


「エドガー、落ち着いて。これ、ただ光ってるだけだよ」

「ただ、ではありません。それは」


その時だった。

ペンダントから、微かな声が漏れた。


『お嬢様は危険だとわかってくれません』



静寂が訪れた。


主人も、エドガーさんも、僕も

一瞬、時間が止まったようだった。


「……お嬢様?そうですよね」

主人は目を泳がしている。


その目は、明らかに言っていた。

――聞かなかったことにしようと。


だが、ペンダントは容赦がない。

続けて、金色の光が走る。


『燃やせないでしょうか』


今度は、僕の方だった。

「これは面倒な物ですね」


主人が、ため息をつきながら淡々と告げる。

「まぁ、いっか、燃やして終わりでしょ」

「お嬢様、それは……多分、燃えません」

「えぇ?一回やってみようよ。チャレンジしないと分からないよ」


「お嬢様、全くわかっていませんよね」


主人は、僕の方を見た。

「……フィシリア、トリスって男の住所、知ってる?」

「……残念ながら存じませんが、調べておきましょうか」

「うん。ちょっと話し合いしてくる」

「物理的な意味でしょうか」

「ええ、もちろん」


ペンダントがまた、小さく光った。



主人は深く息をつき、手の中のペンダントをじっと見つめた。

「……トリスに会って、少し話をつける必要がある」


僕も視線を合わせる。

「お嬢様、それは安全でしょうか?」

「危険かもしれないけど、ペンダントを返品する取引をかける」


その後、屋敷を出て、トリスの店へ向かうルナティナであった。



店内は相変わらず、奇妙な香りと光で満たされている。

「おやおや、お得意様、またお目にかかれて光栄です!」


トリスはにやりと笑った。

「……これは、また副作用を起こしてますね」


私は冷静にペンダントを差し出す。

「このペンダントに返品を求めていい?」

「受け付けないと言いましたけど、今回は!受け付けましょう。ですが、私、商人ですから、安全な取引なしには動けません。すみませ〜ん」

「……取引」


「そうです、お得意様に条件ひとつだけ。これを飲んでください」

「飲む?魔法薬を?」

「安心してください、命の危険はありませんので」


トリスは小瓶を差し出した。

「これを、飲んでいただきたいのです」


静かに小瓶の蓋を開ける。えぇ?これ飲むのー?まぁ、自分で炊いた種だしなー。

「……」


ひと口、薬を飲むと……トリスの瞳が、いきなり輝き出した。

「おっ……お得意様……!」

ルナティナが顔を上げると、目が合った瞬間、トリスは思わず手を震わせた。


「……これは、まさか……!」

トリスは混乱しながらも、どこか懐かしい表情を浮かべる。

「この感覚懐かしい。運命……いやいや、違う!でも……!」

「何?」


「もっと近くで見せてください!その声も、仕草も」

意味がわからない。

「飲んだし、じゃあ、これ返品」

「もう去っちゃうのですか?」

トリスが悲しそうな顔で話す。無視でいいや。


「そうだね。バイバイ」


ここまで読んでくださりありがとうございます。


フィシリア視点久しぶりですね。ルナティナが書きやすくて。気付きましたか?視点が切り替わったのが。

分かりずらかったかもしれませんが、気合いで乗り切ってください。

前回の後書きで書くことなし!と言いましたが、全然書くことありました。今回後書き長いです。

例えば真相堂やら、ハッカクレンやら、説明書けばよかった。


先に真相堂について話しますかね。

トリスさんが経営している店です。主に魔法道具などを売っています。

魔法道具とは、話したっけ?

覚えてません!ごめんなさい。もう一回話を聞くことになるかもしれませんが、話します。


魔法道具とは、魔法の力が組み込まれた道具や装飾品のことです。持つことで魔法を発動させたり、特定の効果を得られたりするものです。


まだ沢山の問いがー。


ハッカクレンとは?

葉です。葉の名前です。前回では、こうゆう形だよと伝えたかっただけです。よければ調べてみてください。


想いのペンダントについて

魔法道具:想いのペンダント

小さな八枚の花弁を持つペンダント。中心には宝石が埋め込まれており、光の色が状況や感情に応じて変化する魔法が秘められているため、使用者や周囲の心に影響を与えることがある。

効果:光によって周りの人の感情がわかる

副作用:心の声が聞こえてしまう

制限:強力な魔力や精神力を持つ人物には影響が弱まる場合がある。逆に純粋な心を持つ人ほど効果が強まる。


とここまででしょうか。次回も続きなので、お楽しみにら。


ここまで読んでくださりありがとうございました。


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