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無名の魔法をかけて  作者: 灰色うさぎ88
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招待

今回の話は予告?編みたいな話です。


ある日の事。とある招待状が届いていた。


「はぁ…この国の王子は嫁を探している。その為に王宮に来い。だってさ、行かなくていいか」


ソファに寝転がったまま、ルナティナは封筒を指先でひらひらと揺らした。


「でもさ」

主人は僕をじっと見つめ、意味深な笑みを浮かべた。


「もし私が行かなくても、ごまかせる方法があるんじゃないかなって」


「お嬢様の目の動きからして候補は一人しかいないようです」


「フィシリア、頑張って」


僕は深く息を吐き、静かに反論した。

「……主人。僭越ながら申し上げます。魔法があるのなら、僕を女装させなくとも、メイドを主人に変身させれば済む話では?それにブレスレットがあります」


「なるほど。確かに魔法で“見た目”は似せられるわ。でも、立ち居振る舞いや空気感まではごまかせない。それにブレスレットを隠す魔法を研究して、より隠せる。だからもう彼奴ら(国の奴ら)は探知できないから」


僕は静かに目を伏せ、しかし譲らず言葉を続けた。

「……とはいえ、僕が身代わりになる必要性は依然として不明です。主人が仰る通りなら、姿形さえ整えば誰でもよろしいのでは?」


主人は首を振り、薄く笑みを浮かべる。

「最も近くで私を見て、仕草も声も把握しているのはフィシリアとエドガーだけ。だからこそ、王子に疑われない“本物らしさ”を演じられるの」


僕はちらりとエドガーを見やった。

「では、エドガーさんにその役目を」


エドガーはわずかに目を細め、肩をすくめてみせる。

「私が、ですか? お嬢様のように舞踏会で優雅に踊り、王子に微笑む姿を想像してみてください。……滑稽にも程があります」


主人は堪えきれず小さく笑い、しかしすぐ冷静に言葉を返す。

「そう。エドガーは鋭すぎるの。エドガーの無表情では“令嬢らしさ”を演じられない。それに彼は執事。出席していなければ逆に目立つ」


「……つまり」僕は重く息を吐く。


「ええ。だからこそ、フィシリアしかいない」


エドガーは口元を歪めて皮肉を添える。

「お嬢様の目に適うのは、結局あなたしかいない光栄に思うべきでしょう」


「……エドガーさん」

僕は小さく唸るように言った。


主人はその様子を楽しそうに見つめながら、にっこりと微笑んだ。

「そういうことだから」


僕は深くため息をつき、観念するように目を閉じた。

「……………承知しました、お好きになさってください、主人。しかし……準備が」


僕がそう答えると、主人は満足そうだ。

「準備なんて大げさなことじゃないわ。魔法があるんだから簡単、簡単。じゃあ始めるわね。立って、フィシリア」


僕はため息をつきながらも従い、姿勢を正す。主人が指先をひらりと振ると、淡い光が舞い上がり、身体を包み込んだ。




次に見たのはいつもと違う僕だった。


「……髪を伸ばすとこんな感じなんだ。私の顔、悪くない。そこにフィシリアが変わったことで、冷静な顔がかえって高貴に見える」

主人は頬に手を当て、研究者のような眼差しで僕を眺める。


僕は鏡越しに自分を見つめ、深く息を吐いた。

「……主人。僕は従者であって、人目を引く飾り物ではございません」


横からエドガーが口を挟む。

「いえ、飾り物どころか……下手をすれば王子の本命に見初められるかもしれません。これは大事になるかもしれませんよ」


「エドガーさん?」

僕は思わず睨みつけたが、彼は平然と微笑んでいる。


主人はそんな僕らのやりとりを愉快そうに見守り、さらりと言った。

「だから面白い。何が起きるか、私自身が見届けたいの。エドガー隣に付いてあげてね」


僕は観念してスカートの裾を摘み、軽く持ち上げて歩きやすさを確かめた。


「……承知いたしました。ただし、お嬢様もし王子に本気で求婚された場合、その責任はどうなさるのですか」


主人は片目を細め、意味深に微笑む。

「その時は、その時。もしそうなったら魔法使って記憶消しとく。むしろ、楽しみ」


エドガーは堪えきれぬように喉の奥で笑いを漏らした。

「これは確かに……舞踏会は見ものになりそうですね」


僕は二人に翻弄されながら、重ねて深いため息を吐くしかなかった。


「安心して、フィシリア。私は影からちゃんと見てるから。あなたがどう振る舞うか、すべて観察するから」


エドガーさんも肩をすくめながら皮肉混じりに言った。

「私も見守りますよ。隣で。お嬢様の好奇心に付き合う役目ですからね」



その後は地獄だった。マナー教室が開かれ、ビシバシと注意される僕。


立ち居振る舞い、挨拶の角度、礼の深さ、すべてが王宮の厳格な基準に沿っているかどうか、細かく指導された。僕は一つ一つ冷静に受け流しながらも、心の中では「主人はきっと影から楽しんでいるのだろう」と考え、うんざりした気分を少し紛らわせていた。


ルナティナは端で静かに見守りながら、ときどき目を輝かせて笑う。

「なかなか上手じゃない。王子がこれを見たら驚くかもよ」


エドガーさんは相変わらず皮肉をこめた視線で僕を見つめ、淡々と呟く。

「……見守るだけでも胃が痛くなりそうです」



そして、僕の身代わりとしての舞踏会はこうして始まった。残り1週間、頑張らないと。

読んでくださりありがとうございます。

前回からだいぶ時間が経ちました。

待っててくれた方々、ありがとうございます!


言い訳すると、私の学校で夏休み明けのテストがあって、その範囲を勉強してました。皆さんを待たせた分、点は良かったです。遅くなってすみません。


それで、前のどこかで没案になった話があったと思うんですけど、そこではフィシリアとエドガーを女装させて舞踏会に行かせようとしてたんです。でも没案だったのでやめちゃいました。

今回、女装って言えるか分からないですけど、フィシリアだけはできました。エドガーにもさせたかったんですけど…。


私のとこかで創りたかったのか知りませんが夢に出てきました。なので、今回の話は私の夢からアイデア貰いました。まだ続きます。


今後も投稿は遅くなると思いますが、よろしくお願いします。以上、後書きでした。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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